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レネット式特訓!

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話し合いが終わった後、皆は解散し眠りについた。
全員が治療を見守っていたので、丸一日眠っていない。
だが、1人だけ眠っていない者がいた。
レーネは1人窓枠に座り込み、考え事をしていた。

「果たしてこれから、奴らを斥け続けられるのだろうか.......」

妾とて第二階級の身だ、妾が皆に教えれることなど知れておる。
妾も頑張らねばならぬな。
レーネは1人そんな決意をし眠りについた。
翌朝、周が居ないのでスムーズに全員が集合する。
その後、特訓の為に少し街から離れた森へとやって来た。ちなみにリラは、周の新武器と風音のための武器などを、1人お留守番で作っている。

「さてと、それではやるとするか!」

「本当に手加減してよ?」

「私は手加減なしでもいいですよ、レーネさん!」

「風音!私達は戦ったことないんだから調子に乗らないの!」

時音が、調子に乗っている風音を止める。
ちなみに、特訓は全員対レーネの形で行われる。

「まぁ妾も、丁度いい感じに手加減してやる」

「よろしくお願いしますです!」

「妾をダンジョンのボスと思って、殺す気でかかってくるがよい!」

小娘ら全員でかかってきても、本気を出すまでもないがな。

「では、遠慮なく行きますね!」

風音が先陣を切る。
小刀で切り掛ると見せかけ、体を捻りながら回し蹴りをレーネの横腹目がけて蹴り込む。
だが、完全にフェイクを見切られた攻撃は、受けられ足を掴まれる。

「体術は妾の専門分野では無いが、お主らの相手をするくらいには、丁度良いじゃろ」

そう言いながら、風音を放り投げる。

「現実で投げられたのなんて初めてです!すごいです!」

風音は空中で体勢を立て直し、綺麗に着地する。
投げられたというのに、何故か嬉しそうだ。
レーネは風音を投げた後、異次元から刀身が長い刀を取り出す。

「桜田もかかってきて良いぞ?魔法以外自信はないが、おぬしらに負ける気はせんぞ?」

「本当に、嫌になりそうな強さね」

桜田達は、大会中の魔法による戦いしか見ていないので、てっきり魔法特化の戦闘スタイルだと決めつけていた。
だが、実際は肉弾戦もそつ無くこなせるオールラウンダーだったのだ。

「時音、手を貸してくれる?」

「了解です、桜田先輩!」

桜田が、レーネへと刀を構えながら駆けていく。それを視認し、時音はポケットから手帳のようなものを出す。

「新人のスキルお披露目か?楽しみじゃの!?」

そう言いながらも、レーネは桜田への注意を怠ってはいない。
時音は、手帳からカードを2枚取り出す。

「出てきて、白狼・妖狐!」

時音がそう言うと、カードは消えモンスターのようなものが出現した。
やはり召喚魔法の類だったか。
だが、魔力を消費してる訳でもないようじゃ。
特訓の後にでも、詳しく聞いてみるか。

「桜田先輩の援護を!」

風音がそう言うと、召喚された2体は桜田の両サイドへと着く。

「そんなことをしても、さして変わらぬぞ?」

レーネも桜田を迎え撃とうとする。
桜田がレーネの間合いに入る直前に、両サイドの白狼と妖狐が、レーネに襲いかかる。

「なかなか持って良いスピードじゃが、妾からすれば遅すぎる!」

レーネは、その2体をあっさりと切り捨てる。
風音の召喚した2体の、召喚獣は消えるが、その後ろから桜田が飛び出してくる。

「貰いました!」

「即席にしては、良い作戦じゃの。だが詰めが甘いぞ?」

桜田の振りかぶった斬撃を、レーネは軽々と足で止める。
だが、桜田はまだ諦めてはいなかった。

「まだです!」

桜田は、そのまま刀に力を込め続ける。
そして、風音とサリーが両サイドから反撃をしかけに来る。

「私もいるのです!」

「私を忘れてもらっては困ります!」

「3人同時攻撃も受け止められるかしら?」

桜田は、自分の攻撃が止められるのを最初から予測していた。
本当の狙いは、その後のサリーと風音による同時攻撃だったのだ。

「容易い容易い!」

だが、その作戦も呆気なくレーネに止められてしまう。
サリーの攻撃を剣で受け止め、風音の小刀を指で止める。

「なっ!?」

「刀を指で止めるなんて反則です!」

「戦いに反則などない!」

そう言ったレーネは、受け止めていた攻撃を全て弾き返し、3人は吹き飛ばされる。

「やはり、一筋縄では行かないわね.......」

こうして、ハードな特訓は日が暮れるまで続いたのだった。
そして特訓を終え、皆は宿へと帰ってきた。

「ヘトヘトです~」

「レネットさん、本当に手加減してました?」

「まだ、1割も力を出しておらん!」

「そんなのいつまでも勝てないじゃないですかー!」

「課題は多い.......」

皆レーネにコテンパンにやられ凹んでいた。
部屋へと戻ると、リラが風音の元へと駆け寄ってくる。

「風音さんの武器完成しました!」

「本当ですか?!ありがとうございます!」

予定ではもう少しかかる予定だったが、リラが専用の武器の方が特訓に身が入るだろうと思い、早く仕上げてくれたのだ。

「風音さんの職業に合わせた特別製になってるので、きっと気に入って頂けるかと思います!」

「ありがとうございます!」

リラは、風音にディスク状の物を渡す。

「これが武器ですか?」

「はい、ボタンを押して頂くとこのディスクが様々な武器に変わります。武器個々にも、スキルを付与してあるので状況に応じた使い方ができます」

「おぉー!!!私にぴったりです!」

「明日、使用感を聞かせてくださいね!」

「良かったわね、風音」

風音の事なのに、心なしか時音も嬉しそうだ。

「皆疲れているだろ?明日も特訓があるのだ、早く寝て疲れを取っておかないと知らぬぞ?」

周が居ない間は、まとめ役はレーネが引き受けている。
そんなレーネの、少し怖い言葉を聞き全員が自室で寝ようとした時だった。
不穏な電話が、部屋に戻ろうとする皆を引き止めたのだ。
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