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遠くから…。

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「…なんて言っていいか、わかりませんが
…それでも、いいでしょうか。」
「ああ、構わない。ターカが太陽の女神や、
他の神々だとしても、信じるよ。」
す、すごい事言ってないか?
この人…天然タラしなのか?
いや、女性なら喜ぶのか…?
ボヤける視界で、じーっと見つめていた。
身体は自分より大きく、顔も整っているだろう。
仕草や、声も落ち着いていて…ここにいても
いいんだと、錯覚してしまいそうになる。

「…ありがとうございます。私は日本という
国にいました。そして、いつの間にか…
倒れてしまい気づいたら、この国にいました。」
「…そうか。そうだったんだ。大変だっんだね。」

そういうディザード・マリアム・エーマは
ニホンという国を、頭の中で一生懸命
探し出していた。
この私が知らない国。
たしかに奇妙な服だったし、サイズも
合わない服。
ディザードは、ターカが何者かに
襲われたのかとも思いはじめてしまった。
無理矢理襲われ、服を脱がされたのか…?
ま、まさか、乱暴な事をされたのでは?
酷い日焼けは、砂漠の熱だとしても、
殺す気で、あんな場所に放置したのか?
ディザードは、中から込み上げる怒りで
いっぱいいっぱいになっていた。

「う、うそは言ってない。そんな…怖い
…お、怒ってますよね?ご迷惑を
おかけしました。この場所も知らないけど…
ご、ごめんなさい。近くの町か何か…
教えて下さい……。」
これ以上滞在しては、迷惑をかけてしまうと
思ったターカは、ある程度、町や貨幣など
教えてもらってから独り立ちしようと考え始めた。

一方ディザードは、怖がらせるつもりは
なかった。しかもターカは、涙を浮かべていた。
泣かせてしまった。
知らない国からきた、ターカ。
数多くの女性と出会ったが、こんな子は
初めてだった。
これは、運命なのか?
冷静にならなければならない、色々考えると
そろそろ相手を見つけなければならない。
地位やお金めあてなら、いくらでもいる。
だが、ターカはなんだかちがう。
戸惑っている中に、恥じらい、時折
強がる姿が、たまらなく可愛いと思った。

ターカという人物を、俺はどうしたいのか?
他の女性に抱いたことがない感情もある。
答えは、ほぼ決まっている。
だから、こんな機会はもうないはずだし、
運命なんだ。もう、手放せない。
あとは、ターカの気持ちとそれを
尋ねる勇気とタイミングだ。
焦りは禁物だ、だが、頃合いがイマイチ
わからない。いつ?
今だっ!ってピンっとくるのか?
来なかったら、それに、話したとして、
ターカに、嫌われたら…立ち直れるだろうか?
な、何か、気の利いた話を……。

「二、ニホン、すまない、勉強不足で
それがどこかわからないが、そばに…
いや、ここでゆっくり暮らして欲しい。」
「…やはり。」
「んっ?どしたんだ?」
次の言葉に、ディザードは驚いた。
「ここは、別の世界なんですよね?」
はっ?別の世界?
やはり彼女は、女神?
神々の国の住人なのか?
ふくよかで、触り心地がよすぎる胸、
なめらかで、吸いつきたくなる白い肌。
たかなる俺のモノを早く、挿れたくなる
聖なる領域。
治療の為とは言え、薬湯に一緒に
浸かりながら、魔力を注ぐ間俺は、
性欲と戦っていた。
最後まで挿れなかったが、意識のない
女性を無断で犯すなんて恥さらしはできない。
今度こそ、許可をもらってからだ。

「ターカ、食事をすませたら薬湯に浸かろう。
また、魔力をそそいでやる。」
「…はい。」
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