汚い水も泡は白い

なおちか

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淡白

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流れていく汚水は小さな段差を落ちていく。

その時、泡立つ白さに気付く。

こんなに汚れていても泡は幼さを残している。

僕だってそうか。僕らだってそうか。止まらないけど振り返る事は出来る。

その中にいる時には、時間はゆっくりで、体温は高い。

大人になって火照る時、過ぎ去った早さを感じます。

雁字搦がんじがらめだった訳じゃない。いつでも選ぶことは出来たんだ。

知らずに分からずにいた時間を失い僕らは成長する。

成長と鈍感さを手に入れて目隠しされた夜道を歩く。

意味が無い事を知ってて、意味が無いって言わない事を受け入れて。

手を伸ばせば触れる「新しい」を掴まずに「不満な日常」を抱きしめる。

加速も減速もしない、平面な流れの中で重力を感じたい。

そうすればそこから抜け出せる。

色が変わって季節を感じ、長く伸びて経過を知り、失って選択が増え後悔に気付く。

また恐れる。勝手な影を作って。引き出しの泡だて器を汚れた心に。しんぱくを泡立てて。
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