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5、おっチャン、戸惑う
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*ハロルド視点
初めてあった瞬間、心の臓がキューッと
なり、彼から目が離せなくなった。
あの巨大なマンイーター(Bランクの魔物)
にやられそうになった俺を助ける為、
一人で危険な魔物をやっつけた彼。
本来ならBランクの冒険者数人で
討伐するのだが、突如として群れ出た
魔物の多さに、ギルドからの要請が
出たのだった。
冒険者と共同での魔物討伐だった。
今年に入りやたらと魔物が活発になっていた。
そんな中、冒険者にしては華奢な彼、
しかも使った技は、ドレイク。
手には武器や杖などもなく、
魔力を吸い取った彼に目がいかない方が
不自然だ。あれだけの膨大な魔力を
吸収しながらも、まだ余裕がありそうな彼。
名前は"ナオキ"。
姿形からして異国の者と目立つ彼とは、
言葉は通じなかったはずなのに、
呪文でも唱えていたのか、下を向いていた
彼が顔を上げ何かを呟いた瞬間、
ふわぁっと何か包まれた気がした。
悪い物ではなさそうだが、気にはなった。
その直後から、念話をしなくても
通じるようになった。
彼は魔術師なのか?それも、宮廷魔術師の
上位クラスかそれ以上かもしれない。
詠唱も短く、的確。
高位の魔術師、または、魔族なのか?
ナオキが何者であっても、もう
俺はナオキ手放せないだろう。
どうやって手に入れようか?
他の者に見せたくはないが、俺の庇護下に
入れとかないと大変な事になりそうだ。
ずっと不安げな彼は、時折目を伏せながらも
人の動きや様子を見ている。
君は15歳から17歳位にしか見えないが、
人族もだが、魔力が強いと若い時のまま
成長すると言われるが、それはほんの一握りだ。
一応18歳が成人だが、ナオキは何歳だろうか?
俺は46歳だが、見かけは20歳前後のまま
姿はあまり変わらない。
俺の寿命は、魔力量からして200歳前後だろう。
もしかすると、ナオキは俺より魔力があるから
年上なのかもしれない。
なんだか、年齢を聞いたものの
怖くなってきた。
しかも、お金の心配をしている。
過酷な地にいたのか?
それとも、特殊な環境下の中で
育てられ、何らかの出来事があり
逃げ出す事が出来たのか?
これだけの魔力があれば、逃げ出すのは
簡単そうだが、相手もそれなりだったのか?
俺は色々な思考を巡らせていた。
視線を感じ、その視線のもとをたどった。
ナオキの顔色が悪い。
「ナオキ、やはり具合が悪いのか?」
声かけすると、恥ずかしげに目を潤ませた
ナオキがいた。
「い、いや。すまん。俺は、ハロルドさんから
見て、どう思われるのか気になって
しまっただけ……。俺は……。」
ナオキ!!好きだ!!
そう叫ばなかった俺を褒めてほしい。
ガシッ。
ふるえるナオキの両手は細く、わずかな
力をいれただけで折れてしまいそうだ。
「魔力を帯びた艶やかな漆黒の髪、
手触りは抜群。」
頭をクシャクシャするように、ナオキの
頭を撫で回すとサラサラする髪質で、
ずっと触り続けたくなった。
やみつきになりそうだ。
「瞳の色まで黒で、どんな宝石より
美しい。しかもひと目見たときから、
君に吸い込まれるような、吸引力。」
このまま、吸いつきたい……。
キスをしてもいいだろうか?
「……。」
少し震えてるナオキ。
ダメだダメ、キスを一度でもすれば
歯止めが効かなくなりそうだ。
「小さな身体に秘められた溢れ出てる
魅力と魔力、君が魔族や堕天使でも
君に…ナオキに惹かれる自分が止められない。」
君の全てを知りたい。
一目惚れなんて存在しないと思っていたが
なるほど、これがウワサに効く
一目惚れなのか。
「ハロルドお兄さんが、ナオキのそばに
ずっといてあげるから、安心しろ。」
「……。」
彼は俺を熱い眼差しで見てくれていた。
このまま見つめられたらおかしくなって
いただろう。
竜騎士として彼の年齢確認はしていないが、
万が一未成年者を抱いてしまったら、
流石に背徳感どころか、懲戒ものだ。
遠くで俺を探している声が聞こえてきた。
邪魔な声だ。団長と色気も何もない団員の声。
もう少しナオキと2人でいたかった。
彼を手放したくない。
さあ、どう囲い込もうか?
初めてあった瞬間、心の臓がキューッと
なり、彼から目が離せなくなった。
あの巨大なマンイーター(Bランクの魔物)
にやられそうになった俺を助ける為、
一人で危険な魔物をやっつけた彼。
本来ならBランクの冒険者数人で
討伐するのだが、突如として群れ出た
魔物の多さに、ギルドからの要請が
出たのだった。
冒険者と共同での魔物討伐だった。
今年に入りやたらと魔物が活発になっていた。
そんな中、冒険者にしては華奢な彼、
しかも使った技は、ドレイク。
手には武器や杖などもなく、
魔力を吸い取った彼に目がいかない方が
不自然だ。あれだけの膨大な魔力を
吸収しながらも、まだ余裕がありそうな彼。
名前は"ナオキ"。
姿形からして異国の者と目立つ彼とは、
言葉は通じなかったはずなのに、
呪文でも唱えていたのか、下を向いていた
彼が顔を上げ何かを呟いた瞬間、
ふわぁっと何か包まれた気がした。
悪い物ではなさそうだが、気にはなった。
その直後から、念話をしなくても
通じるようになった。
彼は魔術師なのか?それも、宮廷魔術師の
上位クラスかそれ以上かもしれない。
詠唱も短く、的確。
高位の魔術師、または、魔族なのか?
ナオキが何者であっても、もう
俺はナオキ手放せないだろう。
どうやって手に入れようか?
他の者に見せたくはないが、俺の庇護下に
入れとかないと大変な事になりそうだ。
ずっと不安げな彼は、時折目を伏せながらも
人の動きや様子を見ている。
君は15歳から17歳位にしか見えないが、
人族もだが、魔力が強いと若い時のまま
成長すると言われるが、それはほんの一握りだ。
一応18歳が成人だが、ナオキは何歳だろうか?
俺は46歳だが、見かけは20歳前後のまま
姿はあまり変わらない。
俺の寿命は、魔力量からして200歳前後だろう。
もしかすると、ナオキは俺より魔力があるから
年上なのかもしれない。
なんだか、年齢を聞いたものの
怖くなってきた。
しかも、お金の心配をしている。
過酷な地にいたのか?
それとも、特殊な環境下の中で
育てられ、何らかの出来事があり
逃げ出す事が出来たのか?
これだけの魔力があれば、逃げ出すのは
簡単そうだが、相手もそれなりだったのか?
俺は色々な思考を巡らせていた。
視線を感じ、その視線のもとをたどった。
ナオキの顔色が悪い。
「ナオキ、やはり具合が悪いのか?」
声かけすると、恥ずかしげに目を潤ませた
ナオキがいた。
「い、いや。すまん。俺は、ハロルドさんから
見て、どう思われるのか気になって
しまっただけ……。俺は……。」
ナオキ!!好きだ!!
そう叫ばなかった俺を褒めてほしい。
ガシッ。
ふるえるナオキの両手は細く、わずかな
力をいれただけで折れてしまいそうだ。
「魔力を帯びた艶やかな漆黒の髪、
手触りは抜群。」
頭をクシャクシャするように、ナオキの
頭を撫で回すとサラサラする髪質で、
ずっと触り続けたくなった。
やみつきになりそうだ。
「瞳の色まで黒で、どんな宝石より
美しい。しかもひと目見たときから、
君に吸い込まれるような、吸引力。」
このまま、吸いつきたい……。
キスをしてもいいだろうか?
「……。」
少し震えてるナオキ。
ダメだダメ、キスを一度でもすれば
歯止めが効かなくなりそうだ。
「小さな身体に秘められた溢れ出てる
魅力と魔力、君が魔族や堕天使でも
君に…ナオキに惹かれる自分が止められない。」
君の全てを知りたい。
一目惚れなんて存在しないと思っていたが
なるほど、これがウワサに効く
一目惚れなのか。
「ハロルドお兄さんが、ナオキのそばに
ずっといてあげるから、安心しろ。」
「……。」
彼は俺を熱い眼差しで見てくれていた。
このまま見つめられたらおかしくなって
いただろう。
竜騎士として彼の年齢確認はしていないが、
万が一未成年者を抱いてしまったら、
流石に背徳感どころか、懲戒ものだ。
遠くで俺を探している声が聞こえてきた。
邪魔な声だ。団長と色気も何もない団員の声。
もう少しナオキと2人でいたかった。
彼を手放したくない。
さあ、どう囲い込もうか?
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