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★【新婚旅行編】六日目:見つめてくれる熱い眼差しからちゃんと伝わってくるから

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 彼の下でもがいていた足が、シーツをくしゃくしゃに乱してしまった足先が熱い。ジンジンしていて、ちゃんと俺の足なのか感覚が曖昧になってしまっている。

「は、ふ……ぁ……ん、ぅ……」

 まだ全身に広がっている甘い余韻。引く気配のないそれに浸っている間も、バアルは俺を可愛がってくれている。

 唇で軽く吸ってみたり、優しく食んでみたり。いまだに熱く疼いている乳首から離れてからはヘソの横を、さらには腰回りへと、徐々に下がりながら丹念に口づけを施してくれている。

「あ……っ、あ……」

 ついには、太ももの内側にまで辿り着いてしまっていた。軽々と膝裏を持ち上げられて、M字に開脚させられて。はしたなく濡らしてしまっているあそこを見られてしまう。

 せっかく着替えさせてもらった下着も無惨なことに。思いっきり放ってしまっていた飛沫が布地を貫通していたらしい。可愛らしいフリルまで汚してしまっている。元々が白地だから、あまり目立っていないってことだけが唯一の救いだろうか。

 見られてしまうことに関しては、イヤではない。恥ずかしいことには変わりはないけれども。

 でも、見つめてくれる熱い眼差しからちゃんと伝わってくるから。バアルが、俺にドキドキしてくれているんだって分かるから。だから、イヤじゃない。むしろ、もっと……

「アオイ」

「は、はひっ……」

 見事に声がひっくり返ってしまっていた。口にするには気恥ずかしいことを考えてしまっていたのだから、仕方がないっちゃあ仕方がないのだけれども。

 どぎまぎしている俺の反応を、バアルは後ろ向きに取ってしまったんだろう。二本の触角が、しょぼんと下がっていってしまう。僅かに伏せられた白い睫毛越しに窺っている緑の瞳に不安の色が宿っている。

「やはり、以前はご無理を強いてしまっておりましたか?」

「へ?」

「私の為にと、我慢なされていらっしゃったのでしょうか? まだ、此方に口で触れられるのは、些か早かったのでしょうか?」

「え、あ、ちがっ……我慢なんてしてなかったよ! 全然! その、気持ちよかったし……スゴく……」

 何のことを聞かれているのかと、気がつけた時には遅かった。

 事実なんだけれども、バアルは納得出来てはいないみたい。ますます心配そうに瞳を細めながら俺を見つめている。俺達を覆い隠さんばかりに広がっていた羽も、しおれた花のようにすっかり縮んでしまっていた。

 これは、言うしかない……よね。全部、一から。

「その、さ……聞いても、引かないで……欲しいんだけど……」

「はい、ご心配なさらずに……どうか、信じて下さい」

 勢いよく身を起こして、バアルが俺の手を握ってくれる。芯の強い光を宿した緑の瞳に、俺だけを映してくれている。

「……私が貴方様に今以上に惚れこむことは間違いなくあるでしょう。ですが、貴方様への愛が僅かにでも色褪せてしまうことなど……っ」

 真っ直ぐな言葉が、俺に勇気をくれる。

 ひと回り大きな手を握り返せた時には、もう手の震えは収まっていた。

「……ありがとう。俺も、どんなバアルも大好きだよ」

「……アオイ」

 近づいてきてくれた彫り深い顔に額を寄せる。そっと擦り寄ってみると、彼もまた高い鼻先を寄せてきてくれた。唇に触れた吐息が熱い。
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