奴隷少女は騎士となる

灰色の街。

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森を出る

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私が画面を見て思ったことは1つ。

"何でこんなにレベル高いの?"

10年前に一回見て、それ以降確認していなかったから、少しは強くなっていると思っていたが……想像以上だった。
因みに10年前の魔力とスキルはこんな感じ

魔力:154,800/154,800
スキル:火魔術Lv6、風魔術Lv4、雷魔術Lv2、空間魔術Lv5

火、風、雷が進化している。しかも魔力もかなり増えてる。何でこうなった?
確かに飼い主を護衛するために訓練とかしたが……まさかここまでとは思わなかった。

「ギャーギャーギャー」

先ほどまで静かだった鳥達が一斉に騒ぎだした。慌てて辺りを見ると、狼型の魔物がこっちを見ていた。

「……丁度いい。腕を試すいい機会だ」

魔物がこっちに攻撃してくる前に魔術を発動する。雷鳴魔術Lv3の攻撃魔術

「その身を貫け エラー·サンダー」

私がそう唱えると10本の雷の矢が魔物の体を貫いた。そしてそのまま魔物は息絶えた。

「……早く森を出よう」

あと少しで日が暮れ、魔物が活発になる。その前に何とかしてタースリク王国に行きたいところ。

……というか……ここ、どこだ?

奴隷の私は当然、ここがどこかなんてわからない。これでは騎士になる以前にターリスク王国にすら入れない。

仕方ないので、魔物にひっくり返された馬車の中身を全て出し、地図を探しだす。その地図には、今まで自分達が通ってきた道が書かれている。これでターリスク王国に行けるかな

ちなみに、他にも金貨5枚と銀貨36枚があったので、持っていくことにした。服もあったので着替えた。この格好だと首についてる奴隷のチョーカーが丸見えな上、ぼろ布なので衛生上も良くない。

お金の価値とかは確か、

銅貨10枚=銀貨1枚、銀貨100枚=金貨1枚、金貨100枚=白金貨1枚

だった気がする。

私がこんな知識を持っているのは、飼い主が私を売る際に少しでも価値を高めるため。

だから私は奴隷にしては珍しく、世界共通語の読み書き、簡単な計算なら出来る。他にも、簡単のなら家事、難しいのだと薬草の調合まで、色々やらされた。

だがこういう知識はほとんど騎士になるのに必要な知識。飼い主を感謝することはしたくないが、これだけは感謝している。

それに、こんな知識を持っている人が奴隷だなんて、誰も思わないでしょ

そして、歩き始めてから2時間。だいぶ夕暮れ近くなってきた時、私は命の危機に晒されていた

「やばい。サンダーウルフが何でこんなところに……」

そう。私の命を狙うのは、雷を自在に操るサンダーウルフだった。
自在に操るため、こちらの雷鳴魔術は利かない。暴風や火炎も、周りが木であるため、そう頻繁に使うことが出来ない

「グルル」

鳴き声と共にこちらに来る10本の矢。
暴風魔術でスピードを遅めながら回避するが、避けきれずに足にかする。
じんわりと血が出てる感覚がする。
ああ、余りやりたくなかったが、やるか。大事なのは、イメージを持つこと。暴風魔術Lv7   

「轟かせ、吹き飛ばせ トルネード·ウィン」

その直後、サンダーウルフ"だけ"が吹き飛ばされる。

「……できた」

この魔術は周囲のものを全てを吹き飛ばす魔術だ。
こうやって狙い撃ちも出来るが、成功率が低い。
私も何回かやったことあるが、10回中1回しか成功しない。今回は成功できたようだが。

それにしても後1時間ほどで日が暮れてしまう。急がなくては。
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