上 下
785 / 906

★【新婚旅行編】五日目:遠慮しないって、決めたでしょ?

しおりを挟む
「ん、ふ……だい、じょうぶ……ちょっと、イっちゃったけど……」

 ……何なら今も。舌を絡めてもらえていないのに、柔らかな唇に擦り寄ってもらえるだけで、疼いちゃってる。交わしている唇だけじゃない。

 繋がれている部分に勝手に力がこもっちゃって、彼のものを何度も締め付けちゃってる。その度に、太くて長い体温を、俺を満たしてくれている逞しい雄の形を感じる度に、下腹部が甘く疼いてしまっているんだ。

 けれども、挿れてもらった瞬間のような確かな解放感は。ただただ、一番気持ちがいい時の感覚を断続的に繰り返してしまっている。

 これが、バアルが教えてくれる……甘イきってヤツ、なのかな? 合ってるかは分かんないけど。

「は、ぁ……ん、ぅ……バアル、は? バアルは、大丈夫?」

 また込み上げてきた心地よさに腰が勝手に震えてしまう。それでも、何とか尋ねられたところで、返ってきたのは少し掠れた声だった。

「私も問題ございません……ただ……少々、困ってはおりますが……」

「え……?」

「貴方様の中が、あまりにも心地がいいものですから……衝動のままに溺れてしまいそうで……」

 ……なんだ、そんなこと。

「いいのに……遠慮、しないで……お互いに、甘えるって、決めたでしょ……?」

「……そう、でしたね……左様でございました……」

「ん、だから……ね、バアル……んん……っ」

 俺からも口づけようとして、先を越されてしまった。

 薄く開いていた口に、すぐさま長い舌が入ってくる。今度はと舌を伸ばして応えようとして、お腹の奥を鋭く突かれた。

「んむ……ぅ……っ、ん、ふっ、んぅ……」

 全身が揺れているのか、それとも俺達を支えてくれているベッドごと揺れているのか。分からなくなってしまうくらいに、激しい腰使いだった。

 打ちつけられる度に、頭の天辺まで突き抜けていくような快感に襲われてしまう。容赦のない快楽の波にもみくちゃにされながらも、俺は喜びに浸っていた。

 良かった……甘えてもらってる……遠慮しないで、俺を求めてくれて……

 幸福感に満たされながら、俺は何度も腰を震わせてしまっていた。

 絡め取られている舌先を吸われる度に、奥を突かれる度にイってしまっているのかもしれない。ずっと気持ちいいのが続いているから、よく分からない。分からなくなっていく。

 バアルも気持ちよくなってくれているみたい。休みなく俺に逞しい腰を振ってくれているけれども、ずっと震えている。俺のお腹の奥で反り上がっているものが、ドクドクと脈打って。

「っ……んんッ……んっ、んっ、んぅ……ッ」

 一瞬、俺の中を押し広げるように大きく膨らんだ気がして。続けて奥に注ぎ込まれていた。ずっと熱を持っていたお腹の中が、熱い迸りでますます満たされていく。

 でも、止まらない。ずっと、ずっと俺の奥に出してくれているハズなのに、後ろから突いてくれている腰の動きは止まるどころか早まるばかり。

 震え続けている俺の身体にのしかかるように覆い被さって、小刻みに腰を振り続けている。俺が彼のものなんだって刻みつけられているみたい。放った先から内壁へと塗り込むように硬い先端で、太い竿で俺の中を擦り続けて。

「ん、ふっ、んっ、ん……っ、んぅ……っ」

 全身がふわふわする。頭の中が熱くて、熱くて。甘ったるくて、蕩けてしまいそう。まただ。またバアルの太いものが、激しく脈打ってきて。

 あ、あッ……出てる……いっぱい、熱いの……

 バアルのが、俺の中に……バアルので、いっぱいになっちゃ……

 もっと感じていたかった。ちゃんと、最後の一滴まで感じていたかった。でも、俺はバアルの精一杯に応えられなかった。先に意識を手放してしまっていた。

 まだまだ奥を突いてくれている感覚がするのに、感じていたいのに。俺の意思に反して、目の前が真っ暗に閉じていってしまったんだ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...