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第10話 ~ギルド
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ーティルー
翌日、俺はヒックス達から貰った地図を頼りに総合ギルドなる場所を目指していた。何故ギルドを目指すのか? 理由は簡単である。
昨日は疲れたが故、宿屋の自室へ戻って直ぐにログアウトをした。そして今朝早くにログイン、昨日しなかった自身のチェックにて気付いた。ウサギセットがボロボロだ、そりゃあもう酷い有様。…作ってばかりの新品だったのに一日でボロボロ、それほど狼の奴が強かったのだろう。専用自作職人セットにて直そうと考えたが、道具だけでは厳しいと判断。相応の設備…所謂作業場での修繕が必要、師匠達の所へ行くのは藪蛇。そう考えるとギルドしかない、…消去法でギルドに決まったのだ。
まぁそのギルドへ行くという選択肢は、シグルゥからのアドバイスなんだけどね。宿屋の受付でヘタっているシグルゥにそのことを言ったら、
「だったら総合ギルドへ行けばいいよぉ~、そこへ行けば作業場があるからねぇ~。ティル君の場合、行ったら行ったで別の場所へ案内されそうだけどねぇ~…。」
とのことなので、情報をくれたシグルゥにはきちんと礼を言った。…にしても、何でヘタっていたんだろうな?
…という経緯から総合ギルドへ向かっているわけで、地図を見てもなかなか着かない。初日辺りにヒックス達の案内を聞いていた筈なんだが、俺ってば方向音痴の部類に入っているのか? …とかブツブツ呟きながらさ迷って、道行く人達にビビられながらも何とかギルドへ着きました。…今回のことを踏まえ、地理的なスキルを手に入れなければと密かに決意した。
────────────────────
人の流れに乗ってギルドの中へ、視線をさ迷わせて周囲を見れば賑わっている。流石は総合ギルドというわけか、…情報通りPC冒険者が大半を占めているようだ。俺と同じように物珍しさからか、キョロついているお上りさんが多いしな。まぁ俺のように、F.E.O開始後初でこの場に来た者は少ないとは思うが…。
そうだ…一応、この総合ギルドのことを簡単に説明しよう。この総合ギルドというのは、冒険者ギルド、生産ギルド、魔法ギルド、この3つのギルドの集合体である。リアルで言うなら役所…という表現が当てはまるだろうか? …とにかく、最も俺達が世話になるだろうと思われるギルドが集まっているのだ。他にも盗賊ギルドやら傭兵ギルド等があるようだが、その他のギルドは何処にあるのかは謎。地図を見ても載っていないことから、現時点では知らなくてもいいことなのだろう。何となくだがそれらのギルドを見付けるには、イベントやらの条件が必要なのだろうと予想する。
因みに総合ギルドに集う3つのギルド、これらのギルドはシアルの街にそれぞれ個々で居を構えているらしい。そこへ行くにはやはり何かしらの条件があるとか、…PC冒険者で行くことが出来た者はいるのだろうか? シグルゥ曰く、総合ギルドは初心者、その中でも客人冒険者専用の施設と言っていたからな。総合ギルドが示す条件を満たし、初心者の域を脱した者だけが行けるのだろうさ。
……っと考えるのは後だな、今はとりあえず作業場を借りる為の行動をせねば。え~と…、生産ギルド? の受付は何処かな…っと。
ギルド内の案内板で生産ギルドエリアを確認、向かう途中でめっちゃ見られたり避けられたりしたが、無事に受付へと辿り着いた。受付の数は5つ、その中の4つは可愛い娘ちゃんとイケメンが担当故に大盛況。残る1つは親父が担当のようで、他の4つとは違い誰も並んじゃいない。…意味分からん、行列を作ってまで可愛い娘ちゃんとイケメンに担当して貰いたいんか? …まぁ他人がどういう思考で動いているのかはどうでもいいか、並ばないで受付へ行けることに喜ぶとしよう。
…で俺は、行列を横目で見ながら受付へ。
「おう、親父さん。ギルドの作業場を借りたいんだが、空いているんかね?」
なるべくフレンドリーな雰囲気を纏い、笑みを浮かべて受付の親父に話し掛けたら周囲がざわついた。…何故?
「…んぉっ!? おぉう! …作業場はまだ空いているぞ。使用するには我が生産ギルドの登録カード、通称ギルドカードが必要になるのだが見せて貰ってもいいか?」
俺に声を掛けられた親父はビクッ! と驚き、直ぐ様受付モード? に移行した。作業場を借りるにはギルドカードの提示が必要みたいだが、
「ギルドカード? …いや、持っていないな。」
今日初めてギルドへと訪れた身、持っている筈がない。それを聞いた親父は再び驚き、
「…風格があるのにまだ未登録か、そいつは勿体ない。アンタ…、ギルドカードを作らないか? そんなに時間は掛からんけど、…どうだね?」
俺に風格がある? …あの師匠達との地獄によって、知らぬ間に身に付けていたのか? …で未登録の為に驚いたと。この親父さん、かなり見る目があるな。それを俺の雰囲気で察するとは、しかもやや身を乗り出して勧めてきたし。そう求められると悪い気はしない、元々そのつもりであったわけだし。
「登録もするつもりだったし、お願いしようか。」
ギルドカード、作るとしましょうか!
俺が登録を頼むと、親父は満足そうに頷き、
「そうかいそうかい、登録してくれるか! それじゃあコイツに、この水晶に手を置いてくれ。必要な情報だけを読み取るものだから、危険なモノではない。そこは安心して触ってくれ。」
受付カウンターの脇に置かれていた水晶を、俺の目の前に移動させてそう言ってきた。これは何ぞや? …と思ったのだが、触らなければ進まないみたいなので、
「了解、…これでいいか?」
その水晶に触ってみた。…するとどうだろう、触って直ぐに水晶が淡く光り出した。ある程度光った後に、その光は親父が持つカードのような物に吸い込まれていく。約1分ぐらいだろうか? 全ての光がカードに吸収され、水晶の光は消えた。
「長くても数十秒で終わるんだが、…アンタの情報量が普通よりも多かったみたいだな。…とりあえず、アンタの情報はギルドカードに記録された。その情報に間違いがないか、確認して貰っていいか?」
そう言って手元のギルドカードを差し出してくる、俺は水晶から手を離してそれを受け取った。
手渡されたギルドカードはスマホによく似ている、使い方もほぼ同じと言っても間違いはないだろう。カードの画面? をタップしたりスクロールさせたり、表示される情報を確認していく。基本ステータス、スキル、称号と、それに俺が今まで作った生産物も全て記録されている。その性能に驚きながら、カードを操作していると、
「…どうした? 何か間違いでもあったか?」
俺がちんたらしているからか、親父が不安げな顔でそう聞いてきた。確認だけなのに、こうも長く操作していたら問題があったのかと思うわな。俺としたことが…、不覚!
「いや、あまりに凄いカード故に夢中で操作をしてしまっただけだ。問題はないし間違いもない、安心してくれ。」
そう答えれば親父はホッとした顔になり、続けて自慢気に、
「おう! そりゃそうだぜ、このギルドカードは自慢の逸品。何せ、我が生産ギルドと魔法ギルドの合作なんだからよ!」
と胸を張って俺にドヤ顔を向けてきた。生産ギルドと魔法ギルドの合作ねぇ…、
「2つのギルドが協力して作り上げた合作か、…そりゃ凄い筈だわ。」
素直に凄いと感心してしまう。それと同時に、いずれは俺もこのような物を作ろうと思ってみたり。まぁだいぶ先のことになるんだろうけどな、今は技術を磨くのみってね。
確認を終えた俺は、カードを親父に手渡した。
「じゃあ此方でも、登録の為に情報を確認させて貰うぜ。」
俺が頷いたのを確認した親父は、カードを手元の水晶板? に差し込んで何やら操作をし始めた。何かパソコンみたいだなぁ~…と、その姿を見ている俺。ある程度操作した後、
「ふむ…予想通り、〔職人達の弟子〕という称号を持っているようだな。俺の目は確かなようだ、アンタ…将来有望な生産者になるぜ。因みに師事する職人達は……。」
俺の師事する師匠達を見たのだろう、…親父の動きが止まり目を剥いた。
「鍛冶師バルトにアダン、裁縫師ゲーツ、装飾師ワイズマン、アイテム師ディーバ、木工師エイガー…。シアルの上級職人達じゃねぇかよ、しかもその中の一人は最上級職人だぜ? …お前、ただの客人じゃねぇな?」
とか言ってくるが、俺はただの客人ですよ? しかも初心者。それに師匠達は有名人みたいだ、本人達もそう言っていたし。
俺の師事する師匠達を知った親父は、う~む…と何やら少し考えた後、
「お前、あの方々の弟子であるならこの総合ギルドではなく、生産ギルドシアル支部で生産に励んだ方がいいんじゃねぇか? ここの作業場は共同しかねぇが、支部は個室があるし設備もいい。何なら案内するまであるが、…どうするね?」
と提案してきたではないか。条件を満たさないと行けぬであろう支部か、魅力的だな。この親父の提案が聞こえたのだろう、隣の列に並ぶ奴等がざわつく。
「この総合ギルドは初心者の教育用ギルドと言ってもいい、だがお前は上級職人達の手解きを受けて認められている。所持している生産スキルの数が多くLVも10を超えているし、生産数も桁違いだ。これはもう…、初心者とは呼べないだろう。」
俺は初心者だよ、本当に初心者なのだ。だがしかし、あのしごきに堪えたのだから初心者とは呼べない…か。師匠達にも言われたもんな、初心者にあるまじき…と。
「だからこそ、お前には支部へ行って貰いたい。それほどの者を、初心者施設で燻らせるのはギルドの損失。それ故の提案なんだが、……どうよ?」
俺のことを考えつつもギルドのことも考えての提案か、…ふむ。
…考えてみた結果、断る理由がないな。
「それじゃあ手間を掛けるかもしれんが、支部への案内を頼んでもいいか?」
そう言うと親父はニヤリと笑い、手元の水晶板を操作した後に受付を閉め、
「では、生産ギルドシアル支部へ案内しよう。」
俺達のやり取りを見て聞いていた隣の列の冒険者達、同じPCだろう者達が俺にビビりながらも視線を向けてきた。…が俺は気にしない、ただ親父の後に続いて総合ギルドを出るのみ。総合ギルドから出た後、ギルド内が騒がしくなったようだが何かあったのだろうか?
────────────────────
そして俺は、親父の案内で支部へと向かう。その道中で親父との会話を楽しんだ、所謂雑談というものだ。その会話の中で分かったことがいくつかある、親父の名前がジャンということ、王都の支部からの応援で総合ギルドへ来ていたこと、王都への街道が魔物のせいで封鎖されていること、この世界には神や精霊、妖精等が存在すること、ある程度の実力と実績があれば職業に就けること等、興味が惹かれる情報を色々と知ることが出来た。流石はNPC、ジャンは色んなことを知っているな!
生産ギルドシアル支部へ着いた俺とジャン、彼の先導で受付に来た。ジャンは俺のことを受付の女の子に任せ、俺に挨拶をした後に帰っていった。その時、女の子がペコペコと頭を下げていたのが印象的だった。ジャンの奴、王都支部の幹部だったり? そんなことを考えていたら…、
「ハハハハハジメマシテ…ティルしゃん! わ…私は本日付でティルさんの専属、担当になりましたエイミーと言いましゅ! 私…未熟者ですが、しぇ~一杯頑張りましゅので…イジメないでください!」
とめっちゃ緊張し、かなりビビりながら受付の女の子が挨拶をしてきた。大きな目が愛くるしく、赤紫の髪が外ハネなのがかなり良い。うむ…美少女であると断言しよう、エイミーという名も良いな。そんな彼女の可愛い顔が微妙に引きつっている、しかもその目に涙を溜めている。顔はこんなのでも、俺は善良であると胸を張ることが出来るぞ。
自分なりの穏やかな声で、
「エイミーさんね、覚えたよ。既に知っているみたいだが名乗らせて貰う、俺の名はティル。悪党顔だが中身は普通のつもりだ、そう恐れなくても大丈夫。とりあえず、仲良くしてくれたら嬉しい。」
そう名乗ってからの無敵スマイル、彼女がビビっているからこその笑顔である。悪党顔であると自覚はしているが妹曰く、『あんちゃんはいつ見てもカッコいいよね! 妹として鼻が高いよ♪』といつも絶賛してくれるものだから、悪党顔でも女の子ウケをする顔だと思っていた。…がエイミーさんの表情は真っ青で、俺の顔はウケない…そう気付いてしまった。妹故の身内贔屓、それか気を遣わせていた…ということなのか? やべぇ~…、意外にもショック…!
ガックリと項垂れる俺を見たエイミーさんは、
「あわ…あわわわわ! ごごごごごごめんなさい! これから専属になるというのに、とても失礼な反応をしてしまって…!」
ペコペコと頭を下げて謝るエイミーさん。それに連動して、彼女のとても素晴らしいお胸も上下に揺れております。項垂れながらも視線がそちらに…、これが彼の有名な『万乳引力』というものなのか! そんなモノを目の前で見せられたら俺は…、
「うん、気にしなくていい。それどころかありがとう…、この言葉をエイミーさんに贈る。」
「???」
礼を言う俺にエイミーさんは困惑、まぁ…何故礼を言うのか分からんよな? 分からなくてもいいけど。そんな彼女の後ろにいるナイスミドルなお偉いさんっぽい中年男性、彼が俺に向かって親指を立ててサムズアップ。『青年よ、君も万乳引力に惹かれし者か!』と、言われているような気がする。全くその通りなので否定はせず、彼女に気取られぬよう目線で挨拶をしておいた。
未だに困惑中のエイミーさんに俺は、
「とにかく一度落ち着いて、…そしてこれからよろしくな。」
エイミーさんにそう言った。エイミーさんはきょとん…と、一時停止してから、
「あのそのえっと…、よろしくお願いします?」
上目遣いで恐る恐るといった感じの反応、頭を撫でまわしたい程に可愛いが我慢。その代わりに微笑を浮かべれば、エイミーさんは再び涙目へ。…何だか泣けてきたぜ。
エイミーさんを何とか宥め、生産ギルドの説明をして貰っている。そして今はギルドランクについて、
「当ギルドのランクなんですけど、上からSS・S・A・B・C・D・E・Fの順に設定されています。最高ランクがSSで最低ランクがFになりますね、異例ではありますがティルさんはEランクから始めて貰いますね?」
本来ならばFランクから、しかし俺はEランクからで異例ときたもんだ。師匠達との修行が俺をEランクからにしたのか?
「あ…でも、生産履歴を見る限り…直ぐにでもDランクへと上がりそうですね。これはあれですね、少なくとも称号の影響は確実にあります。普通は登録時からEランク、まして直ぐにでもDランクへ上がれるような人はいませんよ? …客人の方って凄いんですね?」
…たぶん、客人だからってわけではないと思うが。…やっぱり師匠達の影響だわ、それしかない。
「Dランクの条件は、3つ以上の生産スキルがLV15以上、生産種類が20以上で総生産数が500以上であること。因みにDランクとなって初めて、一人前の職人さんと周囲から認められます。」
……それってどうなの? その条件ってゆるくない?
「それって一般的にツラいものなのか? 俺からしてみれば普通、別に苦でもないのだが…。」
…師匠達にしごかれ過ぎてマヒっているのか? …俺の発言にエイミーさんは驚きながらも納得する。
「一流職人様の弟子だからこそですか、…才能なんですねぇ。…因みにCランクの条件は、5つ以上の生産スキルがLV30以上、生産種類が40以上で総生産数が1,500以上であること。そして依頼成功数が10以上となります。」
…Cランクの条件もそれほど大変なものではないような、…やはり俺が変なのか?
自分自身について考え、唸っていると、
「ティルさんの場合は何となくですけど、才能と称号効果で苦に感じることなく達成しそうですね。…というか現時点で総生産数が2,000を超えている事実、変態さんですか?」
それ言うなし、自分でも思っているよ! 総生産数が2,000を超えるとかって、俺が変態というわけではない! 師匠達のネジがぶっ飛んでいるのだ、そうに違いない! ………くそぅっ! 考えれば考える程、事実が俺の心を傷付ける。エイミーさんの無垢な言葉が心に響く、これは話題を変えて心機一転を…!
「まぁそれはいいとして、登録は終わったんだろう? ちょいとやりたいことがあるから、作業場の方へ案内してはくれまいか?」
作業場の話題にすり替えると、エイミーさんはハッとして、
「そういえばジャンさんに言われていました! えっとえっと……。」
慌てて水晶板を操作し始めた、…大丈夫なんか?
数分後…、
「えっと、ティルさんへ案内する作業場は個室になりますね。本来であれば共同作業場になるんですけど、ティルさんのお師匠様達は一流の方々ばかり。その方々の弟子であるが為の対応となります、それに…ギルド職員が個人の担当になることも異例なんですよ? 当ギルドはティルさんに期待をしています!」
……期待されているのか、…何気に重く感じるのは気のせいだろうか? ぶっちゃけ生産オンリーでいく気は全くないのだが、…それでもいいのかね?
翌日、俺はヒックス達から貰った地図を頼りに総合ギルドなる場所を目指していた。何故ギルドを目指すのか? 理由は簡単である。
昨日は疲れたが故、宿屋の自室へ戻って直ぐにログアウトをした。そして今朝早くにログイン、昨日しなかった自身のチェックにて気付いた。ウサギセットがボロボロだ、そりゃあもう酷い有様。…作ってばかりの新品だったのに一日でボロボロ、それほど狼の奴が強かったのだろう。専用自作職人セットにて直そうと考えたが、道具だけでは厳しいと判断。相応の設備…所謂作業場での修繕が必要、師匠達の所へ行くのは藪蛇。そう考えるとギルドしかない、…消去法でギルドに決まったのだ。
まぁそのギルドへ行くという選択肢は、シグルゥからのアドバイスなんだけどね。宿屋の受付でヘタっているシグルゥにそのことを言ったら、
「だったら総合ギルドへ行けばいいよぉ~、そこへ行けば作業場があるからねぇ~。ティル君の場合、行ったら行ったで別の場所へ案内されそうだけどねぇ~…。」
とのことなので、情報をくれたシグルゥにはきちんと礼を言った。…にしても、何でヘタっていたんだろうな?
…という経緯から総合ギルドへ向かっているわけで、地図を見てもなかなか着かない。初日辺りにヒックス達の案内を聞いていた筈なんだが、俺ってば方向音痴の部類に入っているのか? …とかブツブツ呟きながらさ迷って、道行く人達にビビられながらも何とかギルドへ着きました。…今回のことを踏まえ、地理的なスキルを手に入れなければと密かに決意した。
────────────────────
人の流れに乗ってギルドの中へ、視線をさ迷わせて周囲を見れば賑わっている。流石は総合ギルドというわけか、…情報通りPC冒険者が大半を占めているようだ。俺と同じように物珍しさからか、キョロついているお上りさんが多いしな。まぁ俺のように、F.E.O開始後初でこの場に来た者は少ないとは思うが…。
そうだ…一応、この総合ギルドのことを簡単に説明しよう。この総合ギルドというのは、冒険者ギルド、生産ギルド、魔法ギルド、この3つのギルドの集合体である。リアルで言うなら役所…という表現が当てはまるだろうか? …とにかく、最も俺達が世話になるだろうと思われるギルドが集まっているのだ。他にも盗賊ギルドやら傭兵ギルド等があるようだが、その他のギルドは何処にあるのかは謎。地図を見ても載っていないことから、現時点では知らなくてもいいことなのだろう。何となくだがそれらのギルドを見付けるには、イベントやらの条件が必要なのだろうと予想する。
因みに総合ギルドに集う3つのギルド、これらのギルドはシアルの街にそれぞれ個々で居を構えているらしい。そこへ行くにはやはり何かしらの条件があるとか、…PC冒険者で行くことが出来た者はいるのだろうか? シグルゥ曰く、総合ギルドは初心者、その中でも客人冒険者専用の施設と言っていたからな。総合ギルドが示す条件を満たし、初心者の域を脱した者だけが行けるのだろうさ。
……っと考えるのは後だな、今はとりあえず作業場を借りる為の行動をせねば。え~と…、生産ギルド? の受付は何処かな…っと。
ギルド内の案内板で生産ギルドエリアを確認、向かう途中でめっちゃ見られたり避けられたりしたが、無事に受付へと辿り着いた。受付の数は5つ、その中の4つは可愛い娘ちゃんとイケメンが担当故に大盛況。残る1つは親父が担当のようで、他の4つとは違い誰も並んじゃいない。…意味分からん、行列を作ってまで可愛い娘ちゃんとイケメンに担当して貰いたいんか? …まぁ他人がどういう思考で動いているのかはどうでもいいか、並ばないで受付へ行けることに喜ぶとしよう。
…で俺は、行列を横目で見ながら受付へ。
「おう、親父さん。ギルドの作業場を借りたいんだが、空いているんかね?」
なるべくフレンドリーな雰囲気を纏い、笑みを浮かべて受付の親父に話し掛けたら周囲がざわついた。…何故?
「…んぉっ!? おぉう! …作業場はまだ空いているぞ。使用するには我が生産ギルドの登録カード、通称ギルドカードが必要になるのだが見せて貰ってもいいか?」
俺に声を掛けられた親父はビクッ! と驚き、直ぐ様受付モード? に移行した。作業場を借りるにはギルドカードの提示が必要みたいだが、
「ギルドカード? …いや、持っていないな。」
今日初めてギルドへと訪れた身、持っている筈がない。それを聞いた親父は再び驚き、
「…風格があるのにまだ未登録か、そいつは勿体ない。アンタ…、ギルドカードを作らないか? そんなに時間は掛からんけど、…どうだね?」
俺に風格がある? …あの師匠達との地獄によって、知らぬ間に身に付けていたのか? …で未登録の為に驚いたと。この親父さん、かなり見る目があるな。それを俺の雰囲気で察するとは、しかもやや身を乗り出して勧めてきたし。そう求められると悪い気はしない、元々そのつもりであったわけだし。
「登録もするつもりだったし、お願いしようか。」
ギルドカード、作るとしましょうか!
俺が登録を頼むと、親父は満足そうに頷き、
「そうかいそうかい、登録してくれるか! それじゃあコイツに、この水晶に手を置いてくれ。必要な情報だけを読み取るものだから、危険なモノではない。そこは安心して触ってくれ。」
受付カウンターの脇に置かれていた水晶を、俺の目の前に移動させてそう言ってきた。これは何ぞや? …と思ったのだが、触らなければ進まないみたいなので、
「了解、…これでいいか?」
その水晶に触ってみた。…するとどうだろう、触って直ぐに水晶が淡く光り出した。ある程度光った後に、その光は親父が持つカードのような物に吸い込まれていく。約1分ぐらいだろうか? 全ての光がカードに吸収され、水晶の光は消えた。
「長くても数十秒で終わるんだが、…アンタの情報量が普通よりも多かったみたいだな。…とりあえず、アンタの情報はギルドカードに記録された。その情報に間違いがないか、確認して貰っていいか?」
そう言って手元のギルドカードを差し出してくる、俺は水晶から手を離してそれを受け取った。
手渡されたギルドカードはスマホによく似ている、使い方もほぼ同じと言っても間違いはないだろう。カードの画面? をタップしたりスクロールさせたり、表示される情報を確認していく。基本ステータス、スキル、称号と、それに俺が今まで作った生産物も全て記録されている。その性能に驚きながら、カードを操作していると、
「…どうした? 何か間違いでもあったか?」
俺がちんたらしているからか、親父が不安げな顔でそう聞いてきた。確認だけなのに、こうも長く操作していたら問題があったのかと思うわな。俺としたことが…、不覚!
「いや、あまりに凄いカード故に夢中で操作をしてしまっただけだ。問題はないし間違いもない、安心してくれ。」
そう答えれば親父はホッとした顔になり、続けて自慢気に、
「おう! そりゃそうだぜ、このギルドカードは自慢の逸品。何せ、我が生産ギルドと魔法ギルドの合作なんだからよ!」
と胸を張って俺にドヤ顔を向けてきた。生産ギルドと魔法ギルドの合作ねぇ…、
「2つのギルドが協力して作り上げた合作か、…そりゃ凄い筈だわ。」
素直に凄いと感心してしまう。それと同時に、いずれは俺もこのような物を作ろうと思ってみたり。まぁだいぶ先のことになるんだろうけどな、今は技術を磨くのみってね。
確認を終えた俺は、カードを親父に手渡した。
「じゃあ此方でも、登録の為に情報を確認させて貰うぜ。」
俺が頷いたのを確認した親父は、カードを手元の水晶板? に差し込んで何やら操作をし始めた。何かパソコンみたいだなぁ~…と、その姿を見ている俺。ある程度操作した後、
「ふむ…予想通り、〔職人達の弟子〕という称号を持っているようだな。俺の目は確かなようだ、アンタ…将来有望な生産者になるぜ。因みに師事する職人達は……。」
俺の師事する師匠達を見たのだろう、…親父の動きが止まり目を剥いた。
「鍛冶師バルトにアダン、裁縫師ゲーツ、装飾師ワイズマン、アイテム師ディーバ、木工師エイガー…。シアルの上級職人達じゃねぇかよ、しかもその中の一人は最上級職人だぜ? …お前、ただの客人じゃねぇな?」
とか言ってくるが、俺はただの客人ですよ? しかも初心者。それに師匠達は有名人みたいだ、本人達もそう言っていたし。
俺の師事する師匠達を知った親父は、う~む…と何やら少し考えた後、
「お前、あの方々の弟子であるならこの総合ギルドではなく、生産ギルドシアル支部で生産に励んだ方がいいんじゃねぇか? ここの作業場は共同しかねぇが、支部は個室があるし設備もいい。何なら案内するまであるが、…どうするね?」
と提案してきたではないか。条件を満たさないと行けぬであろう支部か、魅力的だな。この親父の提案が聞こえたのだろう、隣の列に並ぶ奴等がざわつく。
「この総合ギルドは初心者の教育用ギルドと言ってもいい、だがお前は上級職人達の手解きを受けて認められている。所持している生産スキルの数が多くLVも10を超えているし、生産数も桁違いだ。これはもう…、初心者とは呼べないだろう。」
俺は初心者だよ、本当に初心者なのだ。だがしかし、あのしごきに堪えたのだから初心者とは呼べない…か。師匠達にも言われたもんな、初心者にあるまじき…と。
「だからこそ、お前には支部へ行って貰いたい。それほどの者を、初心者施設で燻らせるのはギルドの損失。それ故の提案なんだが、……どうよ?」
俺のことを考えつつもギルドのことも考えての提案か、…ふむ。
…考えてみた結果、断る理由がないな。
「それじゃあ手間を掛けるかもしれんが、支部への案内を頼んでもいいか?」
そう言うと親父はニヤリと笑い、手元の水晶板を操作した後に受付を閉め、
「では、生産ギルドシアル支部へ案内しよう。」
俺達のやり取りを見て聞いていた隣の列の冒険者達、同じPCだろう者達が俺にビビりながらも視線を向けてきた。…が俺は気にしない、ただ親父の後に続いて総合ギルドを出るのみ。総合ギルドから出た後、ギルド内が騒がしくなったようだが何かあったのだろうか?
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そして俺は、親父の案内で支部へと向かう。その道中で親父との会話を楽しんだ、所謂雑談というものだ。その会話の中で分かったことがいくつかある、親父の名前がジャンということ、王都の支部からの応援で総合ギルドへ来ていたこと、王都への街道が魔物のせいで封鎖されていること、この世界には神や精霊、妖精等が存在すること、ある程度の実力と実績があれば職業に就けること等、興味が惹かれる情報を色々と知ることが出来た。流石はNPC、ジャンは色んなことを知っているな!
生産ギルドシアル支部へ着いた俺とジャン、彼の先導で受付に来た。ジャンは俺のことを受付の女の子に任せ、俺に挨拶をした後に帰っていった。その時、女の子がペコペコと頭を下げていたのが印象的だった。ジャンの奴、王都支部の幹部だったり? そんなことを考えていたら…、
「ハハハハハジメマシテ…ティルしゃん! わ…私は本日付でティルさんの専属、担当になりましたエイミーと言いましゅ! 私…未熟者ですが、しぇ~一杯頑張りましゅので…イジメないでください!」
とめっちゃ緊張し、かなりビビりながら受付の女の子が挨拶をしてきた。大きな目が愛くるしく、赤紫の髪が外ハネなのがかなり良い。うむ…美少女であると断言しよう、エイミーという名も良いな。そんな彼女の可愛い顔が微妙に引きつっている、しかもその目に涙を溜めている。顔はこんなのでも、俺は善良であると胸を張ることが出来るぞ。
自分なりの穏やかな声で、
「エイミーさんね、覚えたよ。既に知っているみたいだが名乗らせて貰う、俺の名はティル。悪党顔だが中身は普通のつもりだ、そう恐れなくても大丈夫。とりあえず、仲良くしてくれたら嬉しい。」
そう名乗ってからの無敵スマイル、彼女がビビっているからこその笑顔である。悪党顔であると自覚はしているが妹曰く、『あんちゃんはいつ見てもカッコいいよね! 妹として鼻が高いよ♪』といつも絶賛してくれるものだから、悪党顔でも女の子ウケをする顔だと思っていた。…がエイミーさんの表情は真っ青で、俺の顔はウケない…そう気付いてしまった。妹故の身内贔屓、それか気を遣わせていた…ということなのか? やべぇ~…、意外にもショック…!
ガックリと項垂れる俺を見たエイミーさんは、
「あわ…あわわわわ! ごごごごごごめんなさい! これから専属になるというのに、とても失礼な反応をしてしまって…!」
ペコペコと頭を下げて謝るエイミーさん。それに連動して、彼女のとても素晴らしいお胸も上下に揺れております。項垂れながらも視線がそちらに…、これが彼の有名な『万乳引力』というものなのか! そんなモノを目の前で見せられたら俺は…、
「うん、気にしなくていい。それどころかありがとう…、この言葉をエイミーさんに贈る。」
「???」
礼を言う俺にエイミーさんは困惑、まぁ…何故礼を言うのか分からんよな? 分からなくてもいいけど。そんな彼女の後ろにいるナイスミドルなお偉いさんっぽい中年男性、彼が俺に向かって親指を立ててサムズアップ。『青年よ、君も万乳引力に惹かれし者か!』と、言われているような気がする。全くその通りなので否定はせず、彼女に気取られぬよう目線で挨拶をしておいた。
未だに困惑中のエイミーさんに俺は、
「とにかく一度落ち着いて、…そしてこれからよろしくな。」
エイミーさんにそう言った。エイミーさんはきょとん…と、一時停止してから、
「あのそのえっと…、よろしくお願いします?」
上目遣いで恐る恐るといった感じの反応、頭を撫でまわしたい程に可愛いが我慢。その代わりに微笑を浮かべれば、エイミーさんは再び涙目へ。…何だか泣けてきたぜ。
エイミーさんを何とか宥め、生産ギルドの説明をして貰っている。そして今はギルドランクについて、
「当ギルドのランクなんですけど、上からSS・S・A・B・C・D・E・Fの順に設定されています。最高ランクがSSで最低ランクがFになりますね、異例ではありますがティルさんはEランクから始めて貰いますね?」
本来ならばFランクから、しかし俺はEランクからで異例ときたもんだ。師匠達との修行が俺をEランクからにしたのか?
「あ…でも、生産履歴を見る限り…直ぐにでもDランクへと上がりそうですね。これはあれですね、少なくとも称号の影響は確実にあります。普通は登録時からEランク、まして直ぐにでもDランクへ上がれるような人はいませんよ? …客人の方って凄いんですね?」
…たぶん、客人だからってわけではないと思うが。…やっぱり師匠達の影響だわ、それしかない。
「Dランクの条件は、3つ以上の生産スキルがLV15以上、生産種類が20以上で総生産数が500以上であること。因みにDランクとなって初めて、一人前の職人さんと周囲から認められます。」
……それってどうなの? その条件ってゆるくない?
「それって一般的にツラいものなのか? 俺からしてみれば普通、別に苦でもないのだが…。」
…師匠達にしごかれ過ぎてマヒっているのか? …俺の発言にエイミーさんは驚きながらも納得する。
「一流職人様の弟子だからこそですか、…才能なんですねぇ。…因みにCランクの条件は、5つ以上の生産スキルがLV30以上、生産種類が40以上で総生産数が1,500以上であること。そして依頼成功数が10以上となります。」
…Cランクの条件もそれほど大変なものではないような、…やはり俺が変なのか?
自分自身について考え、唸っていると、
「ティルさんの場合は何となくですけど、才能と称号効果で苦に感じることなく達成しそうですね。…というか現時点で総生産数が2,000を超えている事実、変態さんですか?」
それ言うなし、自分でも思っているよ! 総生産数が2,000を超えるとかって、俺が変態というわけではない! 師匠達のネジがぶっ飛んでいるのだ、そうに違いない! ………くそぅっ! 考えれば考える程、事実が俺の心を傷付ける。エイミーさんの無垢な言葉が心に響く、これは話題を変えて心機一転を…!
「まぁそれはいいとして、登録は終わったんだろう? ちょいとやりたいことがあるから、作業場の方へ案内してはくれまいか?」
作業場の話題にすり替えると、エイミーさんはハッとして、
「そういえばジャンさんに言われていました! えっとえっと……。」
慌てて水晶板を操作し始めた、…大丈夫なんか?
数分後…、
「えっと、ティルさんへ案内する作業場は個室になりますね。本来であれば共同作業場になるんですけど、ティルさんのお師匠様達は一流の方々ばかり。その方々の弟子であるが為の対応となります、それに…ギルド職員が個人の担当になることも異例なんですよ? 当ギルドはティルさんに期待をしています!」
……期待されているのか、…何気に重く感じるのは気のせいだろうか? ぶっちゃけ生産オンリーでいく気は全くないのだが、…それでもいいのかね?
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