間違って地獄に落とされましたが、俺は幸せです。

白井のわ

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★【新婚旅行編】五日目:足りてはいないんだけれども、またちょっと満たされた

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 初めてな求められ方に、ふと過ったのも一瞬で、すぐさま塗り潰されていってしまう。先端から根元まで、一気に押し込められる感覚が頭の芯まで響いてきて、もう情けのない声しか出せない。

「ひ、ぁ……あ、あっ、あんっ……」

 緩急もなく、ひたすらに繰り返される抽挿は、まるで俺を貪ってくれているような。ずっと続けるのには、難しそうな愛され方だったからかな。

「く、ぅ……は、ぁっ……アオイ……アオイ……っ」

 彼のものが脈打っている。今にも限界を迎えてしまいそう。縋るように呼んでくれている声に応えたいのに、口からは情けのない音しか出ない。キスすることも出来ない。

 せめてもと、繋いだままの手に力を込めた。握り返してくれて、寄せてくれた唇の温もりを感じながら、俺は。

「んんっ……ん、んぅっ……っ」

 俺達は、ほとんど同時に身体を震わせた。

 疼き続けているお腹の中はずっと熱い。でも、ちゃんと分かった。彼が気持ちよくなってくれた証を、注ぎ込まれている熱を、ちゃんと感じることが出来たんだ。

 心は確かに満たされている。嬉しくって、幸せで、ずっとこのままがいいな、なんて思ってしまうくらいには。でも、やっぱり。

「は、はっ、はぁ……ね、バア、ル……」

 足りない。まだまだ、全然足りやしない。

 足りてはいないんだけれども、またちょっと満たされた。

「はっ……は、ぁ……ええ、アオイ……どうか、このまま……」

 焦がれるような眼差しとかち合って、お揃いの気持ちで応えてもらえて。

「ん……うん……欲し……もっと、俺のこと、愛して……」

 抱き締めてもらえて、ドキドキ高鳴っている音が聞こえてきて。俺だけじゃないんだって、嬉しくなったんだ。



 珍しい体勢だとは思った。膝の上に乗せてもらえたのに、向かい合うんじゃなくて彼に背中を預けるなんて。

 ちゃんと理由が分かった時には、余裕なんてなくなっちゃってたけど。

「ひぅっ……あ、んぁっ、あっ、それ……ダメ……っ」

 後ろから抱き締める体勢の方が、両手が自由になりやすいみたい。気持ちよすぎて俺がのけぞってしまっても、バアルの分厚い胸板がクッション代わりに支えてくれるから。

「おや……まだ、ご満足頂けていなかったのでは? もっと私に触れて欲しかったのではございませんか?」

 俺を抱き支える必要がないから、いっぱい可愛がられてしまう。ただでさえ、バアルの逞しいものを挿れてもらっちゃってるのに。ずっとお尻も、お腹も疼いてしまっているのに。

 なのに、乳首まで。左右一緒に触ってもらっちゃったら。指先で優しく乳頭を撫でられたり、上から軽く押し潰すように撫で回されちゃったら。

「ああ、ほら……貴方様の此方は触らさせて頂く度に、嬉しそうに私めのものを締め付けておりますよ?」

「うぁ、あっ、だって……あ、ひ……あ、あっ……」

「……より一層、気持ちいいのでは? 悦んで頂けているのでは、ございませんか……?」

 楽しそうに囁きながら、柔らかな唇で耳たぶを食まれた。

 軽く吸われて、耳までジンと気持ちよくなっちゃってるのに、今度は首筋に口づけてくる。わざと俺に聞かせるように、可愛いリップ音を鳴らしながら。

「あ、ふぅっ、ん……いい、よ……すっごく、気持ちい……」

「でしたら」

「でもっ、一緒は……あぅ……んっ、ふ、いっちゃ……すぐ、イっちゃ、からぁ……」

 さっきの激しい愛し方とは打って変わって、バアルは全然動いていない。どちらかといえば、俺の方が動いてしまっている。

 整えられた指先で乳首を可愛がられる度に、腰をヘコヘコ揺らして擦りつけてしまっている。勝手に気持ちよくなっちゃってるんだ。
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