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不安を背負いながらも
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翌日、日が昇る前に皆は、既に集合していた。
「今日は、昨日の戦いの反省点や、得意分野を伸ばす特訓をするぞ!」
そう言うとレーネは、軽々と4人に分身する。
「レーネも分身できるです?!」
「当然じゃ、妾の分身はしっかりと実態があるしの」
「レーネさん、最強じゃないっすか!」
「それで具体的には、何をするの?」
子供組が盛り上がっているが、大人組は冷静だった。
「妾の分身が、今日はみっちり一体一で相手してやる」
「それって、私たちで相手になるのでしょうか.......」
「その辺は安心せよ、妾の分身は増えるほど、力も分散してしまう」
「4分の1の強さってことですね!」
4分の1になったことで、いい勝負が出来るかは、別の問題だが。
「桜田とサリーは、近接戦闘の強化 風音はオールラウンドな戦闘訓練 時音は、遠距離での戦闘に慣れる 今日はここに重点を置いて、やって行くぞ」
「意外としっかり考えてるのね」
こうして、みっちり個人連が日が沈むまで続くのだった。
「桜田!剣筋が甘い!」
「風音は、間合いがバラバラだ!武器によってしっかり間合いをとれ!」
「サリーは、もう少し戦い方を考えろ!」
「時音、守りばかりだと敵は倒せんぞ?」
全員が、ダメ出しの連続だった。
永遠と、ダメ出しを貰っていると、気付けばすっかり日が暮れていた。
「まあ、皆朝よりは幾分か、マシになったな」
誰からも返事がない。
全員が、バテて地面に倒れているからだ。
「レーネさん、スパルタすぎです.......」
「こんなんじゃ、体が持たないわ.......」
2日目にして、心身共にボロボロだった。
だが、こんなレーネのスパルタ特訓も、攻略が近づくにつれて、慣れていった。
そして攻略前日.......
「今日、手抜いてました?」
「そうね、もう夜になるけれど、それほど疲れが来ないわ」
「元気なのです!」
どいつもこいつも、4分の1で本気も出していない妾を、相手に調子に乗りよって。
だが、初日に比べれば幾分かは、マシになっただろ。
「ちょっと戦えるようになったからと言って、戦場で気を抜くでないぞ!」
「分かってます.......」
「抜かりはないわ」
明日が攻略日なので、疲れを残さないように、いつもより早く切上げて宿に帰っていた。
宿に帰ると、いつもの様にリラが笑顔で出迎えてくれる。
「お疲れ様です!レーネさん完成しましたよ!」
「やっと出来たか!」
どうやら、レーネが秘密裏に作らせていたものが完成したらしい。
「そう言えば、リラは何を作っていたの?」
「気になってたです!」
「これは明日の攻略で、要になるものじゃ」
そう言って、レーネはリラからそれを受け取り、皆へと配る。
「これは、イヤホン?」
「イヤホンってなんです?」
転生組は、その見た目からイヤホンを想像したが、こちらの世界ではイヤホンなんてものは存在しないので、サリーはぽかんとしている。
「これは妾の念話を、全員に飛ばせるようになる、便利アイテムじゃ!」
「レーネさん、念話も出来るんですか!?まじパないっす!!!」
風音が、一々リアクションを取る。
「これで、明日の攻略をスムーズに進めれるってわけね」
「まぁ、妾の作戦がいつも正しいとは限らないがな」
「みんな、レーネを信じてるので大丈夫です!」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか、こいつら。
内心、少し喜ぶレーネであった。
「明日絶対に忘れるでないぞ、振りじゃないからな!特にサリーだ!」
「流石に、無くさないです!」
サリーを弄りつつ、場の空気を和ませる。
皆、軽く振舞ってはいるが、内心緊張しているだろう。
「この話は終わりだ、明日に備えて早く寝るぞ!」
皆、明日に備えて寝ることにした。
各々、内に秘める思いがあるだろうが、共通しているのは、運良く明日、周が目覚めないかということだろう。
果たして明日、皆は無事に世界初のSSランクダンジョンを、クリアすることが出来るのだろうか。
「今日は、昨日の戦いの反省点や、得意分野を伸ばす特訓をするぞ!」
そう言うとレーネは、軽々と4人に分身する。
「レーネも分身できるです?!」
「当然じゃ、妾の分身はしっかりと実態があるしの」
「レーネさん、最強じゃないっすか!」
「それで具体的には、何をするの?」
子供組が盛り上がっているが、大人組は冷静だった。
「妾の分身が、今日はみっちり一体一で相手してやる」
「それって、私たちで相手になるのでしょうか.......」
「その辺は安心せよ、妾の分身は増えるほど、力も分散してしまう」
「4分の1の強さってことですね!」
4分の1になったことで、いい勝負が出来るかは、別の問題だが。
「桜田とサリーは、近接戦闘の強化 風音はオールラウンドな戦闘訓練 時音は、遠距離での戦闘に慣れる 今日はここに重点を置いて、やって行くぞ」
「意外としっかり考えてるのね」
こうして、みっちり個人連が日が沈むまで続くのだった。
「桜田!剣筋が甘い!」
「風音は、間合いがバラバラだ!武器によってしっかり間合いをとれ!」
「サリーは、もう少し戦い方を考えろ!」
「時音、守りばかりだと敵は倒せんぞ?」
全員が、ダメ出しの連続だった。
永遠と、ダメ出しを貰っていると、気付けばすっかり日が暮れていた。
「まあ、皆朝よりは幾分か、マシになったな」
誰からも返事がない。
全員が、バテて地面に倒れているからだ。
「レーネさん、スパルタすぎです.......」
「こんなんじゃ、体が持たないわ.......」
2日目にして、心身共にボロボロだった。
だが、こんなレーネのスパルタ特訓も、攻略が近づくにつれて、慣れていった。
そして攻略前日.......
「今日、手抜いてました?」
「そうね、もう夜になるけれど、それほど疲れが来ないわ」
「元気なのです!」
どいつもこいつも、4分の1で本気も出していない妾を、相手に調子に乗りよって。
だが、初日に比べれば幾分かは、マシになっただろ。
「ちょっと戦えるようになったからと言って、戦場で気を抜くでないぞ!」
「分かってます.......」
「抜かりはないわ」
明日が攻略日なので、疲れを残さないように、いつもより早く切上げて宿に帰っていた。
宿に帰ると、いつもの様にリラが笑顔で出迎えてくれる。
「お疲れ様です!レーネさん完成しましたよ!」
「やっと出来たか!」
どうやら、レーネが秘密裏に作らせていたものが完成したらしい。
「そう言えば、リラは何を作っていたの?」
「気になってたです!」
「これは明日の攻略で、要になるものじゃ」
そう言って、レーネはリラからそれを受け取り、皆へと配る。
「これは、イヤホン?」
「イヤホンってなんです?」
転生組は、その見た目からイヤホンを想像したが、こちらの世界ではイヤホンなんてものは存在しないので、サリーはぽかんとしている。
「これは妾の念話を、全員に飛ばせるようになる、便利アイテムじゃ!」
「レーネさん、念話も出来るんですか!?まじパないっす!!!」
風音が、一々リアクションを取る。
「これで、明日の攻略をスムーズに進めれるってわけね」
「まぁ、妾の作戦がいつも正しいとは限らないがな」
「みんな、レーネを信じてるので大丈夫です!」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか、こいつら。
内心、少し喜ぶレーネであった。
「明日絶対に忘れるでないぞ、振りじゃないからな!特にサリーだ!」
「流石に、無くさないです!」
サリーを弄りつつ、場の空気を和ませる。
皆、軽く振舞ってはいるが、内心緊張しているだろう。
「この話は終わりだ、明日に備えて早く寝るぞ!」
皆、明日に備えて寝ることにした。
各々、内に秘める思いがあるだろうが、共通しているのは、運良く明日、周が目覚めないかということだろう。
果たして明日、皆は無事に世界初のSSランクダンジョンを、クリアすることが出来るのだろうか。
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