Desire -デザイア-

409号室

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第十六話 そして彼女は言った And she said.

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光が眩しい。

朝か……。



昨夜は、なんだか、色々な夢を見ていたような気がする。



ここはどこだ?



起き上がろうとすると、眩暈に襲われた。

「あ……う……」

「おいおい~。まだ寝てないとダメだぜ?君は昨日39度の熱を出していたんだから」

「!?」

今の声は、確かに本平のものだった。

どうして、彼の声がする!?

「ったく、医者呼んだら、夜間出張費とかぼったくられたぞ?

お前ら医者ってやつらは、夜中に苦しむ患者の味方はしてくれないのか?」

そう言って現れたのは、黒いTシャツにジーンズ。そして、エプロン姿の刑事だった。

「あ……あなた、どうして……」

「どうしたも、何もないだろう。人のマンションの前で、勝手にぶっ倒れていたのは君の方じゃないか。

それをこうして、看病までしてやったんだぜ?

感謝されることはあっても、非難される言われはないはずだが?」

この男のマンションの前で……?

そんな……。

僕は、無意識のうちにここに足を向けていたのか?

まさか……。


「とにかく、これを食え」

「あの……まさか、朝まで僕を看病していたんですか……?」

「ああ、そうだよ。朝方熱が下がってほっとしたぜ。ほら、冷めないうちに食えよ。でないと、薬、飲めないだろ」

目の前に出されたのは、お粥だった。

お粥と言っても、普通の白米だけではなくて、白菜や、人参など、野菜が沢山入っている。

玉子も入っている。

「見てくれは悪いが、食ってみろって。うまいから」

僕は、軽く頭を下げると、箸を取った。

それは、温かかった。

とても、暖かかった。

なぜか、とても。

「おかわりはあるからな。沢山食えよ。で、薬飲んで、さっさと直すこった。あ、薬、飲みにくいようだったら、口移しで飲ませてやろうか?……って、そんなに睨むなよ。
まあ、それだけきつく睨めるってことは、体力が回復してきたってことだろ。よかったなあ」

僕は、なんだか笑ってしまっていた。

自然と笑いが込み上げてくる。

こんなことは、何年ぶりだろう。


思えば、あの日、初めて母と通じた瞬間から、僕は見えない何かに絡め取られ、縛られ続けていたのだろう。

その縛りを壊したくて、母を手にかけた時、僕はまた、もっと大きなものに縛られ、雁字搦めになって、完全に封じられてしまった。


だけど、今は、不思議な程に心が温かい。

目の前にいる男は、僕の罪を知る脅迫者だというのに。

「あの……これ……おかわり……もらえますか……」





「それでは、これから合同捜査会議を開く」

私がそういうと、目の前に整然と並ぶ捜査員たちの眼差しが、一斉にこちら側に向いた。

張り詰める空気。

私はこの緊張感が好きだった。

後ろの方に目をやると、相変わらず最後部に松本と並んで、あの男・本平和維がいる。

「今回のヤマはもともとは二課の担当だったが、今回、関係者のものと見られる他殺死体が発見された為、一課との合同捜査に切り替わった。みんな、よろしく頼む。
じゃあ、早速、今回、ずっとこのヤマを追い続けてきた二課の方から、この組織の概要を説明してもらう。では、滝沢警部補、お願いします」

私の隣で座っていた二課の責任者である滝沢が、私がマイクを渡すと、おもむろに立ち上がった。

「ただいま紹介を受けた二課の滝沢です。え~。私の方から今まで二課が追ってきたこの組織の概要をご報告致します。え~。まず、この組織の特徴としては日本だけを拠点としていること、そして、活動が活発化したのは個々二年程の間だということが上げられます」

主に新宿などを中心に、派手に売りさばいているらしく、これまた珍しく、暴力団関係との繋がりも見えてこない。

「なるほど、ニューフェイスって訳か」

「本平警部補。会議中の私語は慎んでくれ」

「へいへ~い」

「本平さん!」

「おほん。妙な妨害がありましたが……続けます。この組織は主に新宿を中心に派手に薬物を売りさばいている模様で、今のところ、暴力団関係とのつながりは見えてきていません。二課からは以上です」

「次、松本。一課からの報告を頼む」

「は、はい!!」

松本は、緊張しているらしく、椅子から立ち上がると、思い切り膝をデスクにぶつけた。

「落ち着け~。松本」

「わ、わかってますよ。いてて……。い、一課の松本です。よろしくお願いします。え~。今回東京湾から上がった遺体は、どうやらこの組織の中堅クラスの幹部だと見られます。このことから恐らく、内部でなんらかのトラブルが発生しているとも考えられます」

だが、手足となって動いている雑魚のことは掴めたが、肝心の中心メンバーが見えてきていないらしい。

今後も、その幹部についての情報をあげることに全力を尽くす。

そんな決意で、松本の話は終った。

我々一課としては、あがった遺体から、手がかりを得ること。

それが、中心になるだろう。

「叩くなら、今だな」

「本平さん!!」

「とにかく!今後もその幹部についての情報をあげることに全力を尽くすこと。以上!それでは、健闘を祈る。みんな、持ち場についてくれ。解散!」





あの人はいない。

僕が再び眠りに落ちた間に、出かけてしまったらしい。

見覚えある小さな鍵が、またテーブルの上にあった。

そっとベットから立ち上がる。

軽い眩暈はしたが、もう平気だった。

前にこのベットから起き上がった時は、ひたすらあの人を憎んでいた。

だが、今は。

ほんの数十時間だというのに、確実に僕の心に変化が起こっていた。

あの時はひたすらここから逃げ出したかった。 だけど、今は。

ここに留まっていたい。

ここに居たい。

ずっと、このまま……。


ふと部屋を見回すと、サイドボードの上に、小さな仏壇があった。

そこには、中学生くらいの無邪気に笑う少女の遺影が。

この子は、顔は確かに笑っているが、なぜか目だけは、笑っていなかった。

むしろ、胸が締め付けられるような、悲しみを湛えていた。

そして、この目は、どこかで見覚えがあった。

ああ、それは……鏡に映った僕自身の目だ。


この子は、あの人の妹なのだろうか。

遺影の裏には、「美華瑠」とあった。

ふと、あの夜の記憶が脳裏で光った。

彼は何度か「ミカル」と僕を呼んでいた。



どういうことだろう。



突然、携帯が鳴った。

テーブルの上の、僕の携帯だった。

その音は、数秒で止まった。

メールのようだった。

僕は少女の遺影を静かに置くと、携帯を手にした。

携帯を開くと、案の定メールが入っていた。

差出人は……「氷上研究室」だった。

携帯を持たない氷上教授は、研究室のパソコンからよくメールをくれていた。

見慣れたその文字が、僕を責めているように思えた。

恐る恐るメールを開くと、


『お話があります。

午後一時に、研究室にて、お待ちしています。』


とあった。

時計を見ると、もう正午だった。

行かなければ。

僕は所詮、あの人のモノなのだ。

この罪がある限り。





「本平さん!本平さん!もう!ちゃんと今度こそ、捜査資料読んで下さいよ!」

「へいへい~」

「もう!」

そういうと、松本はテーブルの上の餃子を隅にどけて、捜査資料のファイルを置いた。

「お前もほんと仕事熱心だよな。飯くらい仕事抜きで食べたいとか思わないのか?」

「本平さんは、いつだって仕事抜きじゃないですか!ダメですよ。今回は、何がなんでも、読んでもらいます!」

「ったく、そんなに中能登警視にいいとこみせたいのかね?」

「えっ!」

「ば~か。お見通しに決まってるだろう?俺を誰だと思っているんだ」

「〇△×◆☆◎~!!」

新米をからかうのは楽しいな。と。

その時、突然、慌てた様子で一人の捜査員が、一課に飛び込んできた。

「中能登警視!例の組織の黒幕が割れました!!」

一気に室内の空気が変わる。

「続けてくれ。すまない。彼にお茶を頼む」

女警視はいつものポーカーフェイスで、婦警から差し出された茶碗を息を切らした捜査員に手渡すと、先を促した。

「名前は橘川亮介。二十八歳。なんと、弁護士らしいです」

俺は思わず椅子を蹴って立ち上がっていた。

「橘川?間違いないのか?」

桐日の顔も幾分青ざめていた。

「も、本平さん……。橘川って……これはいったい……」

心配そうに、松本が俺を見上げた。

なんてこった。

「おい!本平!いるか?」

そう叫んで入ってきたのは、滝沢だった。

「聞いたか?この組織のリーダーは……」

「ああ、今聞いたところだぜ?なあ、中能登警視」

女警視は溜息をつくと、言った。

「とんだ同窓会だな」





研究室前に着いたのは、一時五分前だった。

ノックをし、ゆっくりとドアノブに手をかける。

開けたくない。

ここをあけたら、

地獄が待っている。

だけど……。

僕がノブを回すのを躊躇していると、中からノブに力が加えられた。

ゆっくりドアが開く。

そこには

「いらっしゃい。お待ちしていましたのよ?」

と優しく微笑む笹山千華が立っていた。

白い百合の花を抱えて。





そう、橘川亮介は、かつて俺たちと同じバスケット部の仲間だった男だった。

ちょうど、十年前のことである。

それは、まだ、妹・美華瑠がいた季節。

「おにいちゃ~ん!おはよ~。ご飯できてるよ~」

階段を降りて、リビングに行くと、いつもの妹の明るい笑顔。

「はい!いっぱい食べて、頑張ってね!今日、地区大会の決勝戦なんでしょう?これに勝てば、いよいよ全国大会だね!」

少女は赤いリボンのポニーテールを揺らしながら、手馴れた調子で朝食をテーブルに並べていく。

両親を事故でいきなり失った俺たちは、親戚の叔父の援助を受けながら、両親の思い出ある家で二人暮らしだった。

俺は、なるべく叔父に迷惑をかけたくなくて、バイトに精を出していた。

だから、ついつい家事のことは妹まかせになってしまっていた。

妹はいつも、「いい花嫁修業になるわ!」と明るく振舞っていたが、

同じ年頃の子が遊んでいる時も、家事に追われる妹の姿は痛々しかった。

すまないな。美花瑠。

「私も、応援に行くからね!負けたら承知しないんだから!」

妹は、そう言ってにっこりと微笑んだ。


試合会場に行くと、肩を叩かれた。

「よう。キャプテン」

振り向くと、滝沢がいた。

相変わらず、髪をムースで固めている。

最近、急におしゃれに気を使い出したらしい。

「おはよう。調子はどうだ?」

「ああ、まあまあってところだな。今日勝てば、全国大会の切符が手に入る!うほ~!楽しみだ!!」

「浮かれるのはまだ早いぜ。滝沢?」

そのハスキーボイスに誘われ振り返ると、ジャージ姿のマドンナ・中能登桐日がいた。

彼女はバスケ部のマネージャーだった。

元は陸上部のエースだったが右ひざの故障で、一線を退いていた。

「相手は昨年の王者だ。甘く見ると痛い目みるぜ。慎重にな」

「わ~ってるよ。桐日」

すると、突然、後ろから、

「本平先輩!」

と声がした。

振り向くと、後輩の女の子たちから、お菓子らしい小さな箱がいくつか手渡された。

「先輩、食べて下さいね」

そう言うと、女の子たちは俺の返事も待たずに、「きゃ~っ」といいながら、散っていった。

背後から恨めしそうな声がした。

「バスケ部に入ったら、もてるようになるかと思ったら、さっぱりだぜ。何せ、人気はお前と橘川が持っていっちまうからな~」

滝沢はそういうと、壁にもたれた。

「ひがむな。滝沢。くやしかったら、君もバスケの腕を磨くんだな」

桐日はそう言って笑った。

「じゃあ、そろそろ着替えてこいよ。二人とも」

ロッカールームへ向かう途中。

「なあ、和維」

「ん?」

「今日、美華瑠ちゃんも来るのか?」

「ああ」

「そ……そうか。よっしゃ~!」

滝沢は小さくガッツポーズをした。

こいつは、明らかに妹に気があるようだった。

「はしゃぎすぎて、ミスるなよ?」

俺は苦笑した。

ロッカールームに入ると、すでに先客がいた。

橘川亮介である。

「よお!橘川。いよいよだな」

滝沢は橘川の背中をどついた。

「ああ。そうだな」

橘川はそういうと、小さく笑った。

浅黒い顔の丹精な顔立ち。

鋭い眼差し。

その刃のような眼差しは、俺を見る時、ますます凶暴さを湛える。

この当時の橘川は、絵に描いたようなスポーツ青年で、今のインテリ然とした雰囲気は、この頃に彼にはまだなかったように思われる。

「全国大会は大阪で開催らしいぜ。楽しみだ!」

「もう気持ちは大阪に飛んでるな……お前」

「おおよ!勝つに決まってるだろ!大阪が俺を呼んでいる!!」


そんな滝沢の予言(?)通り、俺たちは全国大会の切符を手に入れた。


その試合の後、祝賀会が行われた。

「やったぜ!正義はか~つ!!」

滝沢はおおはしゃぎだった。

だが、そんな彼は美華瑠の前では緊張しきってしどろもどろなのが、可笑しかった。

「あ……美華瑠ちゃん、ジュース飲む?」

「はい。ありがとうございます」

滝沢はよろけて、美華瑠に抱きついてしまった。

「あっ!!ごめんよ~!美華瑠ちゃん!!」

「こらこら、滝沢。お前、わざとやってるんじゃないのか?確信犯なら、許さないぜ?」

「じょ……冗談じゃないぞ!誤解だ!誤解!

美華瑠ちゃん……本当だよ?俺、そんな邪まな人間じゃないよ?ほんとだよ~?」

会場は笑いに包まれた。

ただ、橘川だけは笑っていなかった。

「どうだ?美華瑠。みんなイイ奴ばかりだろ?」

俺は傍らの妹に、話しかけた。

「うん。でも……」

「ん?どうした」

「私、橘川先輩は苦手だな。なんだか、怖い目をして、私を見ている」

「橘川が?」

部屋を見回すと、いつの間にか彼の姿はなかった。

「ごめんね。お兄ちゃんの仲間の人のこと変に言っちゃって。……今のは忘れて」

「あ……ああ?」

「あ、そうだ。私、うっかりしていたわ。洗濯物、外に干しっぱなしだった!!」

「え?」

「急いで帰らないと……」

外はもう真っ暗だった。

「じゃあ、俺も行こう」

「いいよ。お兄ちゃんは、仲間のみなさんと一緒にいて?私、一人で平気だから」

「しかし……」

「大丈夫よ。すぐ近くだし。ね?」

「あ……ああ」

妹は、にっこりと微笑んだ。

「行って来るね、お兄ちゃん」

そして

それが、生きている妹を見た最後になった。





「さあ、どうぞ。ちょうど、お茶が入ったところよ。今日は、ハーブティーにしたの」

千華は僕をソファに座らせると、ハーブティーをカップに注いだ。

部屋中に漂うハーブの香り。

彼女の手つきは、師である氷上教授にそっくりだった。

「あの……僕に話って……?」

「さあ、どうぞ」

彼女は僕の問いを無視して、ハーブティーを勧めた。

僕は仕方なく、それを口にした。

「どう?」

「美味しいです……」

「そう、それはよかった。おかわりは言って下さいましね」

「はあ……」

僕はハーブティーを飲み続けた。

すると、突然、身体が硬直した。

「あ……?」

身体に力が入らない。

手からカップが滑り落ちた。

「な……に……」

「効いてきたかしら?うふふ」

身体が言うことを利かない。

なんだ、これは?

いったいなに……?

「心配しなくても大丈夫よ。命に別状はないわ。

これはね、ある植物の毒で、神経系に作用するんだけど、

時間が経ったら自然に抜けるから、安心して」

「あ……」

なぜ……?

なぜ、こんなことを?

「うふふ。どうしてって顔に書いてあるわね?言ったでしょう?

私は一度あなたとゆっくりお話がしたかったの」

彼女はそういうと、手にした百合を、僕の周りにぶちまけた。

「男のあなたと女の私では、どうしても、力的に私が敵わない。そう思ったの」

千華は、言いながら、ドアをロックした。

カチャンという無情な音が響く。

「ねえ……教えて……。藤代君」

そう、彼女は泣き出しそうな顔をした。

伏せ目勝ちになった彼女の表情h、長い髪に阻まれて見えなくなった。

「どうして、あの方が愛しているのは私じゃなくて、あなたなの?」

その瞬間、恐ろしい力が僕の首を締め上げた。

「う……あ……」

苦しい。

くるしい。

クルシイ。

息が、できない。

「どうして?ねえ、どうして?どうしてなの!?ねえ!!」

「あ……ああ……」

「どうしてぇええ!!」

僕の意識が途切れかけた瞬間、僕の首にかかる圧力が急に消えた。

そして、代わりに別の誰かの気配がした。

「きゃっ!」

という小さな悲鳴がしたかと思うと、千華が床に転がっていた。

「君は、君はなんてことを!!」

僕の身体を守るように抱きしめていたのは、氷上教授だった。

「な……なんてことを……君は君は……」

「せ……先生……私は……私はあなたのことが……」

「うるさい!君は、彼になんてことをしたんだ!彼は私の大切な……」

「先生……」

千華は見ていられない程に憔悴していた。

その姿はただの恋に破れた一人の女性だった。

哀れだった。


「大丈夫か?藤代君。ああ、無事でよかった。私は、君がいなくなったら……」

教授はそういうと、僕の身体をきつく抱き締めた。

「うっ!?」

突然、僕の背中に回った教授の腕から力が抜けた。と、同時に何か生暖かいどろりとしたものが伝ってきた。

それは、赤い

紅い

朱い……。

鮮血だった。

「!?」

「う……あ……。なぜ……」

教授の背後には、まるで彼に抱きつくように千華が。

そして、彼女の手には彼女が愛用している花きり鋏が。

それは深々と教授の背中に突き刺さっていた。

「愛しているんです……先生」

「君は……うあ……」

千華はさらに深く鋏を突きたてた。

「ね……?先生。私だけのものになって?」

「うう……あ……」

「私だけの……」

いつの間にか僕の身体から、毒が抜けていた。

「ひっ……!」

僕は慌てて、教授の身体を突き飛ばした。

朱い雫を撒き散らして、彼の身体は床に転がった。

床の上に散らばった百合が朱に染まる。


まるで、せめてもの手向けのように。


床の上で虫の息の教授の唇に、千華はそっと口付けた。

「あなたは、私だけのもの……」

僕は千華の狂ったような笑い声が響く研究室から逃げ出した。


僕は走った。

転げるように走った。


はあ。


はあ。


はあ。


帰りたい。

早く帰りたい。

あの部屋へ!!

息を切らして立ち止まると、背後から肩を叩かれた。

「藤代十夜さんですね?」

振り返ると、黒いスーツ姿の男性が二人いた。

「え……そうですが……。あなた方は?」

その問いかけの途中に、鳩尾の辺りに衝撃が走った。

「うっ……」

僕の意識は暗いところへ沈んだ。
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