821 / 906
★【新婚旅行編】六日目:見つめてくれる熱い眼差しからちゃんと伝わってくるから
しおりを挟む
彼の下でもがいていた足が、シーツをくしゃくしゃに乱してしまった足先が熱い。ジンジンしていて、ちゃんと俺の足なのか感覚が曖昧になってしまっている。
「は、ふ……ぁ……ん、ぅ……」
まだ全身に広がっている甘い余韻。引く気配のないそれに浸っている間も、バアルは俺を可愛がってくれている。
唇で軽く吸ってみたり、優しく食んでみたり。いまだに熱く疼いている乳首から離れてからはヘソの横を、さらには腰回りへと、徐々に下がりながら丹念に口づけを施してくれている。
「あ……っ、あ……」
ついには、太ももの内側にまで辿り着いてしまっていた。軽々と膝裏を持ち上げられて、M字に開脚させられて。はしたなく濡らしてしまっているあそこを見られてしまう。
せっかく着替えさせてもらった下着も無惨なことに。思いっきり放ってしまっていた飛沫が布地を貫通していたらしい。可愛らしいフリルまで汚してしまっている。元々が白地だから、あまり目立っていないってことだけが唯一の救いだろうか。
見られてしまうことに関しては、イヤではない。恥ずかしいことには変わりはないけれども。
でも、見つめてくれる熱い眼差しからちゃんと伝わってくるから。バアルが、俺にドキドキしてくれているんだって分かるから。だから、イヤじゃない。むしろ、もっと……
「アオイ」
「は、はひっ……」
見事に声がひっくり返ってしまっていた。口にするには気恥ずかしいことを考えてしまっていたのだから、仕方がないっちゃあ仕方がないのだけれども。
どぎまぎしている俺の反応を、バアルは後ろ向きに取ってしまったんだろう。二本の触角が、しょぼんと下がっていってしまう。僅かに伏せられた白い睫毛越しに窺っている緑の瞳に不安の色が宿っている。
「やはり、以前はご無理を強いてしまっておりましたか?」
「へ?」
「私の為にと、我慢なされていらっしゃったのでしょうか? まだ、此方に口で触れられるのは、些か早かったのでしょうか?」
「え、あ、ちがっ……我慢なんてしてなかったよ! 全然! その、気持ちよかったし……スゴく……」
何のことを聞かれているのかと、気がつけた時には遅かった。
事実なんだけれども、バアルは納得出来てはいないみたい。ますます心配そうに瞳を細めながら俺を見つめている。俺達を覆い隠さんばかりに広がっていた羽も、しおれた花のようにすっかり縮んでしまっていた。
これは、言うしかない……よね。全部、一から。
「その、さ……聞いても、引かないで……欲しいんだけど……」
「はい、ご心配なさらずに……どうか、信じて下さい」
勢いよく身を起こして、バアルが俺の手を握ってくれる。芯の強い光を宿した緑の瞳に、俺だけを映してくれている。
「……私が貴方様に今以上に惚れこむことは間違いなくあるでしょう。ですが、貴方様への愛が僅かにでも色褪せてしまうことなど……っ」
真っ直ぐな言葉が、俺に勇気をくれる。
ひと回り大きな手を握り返せた時には、もう手の震えは収まっていた。
「……ありがとう。俺も、どんなバアルも大好きだよ」
「……アオイ」
近づいてきてくれた彫り深い顔に額を寄せる。そっと擦り寄ってみると、彼もまた高い鼻先を寄せてきてくれた。唇に触れた吐息が熱い。
「は、ふ……ぁ……ん、ぅ……」
まだ全身に広がっている甘い余韻。引く気配のないそれに浸っている間も、バアルは俺を可愛がってくれている。
唇で軽く吸ってみたり、優しく食んでみたり。いまだに熱く疼いている乳首から離れてからはヘソの横を、さらには腰回りへと、徐々に下がりながら丹念に口づけを施してくれている。
「あ……っ、あ……」
ついには、太ももの内側にまで辿り着いてしまっていた。軽々と膝裏を持ち上げられて、M字に開脚させられて。はしたなく濡らしてしまっているあそこを見られてしまう。
せっかく着替えさせてもらった下着も無惨なことに。思いっきり放ってしまっていた飛沫が布地を貫通していたらしい。可愛らしいフリルまで汚してしまっている。元々が白地だから、あまり目立っていないってことだけが唯一の救いだろうか。
見られてしまうことに関しては、イヤではない。恥ずかしいことには変わりはないけれども。
でも、見つめてくれる熱い眼差しからちゃんと伝わってくるから。バアルが、俺にドキドキしてくれているんだって分かるから。だから、イヤじゃない。むしろ、もっと……
「アオイ」
「は、はひっ……」
見事に声がひっくり返ってしまっていた。口にするには気恥ずかしいことを考えてしまっていたのだから、仕方がないっちゃあ仕方がないのだけれども。
どぎまぎしている俺の反応を、バアルは後ろ向きに取ってしまったんだろう。二本の触角が、しょぼんと下がっていってしまう。僅かに伏せられた白い睫毛越しに窺っている緑の瞳に不安の色が宿っている。
「やはり、以前はご無理を強いてしまっておりましたか?」
「へ?」
「私の為にと、我慢なされていらっしゃったのでしょうか? まだ、此方に口で触れられるのは、些か早かったのでしょうか?」
「え、あ、ちがっ……我慢なんてしてなかったよ! 全然! その、気持ちよかったし……スゴく……」
何のことを聞かれているのかと、気がつけた時には遅かった。
事実なんだけれども、バアルは納得出来てはいないみたい。ますます心配そうに瞳を細めながら俺を見つめている。俺達を覆い隠さんばかりに広がっていた羽も、しおれた花のようにすっかり縮んでしまっていた。
これは、言うしかない……よね。全部、一から。
「その、さ……聞いても、引かないで……欲しいんだけど……」
「はい、ご心配なさらずに……どうか、信じて下さい」
勢いよく身を起こして、バアルが俺の手を握ってくれる。芯の強い光を宿した緑の瞳に、俺だけを映してくれている。
「……私が貴方様に今以上に惚れこむことは間違いなくあるでしょう。ですが、貴方様への愛が僅かにでも色褪せてしまうことなど……っ」
真っ直ぐな言葉が、俺に勇気をくれる。
ひと回り大きな手を握り返せた時には、もう手の震えは収まっていた。
「……ありがとう。俺も、どんなバアルも大好きだよ」
「……アオイ」
近づいてきてくれた彫り深い顔に額を寄せる。そっと擦り寄ってみると、彼もまた高い鼻先を寄せてきてくれた。唇に触れた吐息が熱い。
1
お気に入りに追加
485
あなたにおすすめの小説
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる