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★【新婚旅行編】四日目:戸惑いはなかった、あるのは
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「っ……は、はい……気持ちいいです……宜しければ、その……」
「……咥えてみてもいい? バアルの大きいから、先の方までぐらいしか入れられないだろうけど」
俺の方から提案されるとは思っていなかったんだろうか。今は舐めてもいないのに、バアルのものがぴくりと震えた。また少しだけ大きさも増したかもしれない。期待してくれているのかな。
「……宜しくお願い致します……ですが、ご無理はなさらないで下さいね?」
「うんっ! もっと俺、頑張るね。バアルに喜んでもらえるように」
「……誠に貴方様は」
困ったように笑う彼の手の温もりを、優しい手つきを堪能しながら俺は大きく口を開け、咥え込んでいた。戸惑いはなく、あるのは期待だけだった。もっと褒めてくれるかなって、もっと気持ちよくなってくれるかなって、それだけ。
口に含んだ時、少しだけハーブの匂いがした気がした。やっぱり俺ではカリ首の辺りまでしか。仕方がないので、残りは手で撫でながら続けることにした。歯を立ててしまわないように注意しながら、咥えたままの先端を舐めてみる。
「あ……っ……は、ん……アオイ……アオイ……っ」
初めてにしては、どうやら俺は上手く出来ているらしい。見上げる余裕はないけれども、声で分かる。
でも、まだ俺に気を遣ってくれるくらいの余裕はあるみたい。何度か腰が揺れそうになっているのに、すぐに止めてしまうから。
……我慢してくれているんだろうな。最後まで俺のペースで出来るように、俺に負担をかけないように。
どこまでも俺を優先してくれる優しさが嬉しくて、もっともっと甘えて欲しくて。俺は上体を起こして、顔を上下に動かしていた。彼が求めているであろう動きに、欲しているであろう刺激に少しでも近づけるように。
明らかにバアルの反応が良くなった。少しは期待に応えられたのかも。
「く、ぁ……アオイ、もう……あ、あッ……」
大きな手は一度俺を止めようとした。けれどもすぐにそれを止め、頭を撫でてくれた。震えていたけれど、優しい手つきだった。
「んんっ……ん、ぅ……ふは……」
今まで以上にバアルのものが脈打つように震えて、放たれた熱い液体が顎の裏辺りに当たった。
ちょっとだけ苦い。でも、これがバアルの味なんだなって思うと嬉しかった。撫でてもらえているだけなのに背中の辺りがそわそわして、お腹の奥が疼いてしまっていた。
「は、はぁ…………っ、アオイ! 大丈夫ですか? お水で口をゆすがれて……いえ、先ずは口の中のものを吐き出されて……」
「んっ、む……ごめん、飲んじゃった……」
「っ……左様で、ございますか……」
申し訳無さがちょっぴり、残りは嬉しさだろうか。凛々しい眉毛を八の字にしながらも、バアルの顔は赤い。熟れたトマトよりも。
それに俺は見てしまった。彼は咄嗟に手で押さえていたけれども、隠されてしまう寸前に見えてしまった。白い髭を蓄えた口元に浮かんだ、喜びがあふれてしまいそうな笑みを。
「ね……バアル……」
「はい……」
「今度はさ、一緒がいいんだけど……」
「私も、お願いしようと存じておりました……」
こっそりと伸ばしていた手が繋がれる。バアルは優しく俺をベッドに押し倒してから、邪魔だと言わんばかりに白いカッターシャツを脱ぎ捨てた。脱ぎかけだったズボンも放られて、ベルトの金具が打ち付けられた音が薄暗い室内で小さく鳴った。
「……咥えてみてもいい? バアルの大きいから、先の方までぐらいしか入れられないだろうけど」
俺の方から提案されるとは思っていなかったんだろうか。今は舐めてもいないのに、バアルのものがぴくりと震えた。また少しだけ大きさも増したかもしれない。期待してくれているのかな。
「……宜しくお願い致します……ですが、ご無理はなさらないで下さいね?」
「うんっ! もっと俺、頑張るね。バアルに喜んでもらえるように」
「……誠に貴方様は」
困ったように笑う彼の手の温もりを、優しい手つきを堪能しながら俺は大きく口を開け、咥え込んでいた。戸惑いはなく、あるのは期待だけだった。もっと褒めてくれるかなって、もっと気持ちよくなってくれるかなって、それだけ。
口に含んだ時、少しだけハーブの匂いがした気がした。やっぱり俺ではカリ首の辺りまでしか。仕方がないので、残りは手で撫でながら続けることにした。歯を立ててしまわないように注意しながら、咥えたままの先端を舐めてみる。
「あ……っ……は、ん……アオイ……アオイ……っ」
初めてにしては、どうやら俺は上手く出来ているらしい。見上げる余裕はないけれども、声で分かる。
でも、まだ俺に気を遣ってくれるくらいの余裕はあるみたい。何度か腰が揺れそうになっているのに、すぐに止めてしまうから。
……我慢してくれているんだろうな。最後まで俺のペースで出来るように、俺に負担をかけないように。
どこまでも俺を優先してくれる優しさが嬉しくて、もっともっと甘えて欲しくて。俺は上体を起こして、顔を上下に動かしていた。彼が求めているであろう動きに、欲しているであろう刺激に少しでも近づけるように。
明らかにバアルの反応が良くなった。少しは期待に応えられたのかも。
「く、ぁ……アオイ、もう……あ、あッ……」
大きな手は一度俺を止めようとした。けれどもすぐにそれを止め、頭を撫でてくれた。震えていたけれど、優しい手つきだった。
「んんっ……ん、ぅ……ふは……」
今まで以上にバアルのものが脈打つように震えて、放たれた熱い液体が顎の裏辺りに当たった。
ちょっとだけ苦い。でも、これがバアルの味なんだなって思うと嬉しかった。撫でてもらえているだけなのに背中の辺りがそわそわして、お腹の奥が疼いてしまっていた。
「は、はぁ…………っ、アオイ! 大丈夫ですか? お水で口をゆすがれて……いえ、先ずは口の中のものを吐き出されて……」
「んっ、む……ごめん、飲んじゃった……」
「っ……左様で、ございますか……」
申し訳無さがちょっぴり、残りは嬉しさだろうか。凛々しい眉毛を八の字にしながらも、バアルの顔は赤い。熟れたトマトよりも。
それに俺は見てしまった。彼は咄嗟に手で押さえていたけれども、隠されてしまう寸前に見えてしまった。白い髭を蓄えた口元に浮かんだ、喜びがあふれてしまいそうな笑みを。
「ね……バアル……」
「はい……」
「今度はさ、一緒がいいんだけど……」
「私も、お願いしようと存じておりました……」
こっそりと伸ばしていた手が繋がれる。バアルは優しく俺をベッドに押し倒してから、邪魔だと言わんばかりに白いカッターシャツを脱ぎ捨てた。脱ぎかけだったズボンも放られて、ベルトの金具が打ち付けられた音が薄暗い室内で小さく鳴った。
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