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セルフ

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1時間ほど目的もなく、ただ走っていた。
少し減ってしまったガソリンを
入れようと言うことになり、
「ガソリンってどこに、入れるの?」
っていうと、一瞬黙ってしまったけいさん。

だけど、すぐそのあと優しい
笑顔のけいさんに戻った。
「りんかちゃんの初めての体験、
俺が手ほどきしてみようか。」
とニヤリと笑っている気がした…。


「いらっしゃいませ。毎度
ありがとうございます。」
「あ、あ…は、はい。あ、あの…
ガ…ガソリン…ハイオクガソリン
入れたいんですが……。」

「プックク…クク。」
けいさんが、必死に笑いをこらえていた。

      ☆☆☆

私は、車でガソリンの入れ方を
一通り教えてもらったはずだった。

スピーカーから声が聞こえるので、
それに合わせて順番にしたらいいよ。
っていう事とガソリンは、ハイオクを
選んで、給油満タンを選ぶ。
ガソリンを入れるホースみたいなガン?
も持っているのに、なぜか、
スピーカーからも喋って貰えないし、
何も起こらない。
カードを入れたらすぐに返ってくる。

「なんで?」
私は、ハイオクとかかれた、ガソリンが
出てくるホースみたいなのを、試しに
ガソリンタンクの穴に、差し込んでみた。
何も出ない…。

「ぷっ、ご、ごめん。りんかちゃん、
可愛すぎて、いじめてる気分になる……。」
「ごめんなさい…。ガソリン、出ないの。」
私、何も出来ないんだ。

「うん。ぷっ…。ごめんね。これは、
スピーカーからは、マニュアルの音声だけで
受け答えは、しないし…。可愛い…。」
「えっ?」

「これは、このパネルを押して、ハイオク、
現金か、クレジットか、選ぶ。」

その後、ひとつひとつ一緒に操作をして、
やっとセルフでガソリンを入れ終わり
一仕事終えた気分になった。

「おめでとう。はい、ご褒美。」
ちゅっ。
「んっ…。」
びっくりした。

「可愛い。」
ちゅっ。
「このまま、押し倒して抱きしめたいけど
今日は、ドライブだから、ありがちだけど
海、行こうか?」

私たちは、海に向け車を走らせていた。

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