10 / 35
犬ときび団子
しおりを挟む
「お前は、なんでこの刀をオレに見つけさせたんや」太郎は犬の頭を撫でながら言いました。そして、腰につけた巾着からきび団子をひとつ取り出し、手の平に乗せて犬の前に差し出しました。犬はパクッと半分ほどかじりモグモグし飲み込むと、もう半分も勢いよく食べました。
「そんなにうまいか」太郎はほほ笑みました。
「うまいなぁ。この人もう1個くれへんかな」急に犬が喋りだしました。
「えっ!?」太郎は驚いて2歩ほど下がり距離をとりました。「え、お前喋れんの?」太郎は犬を凝視して言いました。
「え?何?」犬も驚いた声を出しました。
「何がどうなってんの?完全に喋ってるやん」
「え、待って。言葉わかるん?」
「うん。うまい。もう1個くれへんかなって言ってたよな」
「言った。え、すご。なんで?」
「いや、わからん。さっきまでワンしか言わんかったのに」
「不思議な事があるもんや・・・」
「もしかして、きび団子食べたから?」
「確かに団子食べてから変わったかも。もう1つ食べさせてよ。また何か変わるかも」
「まぁ、いいけど」太郎は巾着からもう1つきび団子を取り出し、手の平に乗せて犬の前に差し出しました。
犬は半分かじり、もう半分も間髪を入れずに食べました。「ワン!ワン!」犬は元に戻り、喋れなくなりました。
「あ、普通の鳴き声に戻った。という事は、1つ食べれば言葉が喋れて、2つ食べれば元に戻るんか。お母はんの団子すごい力があるな」
「ワン!ワン!」
「もう1個食べさせよ」太郎は犬に団子を食べさせました。
「もう、結構お腹いっぱい」3つの団子を食べた犬はスンと鼻息を漏らしました。
「また、喋れるようになったな」
「うん。すごいちゃんと会話できてる」
「あのさ、聞きたい事があって、オレにそこの穴を掘らせて刀を見つけさせたのはなんでなん?」
「自分でもよくわからんのやけど、この場所と君が同じ匂いやったから、連れてこなきゃと思ったんよ。何があるかまではわからんかったけど」
「そうか。じゃあ、この刀はやっぱり・・・。お前、名前は?」
「無いよ。気の向くままに歩いてるだけやもん。名前も家も無いよ」
「じゃあ、これから修行に行くんやけど、一緒に来ーへん?」
「旅に出んの?なんや面白そうやな」
「旅っていうほどじゃないけど、ちょっと遠くまでって感じかな」
「ええやん。遠い所行ってみたかったし、お供するで!」
「ありがとう。これで道中も楽しくなるわ。せっかくやし、名前つけよか。何がええかな・・・。」そう言って太郎が空を見ると雲一つない青空が広がっていました。「今日はええ空の色しとる。綺麗な花色やから、ハナにしよか」
「わかったそれでええ。気に入ったわ。今日からハナで生きていくで!」
こうして太郎は刀を手に入れ、仲間にハナが加わりました。20里の距離を2日半程で歩く予定だった太郎は寄り道もせずに一斉のいる道場を目指しました。山道ばかりで過酷な道のりでしたが、日々の鍛錬と幼い頃から山仕事を手伝っていた事で足腰が鍛えられていて苦も無く太郎は歩き続けました。しかし、ハナには少し辛い速さで、2日目のお昼前にハナは太郎に訴えました。
「太郎はん、太郎はん。ちょっと休まん?」
「あと半里も進めば休むつもりやから頑張れ」太郎は言いました。
「嫌や。休みたい。お腹も空いたし」ハナそう言いながら立ち止まりました。
そんなハナを見て太郎は鼻息を漏らしました。「わかった。じゃあちょっと休むか」太郎は陰になっている木にもたれかかって座り、ハナもすぐ横に座りました。
「そんなにうまいか」太郎はほほ笑みました。
「うまいなぁ。この人もう1個くれへんかな」急に犬が喋りだしました。
「えっ!?」太郎は驚いて2歩ほど下がり距離をとりました。「え、お前喋れんの?」太郎は犬を凝視して言いました。
「え?何?」犬も驚いた声を出しました。
「何がどうなってんの?完全に喋ってるやん」
「え、待って。言葉わかるん?」
「うん。うまい。もう1個くれへんかなって言ってたよな」
「言った。え、すご。なんで?」
「いや、わからん。さっきまでワンしか言わんかったのに」
「不思議な事があるもんや・・・」
「もしかして、きび団子食べたから?」
「確かに団子食べてから変わったかも。もう1つ食べさせてよ。また何か変わるかも」
「まぁ、いいけど」太郎は巾着からもう1つきび団子を取り出し、手の平に乗せて犬の前に差し出しました。
犬は半分かじり、もう半分も間髪を入れずに食べました。「ワン!ワン!」犬は元に戻り、喋れなくなりました。
「あ、普通の鳴き声に戻った。という事は、1つ食べれば言葉が喋れて、2つ食べれば元に戻るんか。お母はんの団子すごい力があるな」
「ワン!ワン!」
「もう1個食べさせよ」太郎は犬に団子を食べさせました。
「もう、結構お腹いっぱい」3つの団子を食べた犬はスンと鼻息を漏らしました。
「また、喋れるようになったな」
「うん。すごいちゃんと会話できてる」
「あのさ、聞きたい事があって、オレにそこの穴を掘らせて刀を見つけさせたのはなんでなん?」
「自分でもよくわからんのやけど、この場所と君が同じ匂いやったから、連れてこなきゃと思ったんよ。何があるかまではわからんかったけど」
「そうか。じゃあ、この刀はやっぱり・・・。お前、名前は?」
「無いよ。気の向くままに歩いてるだけやもん。名前も家も無いよ」
「じゃあ、これから修行に行くんやけど、一緒に来ーへん?」
「旅に出んの?なんや面白そうやな」
「旅っていうほどじゃないけど、ちょっと遠くまでって感じかな」
「ええやん。遠い所行ってみたかったし、お供するで!」
「ありがとう。これで道中も楽しくなるわ。せっかくやし、名前つけよか。何がええかな・・・。」そう言って太郎が空を見ると雲一つない青空が広がっていました。「今日はええ空の色しとる。綺麗な花色やから、ハナにしよか」
「わかったそれでええ。気に入ったわ。今日からハナで生きていくで!」
こうして太郎は刀を手に入れ、仲間にハナが加わりました。20里の距離を2日半程で歩く予定だった太郎は寄り道もせずに一斉のいる道場を目指しました。山道ばかりで過酷な道のりでしたが、日々の鍛錬と幼い頃から山仕事を手伝っていた事で足腰が鍛えられていて苦も無く太郎は歩き続けました。しかし、ハナには少し辛い速さで、2日目のお昼前にハナは太郎に訴えました。
「太郎はん、太郎はん。ちょっと休まん?」
「あと半里も進めば休むつもりやから頑張れ」太郎は言いました。
「嫌や。休みたい。お腹も空いたし」ハナそう言いながら立ち止まりました。
そんなハナを見て太郎は鼻息を漏らしました。「わかった。じゃあちょっと休むか」太郎は陰になっている木にもたれかかって座り、ハナもすぐ横に座りました。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる