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★【新婚旅行編】五日目:抗えない、せっかく彼から与えてもらっているのだから抗いたくない

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「んぅっ……ん、んっ、ふ、んん……っ」

 熱い竿を撫でながら顔を動かす。さっきよりも早いリズムで。口がちょっぴり疲れてきたけれど、少しだけ息苦しいけれど、バアルの気持ちよさそうな声を聞いていたら頑張れた。

 喉の奥で暴れているように、バアルのものが震え出す。

 そろそろかな。試しに頬をすぼめて大きな先端を強く吸ってみると、一際大きく竿が跳ねた。

「っ……あ、あッ…………く、ぅ……ぁ……」

「んんっ……っ、ふ………ん、ん……っ」

 危なかった。もう少しでむせるところだった。

 いまだ放たれている熱の勢いは、衰えることがない。最初のよりも量は少なめだけれども、断続的に喉の奥へと放たれている。

 熱い。ジンジンしている。ねっとりしていて飲み辛いから、余計に喉に絡まって。

「は……ぁ……っ、アオイ……大丈夫、ですか?」

 それでも何とか飲み下せたのはバアルのだから。きっと喜んでもらえるって分かっているから。

「んむ……ちゅ……っ」

 先の方に残っていたのも、ちゃんと舐めて、吸い取って。まだ硬く芯を持ったままの彼のものからゆっくりと口を離す。

 口から取り込んだ新鮮な空気はひんやりしていて、でもまだちょっぴりバアルの匂いがした。

「ふ、は……ぁ……だいじょぶ……ちゃんと、全部……飲めたよ……」

「……アオイ」

 見下ろす彼に向かって成果を披露しようと口を開けて見せると、バアルは赤い顔をますます赤くした。困ったように目元のシワを濃くしているけれども、隠し切れてはいない。

 整えられたお髭がカッコいい口元は、ふにゃりと綻んでいる。二本の触角は、ずっとふわふわ弾んでいるし、羽のはためく速さは風を切るよう。全身で喜びを示してくれている。

「へへ……どうだった? 俺、頑張ったよ? バアルの為に」

「っ……ええ、ええ……よく頑張りましたね……誠にお上手でした……気持ちよかったですよ……」

「ホント? ふふ、嬉し」

「ですから、ご褒美を差し上げなければ」

 微笑んでいた瞳に妖しい熱が灯る。噛みつくように口づけられたのと同時に、いつの間に後ろへと回されたのか、また指が入ってきた。尻の半分しか隠せていないレース生地を少しズラして、尻の穴へと。

「んぅ……ふ、ん、んん……っ」

 少し前に解してもらえていたから、すんなりと。三本一気に咥えこむことが出来たのに、また潤滑油を足してくれたみたい。穴の縁も、中も、ねっとりと温かい。

 ご褒美だからだろう。さっきは、あまり触ってくれなかった俺のいいところを、前立腺ばかりを最初っから突いてくれている。抜き差しをしながら、とん、とん、とん、っと優しく、何度も。

 ドキドキしていたから。バアルに喜んでもらえて舞い上がっていたから。何度目かも分からない俺の限界は余計に早かった。まだまだ全然してもらえていないのに、目の前がぼうっとしてきてしまう。

 でも、気持ちいいのには抗えない。せっかく大好きな彼から与えてもらえているのに、抗いたくない。身を委ねるように俺は広く頼もしい背中にしがみついた。だけど。

「は、ぅ…………っ、あ……バアル……?」

 あとちょっとのところでバアルは指を抜いてしまった。抱き締めてくれていた腕の力も緩んでしまっていて、大好きな体温が、ハーブの匂いが遠のいてしまう。

 イけそうだったのに、イきたかったのに……なんで?

「申し訳ございません……可愛い貴方様のご期待に応えたいのは山々なのですが……」

 額を寄せて、高い鼻先を甘えるように擦り寄せてくれる。俺だけを見つめてくれている、鮮やかな緑の瞳は薄っすらと滲んでいた。

 腰を抱き寄せられて、当たってしまった。熱くて硬い彼のものと、俺のものとが。

「あ……っ」

 そこでようやく気がついた。気がつけた。

「堪え性のない私めを、許して頂きたく……」

 トーンの低い声がおずおずと囁いてくる。少しだけ震えていて、照れているような声色だった。
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