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★【新婚旅行編】キスしたい気分? それから撫でたい気分?

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 大きな手によって脱がされていった服が、次から次へと放り投げた先から消えていく。広いベッドのどこかへと落ちていく前に、手品みたいに跡形もなく。

 最後の、下着ごと脱がされたズボンの行き先を何となく眺めてしまっていると、シーツの上に落ちた途端に消えたと同時に抱き上げられた。

 向き合う形で膝の上へと乗せてくれた彼は、やっぱり一枚も脱いではいない。襟元のボタンを少し多めに外しただけだ。

 まぁ、これはこれで素敵なチラリズムが。キレイに浮き出た鎖骨の色っぽさと、盛り上がった胸の筋肉による谷間のカッコよさを楽しめるから、構わないんだけれども。

 じっと見つめてしまっていると、しなやかな指に顎を優しく掴まれた。掬い上げるように持ち上げられて、流れるように自然に口づけられた。

「は、ん……ふぁ……ん……」

 待ちきれなくて舌を伸ばせば、歓迎するように絡めてもらえた。熱くて、しっとりと濡れた舌先同士が触れ合うと、堪らない刺激が広がっていく。身体が勝手に震えてしまう。

「んっ、んふ、ん……ぁ、ふ……んん……」

 ……なんか、いつもよりいっぱいしてくれてる。キスしたい気分、なのかな?

 どちらかといえば最近は、首とか胸とか腹とか足とか……色んなところにキスしてもらう方が多かったもんな。して欲しいなって思っている時は、ちゃんと口にしてくれるんだけどさ。

 それから、撫でたい気分でもあるみたい。巧みなキスを交わしてくれながらも、しなやかな指が俺を可愛がってくれている。

 梳くように髪を撫でてくれたり、親指と人差し指で揉むように耳を撫でてくれたり。心地よくて、ちょっぴり擽ったい。じゃれついてもらえたり、甘えてくれている時だったら、嬉しい気持ちがふわふわするだけ。

 でも、一緒にされちゃうと。しっとりと柔い指先で顎裏を撫でられると同時に、口の中からも舌先で上顎を撫でられてしまうと。

「んぅ……んっ、ん、ふ……っ」

 重たい熱がこみ上げてきてしまう。気持ちいのが重なって、下腹部からじわじわと頭の天辺に向かって駆け上ってきて。

「ん……ッ」

 舌全体を強く吸われた瞬間、腰周りを指先で触れるか触れないかの加減で撫でられた瞬間、お尻の奥がきゅっと疼いてしまっていた。

 あそこの先っぽが痺れるように熱い。勃っちゃってたことは分かっていたけど、まさか、俺……

「……達してしまわれましたか?」

 嬉しそうな声で尋ねられてしまっては、認めるしか。

「は、はっ、ふ……は、ぁ……ごめ……いっぱ、よしよし……して、もらえた、から……」

 金属のような光沢を帯びた触角が弾むように揺れている。満足気に笑みを深めてから、額に、目尻にと、労うようなキスを送ってくれた。

「……気持ちよかったですか?」

「ん……気持ち、かった…………でも……」

 別のところも触って欲しかった。その大きな手のひらで、細くてキレイな指先で、触れて欲しかった。いっぱい、いっぱい、撫でて欲しかった。

 つい、じっと見つめてしまっていると、緑の瞳が微笑んだ。白い髭がカッコいい。口元が緩やかな笑みを形作っていく。色っぽくてドキッとした。

「……もしや、此方も……でしょうか?」

 お願いする前に伝わっちゃったみたい。水晶のように透き通った羽をはためかせながら、それぞれに向かって手を伸ばしてくれる。

 俺が求めていたところに。すでにピンと尖らせて主張してしまっている乳首に、甘くイってしまったばかりでも、しっかりと股の間で反り上がってしまっている俺のものに。

「ひぁ……」
 
 上擦った声を上げながら、俺は思わず体を震わせのけぞっていた。酷く感じてしまっていたんだ。ただ指の腹で乳首をそっと摘まれただけで、手のひらで優しく竿を握り込んでもらえただけで。

 もう、その先を期待してしまっていたんだ。
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