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32、おっチャン、意識を失う。
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*赤竜騎士団団長ハロルド目線
お昼を過ぎた頃だろうか?
ギルドに一度戻り、昼ごはんでも
食べようかと思い、薬草採取も
ひと段落ついた頃、声かけをした。
「…通りでお腹すいたと思ったよ。」
「区切りもいいし、腹ごしらえするか。」
「はい。」
数分もしないうちに、数匹の
スライムが発生していた。
隊長格が揃っているし、新入りの騎士団の
カークもいる。
経験値を稼ぐためにも、数匹やっつけさせ
ナオキニは、ある程度傷めつけた
スライムのトドメを刺させたのだ。
飲み込みの早いナオキの動きは
格段によくなり、残りわずかになった
スライムはほぼ一人で倒していた。
討伐し終えたナオキは、残された
スライムの核を拾い集め、時折
日にかざしていた。
「キレイだな。生きた証……。」
なんとも言えない表情、寂しげに
見えた表情に思わず抱きしめてしまったが、
「ハロルドさん、やめ……。」
スパーン。
オスカル…じゃない!!
シン……お前もか!!
俺は、身長差からだからとかそんな事は
考えずに、ただただ上目遣いで
見上げてくる可愛いナオキを
痛みに耐えながら見ていただけなのに。
ついでに抱きしめただけだ。
さらに、ついでのついでに
ちょうどいい位置にあるナオキの頭、
思わず艶やかでサラサラの黒髪から
ただよう花の香りとせっけんの匂い、
そしてナオキの体臭を嗅いでしまったのは
……まあ、仕方がない。
フゴッフゴッフゴッ……。
うるさい。
フゴッフゴッ。
「ハ、ハロルドさぁ……ん!!」
「団長……!!」
「危ない!!」
何を皆騒いでるんだ?
俺はナオキを堪能するのに忙しいんだ。
振り返ると、突進してくるナニか……。
驚いてつい手が出てしまった。
「フゴフゴ邪魔するなぁぁぁ……!!」
ドゴッ。
「……ッ。」
何かがスローモーションで空を
飛んでいるのが見えた。
地味に振り上げた拳が痛い。
「ハロルドさん、すごい!」
キラキラした目のナオキ、可愛い。
痛みは霧散したかのように感じなくなった。
「ボアボアが……。」
どうやら空を飛んだのは、お肉が旨い
ボアボアだったようだ。
今夜はご馳走だ。
「……気絶してる。」
誰かが呟いた。
「ナオキ、トドメを刺せ。」
「えっ?」
「経験値上がるぞ。」
戸惑いながら目を瞑りトドメを刺すナオキ。
優しすぎるからか、命の証、生きた証
と言ってスライムの核を日にかざした
ナオキは、いい騎士になりそうだと思った。
あっ、冒険者になるんだったか。
出来るなら一緒に、騎士団で手元にいて欲しい。
つらい時、楽しい時、常にそばについて
いてやりたい。
俺の願いは叶うだろうか?
**
ナオキ御一行は、ギルドに戻っていた。
「ナオナオ草8束とオサオサ草16束
スライム核が18個、しめて138メイメイ
です。おめでとうございます。ナオキ様
FランクからEランクになりました。
すごい早いですね。」
当たり前だ。俺のナオキはすごいんだ。
「薬草類は常時クエストですが、E~Fランク
対象ですので、次の薬草や低ランクの魔物討伐
クエストをひと月以内に受けた時点で、
ナオキ様のランクは上がりますので、
他、余分な薬草などございましたら
今、買い取りいたしますよ。
他にはございませんか?」
ひと月以内か。確か期限を過ぎると
更新代とペナルティーがあるんだったな。
「な、ないです。」
んっ?まあ、一気に出しても
変に目立つからな。
ただでさえ可愛いナオキは常に
ライバルが多く狙われてるんだ。
俺が常に牽制しなければならない。
顔を赤くしながら、ナオキは俺を見ている。
いつ見ても可愛い。
くるくる変わる表情はずっと見ていたいし
見飽きないなぁ。
「あっ……。」
「あっ?」
あっ?てなんだ?と思った時には身体が
自然に動いていた。
「ナオキ!!」
「オイ、大丈夫か?」
ゆっくり倒れるナオキを受け止めた瞬間
「あつっ!!」
熱を持っているしビリビリする。
「誰か、薬師…?!いや……いい。」
俺は青ざめているギルド職員に声をかけた。
「すまないが、少しの間部屋を貸してくれ。」
「は、はい。」
「急いでくれ。」
ちょうどその頃、ナオキは女神様のもとにいた。
迷信、メイ神……。
お昼を過ぎた頃だろうか?
ギルドに一度戻り、昼ごはんでも
食べようかと思い、薬草採取も
ひと段落ついた頃、声かけをした。
「…通りでお腹すいたと思ったよ。」
「区切りもいいし、腹ごしらえするか。」
「はい。」
数分もしないうちに、数匹の
スライムが発生していた。
隊長格が揃っているし、新入りの騎士団の
カークもいる。
経験値を稼ぐためにも、数匹やっつけさせ
ナオキニは、ある程度傷めつけた
スライムのトドメを刺させたのだ。
飲み込みの早いナオキの動きは
格段によくなり、残りわずかになった
スライムはほぼ一人で倒していた。
討伐し終えたナオキは、残された
スライムの核を拾い集め、時折
日にかざしていた。
「キレイだな。生きた証……。」
なんとも言えない表情、寂しげに
見えた表情に思わず抱きしめてしまったが、
「ハロルドさん、やめ……。」
スパーン。
オスカル…じゃない!!
シン……お前もか!!
俺は、身長差からだからとかそんな事は
考えずに、ただただ上目遣いで
見上げてくる可愛いナオキを
痛みに耐えながら見ていただけなのに。
ついでに抱きしめただけだ。
さらに、ついでのついでに
ちょうどいい位置にあるナオキの頭、
思わず艶やかでサラサラの黒髪から
ただよう花の香りとせっけんの匂い、
そしてナオキの体臭を嗅いでしまったのは
……まあ、仕方がない。
フゴッフゴッフゴッ……。
うるさい。
フゴッフゴッ。
「ハ、ハロルドさぁ……ん!!」
「団長……!!」
「危ない!!」
何を皆騒いでるんだ?
俺はナオキを堪能するのに忙しいんだ。
振り返ると、突進してくるナニか……。
驚いてつい手が出てしまった。
「フゴフゴ邪魔するなぁぁぁ……!!」
ドゴッ。
「……ッ。」
何かがスローモーションで空を
飛んでいるのが見えた。
地味に振り上げた拳が痛い。
「ハロルドさん、すごい!」
キラキラした目のナオキ、可愛い。
痛みは霧散したかのように感じなくなった。
「ボアボアが……。」
どうやら空を飛んだのは、お肉が旨い
ボアボアだったようだ。
今夜はご馳走だ。
「……気絶してる。」
誰かが呟いた。
「ナオキ、トドメを刺せ。」
「えっ?」
「経験値上がるぞ。」
戸惑いながら目を瞑りトドメを刺すナオキ。
優しすぎるからか、命の証、生きた証
と言ってスライムの核を日にかざした
ナオキは、いい騎士になりそうだと思った。
あっ、冒険者になるんだったか。
出来るなら一緒に、騎士団で手元にいて欲しい。
つらい時、楽しい時、常にそばについて
いてやりたい。
俺の願いは叶うだろうか?
**
ナオキ御一行は、ギルドに戻っていた。
「ナオナオ草8束とオサオサ草16束
スライム核が18個、しめて138メイメイ
です。おめでとうございます。ナオキ様
FランクからEランクになりました。
すごい早いですね。」
当たり前だ。俺のナオキはすごいんだ。
「薬草類は常時クエストですが、E~Fランク
対象ですので、次の薬草や低ランクの魔物討伐
クエストをひと月以内に受けた時点で、
ナオキ様のランクは上がりますので、
他、余分な薬草などございましたら
今、買い取りいたしますよ。
他にはございませんか?」
ひと月以内か。確か期限を過ぎると
更新代とペナルティーがあるんだったな。
「な、ないです。」
んっ?まあ、一気に出しても
変に目立つからな。
ただでさえ可愛いナオキは常に
ライバルが多く狙われてるんだ。
俺が常に牽制しなければならない。
顔を赤くしながら、ナオキは俺を見ている。
いつ見ても可愛い。
くるくる変わる表情はずっと見ていたいし
見飽きないなぁ。
「あっ……。」
「あっ?」
あっ?てなんだ?と思った時には身体が
自然に動いていた。
「ナオキ!!」
「オイ、大丈夫か?」
ゆっくり倒れるナオキを受け止めた瞬間
「あつっ!!」
熱を持っているしビリビリする。
「誰か、薬師…?!いや……いい。」
俺は青ざめているギルド職員に声をかけた。
「すまないが、少しの間部屋を貸してくれ。」
「は、はい。」
「急いでくれ。」
ちょうどその頃、ナオキは女神様のもとにいた。
迷信、メイ神……。
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