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26、おっチャンはじめてのお出かけ

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ハロルドは思った。
なぜこうなってしまったのか?
仕事は容赦なく、際限なく…くる。
なんとか、半ば、いや、かなり無理矢理とった
半休。今夜と明日の深夜は徹夜に
なるかもしれない……。
と暗い気持ちはおいといて。
せっかくの2人っきりのはずが、
なぜ邪魔……ゴホッゴホッ。
なぜ、サークラ王子まで……。
護衛に副団長のシンと軍師のオスカルが
来るのはいいが、なぜこんな大所帯に
なったのだ。
何度も何度もしつこいくらい言うが
俺の可愛いナオキと2人っきりで
行く予定だったのに。
くそっ。
はぁー、ため息がでる。
なんとか2人っきりになるチャンスはないか
意地でも2人っきりになってやる。

無駄に燃えているハロルドがいた。

王城からこっそりお忍びと称して抜け出た
サークラ王子を迎えに、
黄竜騎士団の団長ナバナ・スターリン
黄の副団長のミーカ・コウ・セラミド
青竜騎士団の団長ピロロ・エウラタン
青の副団長のケラー・チナミン・プラセラ
がやって来たのだった。
団長はいいとして、問題は各副団長と
うちの新入りだ。
同じ侯爵家の成人したてのヒヨッコ団員、
魔力はそこそこだが、いざ実戦になると
使い物にはならない。
本来あってはいけないのだが、
国王が弱っているからか、侯爵の
息子というだけで、副団長に
おさまっているのだ。
各騎士団に3人の侯爵の御子息は
振り分けられたが、ウワサはあまりよくない。
うちの、副団長、軍師ともに種族など
実力主義だからか、新人にしては
寄附金、賄賂を渡そう出した親バカに
団規に背くからと言って断りを入れたら
逆ギレしたので、こちらもそれなりに
丁重に扱い、"後ろめたいことがあるのか?"
"調べるぞ?"と言った内容を国王や
他の騎士団にまで言ったのだが、
先に入隊していた、黄色と青の騎士団の
団長格は、その手があったのかと悔しがっていた。
貴族階級の団長たちは、上からの圧力で
押し切られたのだった。
使えないおぼっちゃまは、めんどーなだけだ。

赤竜騎士団に今年度新たに配属された
カーク、・ヒアー・ルロンは、
親に似ないで、実力を分かっているのか
控えめな性格だ。
だが、そんな3つの侯爵家の御子息が
集まると、いざこざが起きやすい。
難儀な人選できたもんだから、
すぐにでも連れ帰ってくれれば良いものの、
はあー。サークラ王子は気にせず
町へ俺の"ナオキ"と行く!!だの、
俺の"ナオキ"の髪の毛を元に魔道具を
作るだの言い出した。
俺の"ナオキ"の髪の毛で魔道具を作るだと?!
何本、何十本必要だ?
それとも永久的に必要なのか?
俺の可愛いナオキの髪の毛がなくなったら
どうするんだ。
魔法省の開発品、フッサフサ君5号は
確か人族にはあまり効かないと
聞いたことがあるが、獣人族には、
抜群の効果らしい。
ナオキから、なんの魔道具になるんだ?
しかし、使うのが髪の毛とはいえ
引っかかる。サラサラの髪の毛だが……。

ナオキが行きたいと希望していたのは、
教会、冒険者ギルド。
教会?宗教に対して関心はないように
見えたが特に悪い事でもないな。
あと、冒険者ギルド……。
むさ苦しい奴らに、俺の"ナオキ"を
見せたくないし、触らしたくない。
登録したいと言ってるから、
登録させてあげるが、冒険……。
危険だから、俺が休みの日…信頼
出来る団員がついていける日のみ
冒険を許そう。
他の奴らにはパーティーは組ませない。

一方、ナオキはサークラ王子を迎えにきた
メンバーの名前を聞いた瞬間思った。
黄の副団長のミーカ・コウ・セラミド
青の副団長のケラー・チナミン・プラセラ
新たに配属されたカーク、・ヒアー・ルロン
セラミド、プラセンター、ヒアルロン酸
硬タンパク、ケラチン……。
「角質(かくしつ)か…?」
と呟いたのだった。

「説明はまだなのに、ナオキはすごいな。」
「やはり雰囲気でわかったか?」
「たしかに確執(かくしつ)ある3侯爵家だ。」
「……。」
ハロルドさん、シンさん、オスカルさんに
それぞれ言われたナオキは、苦笑いしか
出来なかった。

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