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【新婚旅行編】六日目:とある王様は信用がないことに心当たりしかない
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私の知らぬ内にマシマシになっているイチャイチャっぷりには、流石に父上達も気づいているようだった。
とはいっても、皆、私と同じ気持ちでいるらしい。微笑ましい戯れを見せてくれている二人の姿を、ただただ見守っているばかり。父上はご機嫌そうに目尻を下げ、ほっほっほ、と笑いながら今度はプリンの器を次々と空にしているし。グリムはいつものように、はわわ、と声を震わせながら顔を真っ赤にしながらも、しっかりと目は離さない。
クロウは、そんなグリムの頭を撫でながら、いつの間にやらちゃっかりと投影石を取り出している。職人のように真剣に瞳を鋭くして、頬を寄せ合う仲良しさんな二人の姿を、一秒たりとも逃さぬように高速でシャッターを連写している。レタリーも同じく投影石を構えており、動画の撮影に余念がない。貴殿らは貴殿らでコンビネーション良くなってるね!?
これほどまでに堂々と、パシャシャシャシャシャとシャッター音を鳴らしながら撮られていれば気づきそうなものではあるが……いや、バアルは分かっていて気付いておらぬフリをしているんであろうが。アオイ殿は?
じっと視線を向けてしまっていたからだろう。バアルにお返しのあーんをしたところで、透き通った美しい瞳が私に気が付いた。
「あの、ヨミ様……」
「っ……う、む、いかがした? アオイ殿」
「いえ、その……ヨミ様は、どの味のサンドイッチとプリンを気に入ってもらえましたか?」
さっき聞きそびれちゃったんで、と華奢な指で頬をかくアオイ殿は、照れ臭そうにはにかんではいる。が、見られてしまっていたという恥ずかしさは、全く見られない。
そもそも、いつもの驚いた声が聞けなかったものな。あの特徴的で、驚き飛び上がった猫さんのように可愛らしい声が。
「ヨミ様……?」
「あ、ああ、済まない。どちらも甲乙つけがたく、悩んでしまっていてな」
「……そう、ですか」
アオイ殿はどこか納得のいかないような顔をして、助けを求めるようにバアルを見つめた。バアルも凛々しい眉を下げながら小さく頷いて、私を見つめてきた。
「ヨミ様、何かお悩みごとですか? 俺達が力になれることはありませんか?」
「先程から……何か、お気になされていることがあるようにお見受け致しますが」
また、不意に目頭が熱くなってしまう。二人の心配が、優しさが、胸の奥を温かく満たしていく。とはいえ、いつまでも浸っていては。あらぬ誤解など、さっさと解いてしまわなければ。
「いや、悩みはないぞ! この通りっ、私は元気に満ちあふれておる!」
胸を張って、髪を靡かせ、高らかに言ったのだが。事実なのだが、二人の表情は曇ったまま。
あれ、私、斯様に信用がない? いや、まぁ……心当たりは大いにあるが。特につい最近。
「あー……いや、気にしていた訳ではないんだが……その、少々驚いていてな」
真っ直ぐに見つめてくる二つの眼差しに観念して素直に切り出せば、真剣に聞こうとしてくれているのか二人は姿勢を正し始めた。
内容的に余計に言い出し辛いんだが? ここで誤魔化しても、私が言うまで諦めてはくれぬであろうから言うけれども。
「……バアルとアオイ殿が、ごく自然に仲睦まじい様子を見せてくれるものだから」
「ふぇっ」
あ、なんか安心した。やはり、照れ屋さんなアオイ殿は可愛らしいな。
とはいっても、皆、私と同じ気持ちでいるらしい。微笑ましい戯れを見せてくれている二人の姿を、ただただ見守っているばかり。父上はご機嫌そうに目尻を下げ、ほっほっほ、と笑いながら今度はプリンの器を次々と空にしているし。グリムはいつものように、はわわ、と声を震わせながら顔を真っ赤にしながらも、しっかりと目は離さない。
クロウは、そんなグリムの頭を撫でながら、いつの間にやらちゃっかりと投影石を取り出している。職人のように真剣に瞳を鋭くして、頬を寄せ合う仲良しさんな二人の姿を、一秒たりとも逃さぬように高速でシャッターを連写している。レタリーも同じく投影石を構えており、動画の撮影に余念がない。貴殿らは貴殿らでコンビネーション良くなってるね!?
これほどまでに堂々と、パシャシャシャシャシャとシャッター音を鳴らしながら撮られていれば気づきそうなものではあるが……いや、バアルは分かっていて気付いておらぬフリをしているんであろうが。アオイ殿は?
じっと視線を向けてしまっていたからだろう。バアルにお返しのあーんをしたところで、透き通った美しい瞳が私に気が付いた。
「あの、ヨミ様……」
「っ……う、む、いかがした? アオイ殿」
「いえ、その……ヨミ様は、どの味のサンドイッチとプリンを気に入ってもらえましたか?」
さっき聞きそびれちゃったんで、と華奢な指で頬をかくアオイ殿は、照れ臭そうにはにかんではいる。が、見られてしまっていたという恥ずかしさは、全く見られない。
そもそも、いつもの驚いた声が聞けなかったものな。あの特徴的で、驚き飛び上がった猫さんのように可愛らしい声が。
「ヨミ様……?」
「あ、ああ、済まない。どちらも甲乙つけがたく、悩んでしまっていてな」
「……そう、ですか」
アオイ殿はどこか納得のいかないような顔をして、助けを求めるようにバアルを見つめた。バアルも凛々しい眉を下げながら小さく頷いて、私を見つめてきた。
「ヨミ様、何かお悩みごとですか? 俺達が力になれることはありませんか?」
「先程から……何か、お気になされていることがあるようにお見受け致しますが」
また、不意に目頭が熱くなってしまう。二人の心配が、優しさが、胸の奥を温かく満たしていく。とはいえ、いつまでも浸っていては。あらぬ誤解など、さっさと解いてしまわなければ。
「いや、悩みはないぞ! この通りっ、私は元気に満ちあふれておる!」
胸を張って、髪を靡かせ、高らかに言ったのだが。事実なのだが、二人の表情は曇ったまま。
あれ、私、斯様に信用がない? いや、まぁ……心当たりは大いにあるが。特につい最近。
「あー……いや、気にしていた訳ではないんだが……その、少々驚いていてな」
真っ直ぐに見つめてくる二つの眼差しに観念して素直に切り出せば、真剣に聞こうとしてくれているのか二人は姿勢を正し始めた。
内容的に余計に言い出し辛いんだが? ここで誤魔化しても、私が言うまで諦めてはくれぬであろうから言うけれども。
「……バアルとアオイ殿が、ごく自然に仲睦まじい様子を見せてくれるものだから」
「ふぇっ」
あ、なんか安心した。やはり、照れ屋さんなアオイ殿は可愛らしいな。
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