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41、おっチャンたちは……。

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赤の竜騎士団団長ハロルド・ライアンの
大捜索中、それぞれの飛竜とともに野宿の
準備をしながら、ナオキは食事の手伝いを
しようとしていた。
黄竜騎士団の団長ナバナ・スターリン
副団長のミーカ・コウ・セラミド
青竜騎士団の団長ピロロ・エウラタン
副団長のケラー・チナミン・プラセラ
赤竜騎士団の軍師オスカル・シャトレイヤー
赤竜騎士団の副団長シン・ハーマン
新入りのカーク・ヒアー・ルロン
魚人族の料理人ジャー・コー・テーン
そして、俺ナオキ。
ほぼ出来上がり、器にクリームシチューや
パン、サラダなど並べ終えた頃だった。

それぞれの竜たちが契約者を
守るかのように、暗闇に向け威嚇していた。
竜の唸り声は、腹の底から恐怖が
こみ上げてきそうな感覚だった。
威嚇対象が自分なら、即座に
白旗をあげているだろう。
ハッキリいって怖い。
自分の何十倍もの大きさの飛竜、その
飛竜と契約を結び信頼を得ている
それぞれの団長格達とそのおまけでしかない、
俺と、ジャーさん。
「ボアボアの肉が大量にあったから、
シチューにしたが、こやつら、
それを目当てに、匂いでつられたのか?」
あたりには美味しそうな匂いと、獣のにおいが
混じっていた。
時折ヴヴゥ~という声も混じっていた。
ナオキは、冷や汗が滝のように流れ出るのを
感じていた。
戦闘訓練?じゃない、本物の戦い。
騎士団にいるものの、守られるばかりで
護身術程度の剣術や、完全な自己流か
それ以下、訓練を真面目にしている
騎士団を目に料理や魔道具作りに
ハマっていただけだ。
しかも大半は、指輪のせいで強制的に
寝ていただけだ。
本格的にヤバいと思った。
催涙弾や爆弾攻撃できる、魔道具
作ればよかった。

ピコーン

名前     ナオキ
年齢      生後約1ヶ月、(中身は50代)
性別      ーーー
種族  ーーー
職業      ーーー
レベル     37
体力       142/ーーーー
魔力        1228/ーーーー
メイ神の加護。
経験値2~5倍+α
光 闇 炎 水 木 風 土 雷 癒 夢
ショートソード レベル2
ナイフ レベル3
魔道具開発、錬金術
マジックバック

ショートソードはハロルドさんに
借りた時だから今はない。
あれ?
「囲まれてるのはわかるけど、何に?」
「おそらく鼻が効く魔物。」
「この辺なら、ブラックウルフ……。」
「ウルフ、オオカミ、犬…匂いが
ヤバイやーつ……。」
「ブラックウルフ、だがおかしいな?」
戦い慣れた団長格がいう、おかしい事が、
どうおかしいのかわからないまま、
攻撃できるものはないかと、考えていた。

茂みがガサッと揺れた。
俺は皆んながいるから大丈夫だと思いながらも
時折揺れる、暗闇の茂みにビクビクしていた。
今はまだ向こうも様子見している。
ある程度の知能はあるのか、むやみやたらと
襲い掛からない魔物だった。
俺が取り出したものに、他の団員は
「それはちょっと……。」
「……気が引けます。」
「1人10数匹でやるか、ウルフ系なら
火と雷が多少効くと思います。」
「小道具、ないよりマッシやし
やレルだけやろう。このまま逃げてくれるなら
ありがたいし、とりあえずこれを
切り刻ざもう。団長には、あとで
俺が冒険者として稼いで、良いものを
とくに、防臭機能付きのをプレゼントするよ。」
「とりあえずこれは、魔よけがわりに
ありがたく使わせてもらいます。」
「よーし、匂いなら、私も取っておきの
ものがあるぞ。」
鼻を抑えながら切り刻む団員、涙目に
なりながら切っていた。
ジャーさんも何かを切っていた。
四方に炊いた火を置きにその中に
ジャーさんは何かを投げいれた。
その瞬間、なんとも言えない匂いが
襲ってきたのだ。
く、くさい。
「今じゃ、投げろ。」
ひと握りずつわけた、みんなに刻んでもらった物。
手にはその、臭いが移ってしまった。
あとで、ハーブいりの手作り石鹸で、
手を洗おうと心に誓ったナオキだった。
突然攻撃され、臭いものが降りかかった敵は
慌ててふためくもの、姿形がわかるまで
じわじわと獲物をいたぶるかのように
近づいてくるものがいた。
威嚇するブラックウルフと少しくるしそうな
シルバーウルフにさらに刻んだものを投げつけた。
              ***
結果は圧勝。
数十匹のブラックウルフ、Cランク、
中には、シルバーウルフBランクも混じっていた。
泡を噴いて気絶したものがほとんどだが
マヒ状態、死亡しているものもいた。
恐るべし威力だ。
鼻が効く魔物には、効きすぎたのだった。
さすがハロルド団長の私物。支給品?
やはり威力まで団長クラス、凄かった。
団員も片方だけというものの、
威力の凄さに、ナオキのマジックバックに
もう片方だけ残ってるのを複雑な心境で
見つめてしまった。
魚人族の料理人ジャー・コー・テーン
が切り刻んだものは、高級食材の
幻のクサヤ。
そして、俺ナオキがマジックバックから
とり出したものは、ハロルドさんの
私物。あの、居場所特定に使った、
匂い付きのブーツだった。

クサヤとハロルドのブーツはCランクの
魔物の群れを倒したのだった。
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