アフロ神の休日

なおちか

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カッパと宇宙人と地球人

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茜たちの写真を撮り終えた吉田が振り返ると、木の陰に人影を見つけた。吉田はその人影に近付いていき、覗き込むと、カッパと宇宙人がいた。

「あー、さっきは道を教えて頂いて助かりましたー!吉田ですー!」大きな声で吉田は2人に声をかけた。

「えぇ!ちょっ!声でかっ・・・」慌てる宇宙人。

カッパはクチバシの前に人差し指を当てて、静かにしてとジェスチャーしている。しかし、もう遅かった。

「なんだあいつら!?」竹下は2人を見て叫んだ。

「緑の生き物と人間!?」石田も凝視する。

「あの2人が、さっき言ってた宇宙人とカッパだよ」茜は説明する。

「あ、確かにアフロだ。お皿が見えないけど、顔はカッパっぽいね。でも、宇宙人の方はなんか普通の人と変わらないね」と真由美。

「なぁ、あの人達って会話できるの?」竹下は茜に聞いた。

「うん。普通に日本語で喋れるよ」

「やめなよ。なんか悪い奴らなんじゃないの?怖いんだけど」真由美は竹下に言う。

「ちょっとしか喋ってないけど、いい人達だよ」茜はほほ笑んで言った。

「ほう。じゃあ、お友達になっておかなきゃ勿体ないな」そう言うと竹下はカッパ達の方に向かって歩き出した。吉田はもういなくなっていた。

「な、なんですか?」宇宙人は近くまで来た竹下に向かって言った。カッパは宇宙人の半歩斜め後ろにいる。

「俺、竹下って言います。茜の友達です。良かったら仲良くしてくれませんか?」

「はぁ・・・茜ちゃんの・・・。もしかして、その頭は・・・」竹下のアフロを見ながら宇宙人は言った。

「なんか、さっき突然」

「おおお!」カッパのテンションが一気に上がった。

「我々仲間ですよ!」宇宙人も興奮している。3人は肩を組みながら円になって盛り上がっている。アフロの3人組は意気投合した。

「おい!みんなも来いって!いい人達だぞ!握手くらいしてもらえって!」竹下は少し離れている3人に向かって言った。その声を聞いて、石田と真由美はゆっくりと宇宙人たちに近寄ってきた。その少し後ろを茜がニコニコしながら歩いてくる。真由美は宇宙人と握手をした。

「えっと、宇宙人さんと、そちらが・・・」と真由美が宇宙人と握手をして手を離しながら言葉を発すると、途中で宇宙人がさえぎった。

「メーバム人のアレムです」

「え?」真由美はポカンとした。

すると宇宙人は真由美を指さして「地球人」と言い、自分を指さして「メーバム人」と続けた。

「あぁ。星の名前」真由美は理解した。

「そうそう。それでアレムっていいます」

「なるほど。メーバム星からきたアレムさん」

宇宙人は親指を立てて頷いた。

「私は、井上って言います」真由美は名乗った。

「あ、俺は石田って言います」

「カッパです」

宇宙人が星の説明をしている間に石田とカッパの自己紹介は終わっていた。全員の自己紹介が終わった時に真由美が宇宙人たちに質問をした。

「アレムさんとカッパさんって何で一緒にいるんですか?」

「たまたま近くで会って、なんか話してたら仲良くなって、この辺りを案内してて、それで今、この滝を見せに来たってところ」

「じゃあ、みんなで一緒に願い事しよう!」竹下が提案した。

「あぁ!いいね!」カッパも同意した。

「この滝は願いが叶うの?」宇宙人は聞く。

「そういう噂なんです。強く願えば叶うっていう」茜が説明した。

「そう!だから強く願うんだ!アフロが元に戻りますようにって!」竹下は宇宙人とカッパに力強く言った。

「おお!」カッパと宇宙人が声をあげると、3人は団結して滝の前まで走って行った。

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