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★【新婚旅行編】四日目:バアルだって、そんなに余裕はないだろうに
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一回俺の口に出してくれたとはいえ、まだ昂ってくれているハズ。けれども、バアルは丹念に俺の準備を手伝ってくれている。呼吸を荒く乱しながらも、俺を捉えて離さない眼差しをギラつかせながらも、俺の中へと差し込んだ指を動かし続けている。
俺的には、十分に解されていると感じていた。しっかりとバアルの指を三本目まで、咥え込むことが出来ているんだし。
「はぁ、ん、あっ、バアル……も、いいよ……? 俺、大丈夫、だよ……?」
しなやかな指先が滲んだ目元を拭ってくれる。気が付かない内に頬にかかっていた髪も優しくはらってくれて、口づけてくれる。
「なりません……どうか、しばしお待ちを……貴方様を、傷つけたく、ないのです……」
一番我慢しているであろう彼から懇願するように言われてしまえば、俺はもう頷くしか。
「……ありがとうございます」
こっちのセリフだ。優しく優しく気遣ってもらえている俺の。でも、口にして伝えることは出来なかった。また口づけてもらえてしまったんだ。
反射的に開けていた隙間に、これ幸いと濡れた体温が忍び込んでくる。上顎を何度か舌先でなぞられて、淡い感覚が背筋を撫でていく。ぞくぞくとした心地に思わず彼の指を締め付けてしまっていた。
「ふぅ、んっ、ん、ふは……あっ、ん……ふ……」
長く大きな彼の舌が、俺の舌を包み込むように擦り寄ってくる。巧みな深いキスに俺も応えようとしてみるけれども中々上手くはいかない。
絡めてくる舌の動きが大胆になっていくにつれ、俺の中を蠢く三本の動きも激しくなっていった。ただ深くイかせるつもりはないらしい。イイところには、前立腺には触れても掠めていくだけで直接的な刺激はくれないから。
「……っ、はぁ、バアル……」
「……アオイ」
何度目かの淡い波に飲まれた時だった。俺の尻の穴を解してくれていた指がゆっくりと引き抜かれた。
ちょっぴり寂しさを感じている内に、潤滑油を追加されたらしい。人肌くらいに温められたねっとりとした液体が、穴の縁にかけられてから塗り込まれていく。そうして、ようやくだった。
「あ……っ」
「息を止めないで……ゆっくりと呼吸を続けていて下さい……」
待ち望んでいた熱があてがわれた。
切なそうに凛々しい眉をひそめながら、バアルが俺の中へときてくれる。指を絡めて繋いでくれながら俺と一つになろうとしてくれる。
「んっ、ひぁ……あ、うぁ……」
時間をかけて彼が慣らしてくれたからだろう。抵抗感はない。大きな亀頭によって内側から押し広げられているにも関わらず。
なんなら、俺の方が彼のものを招いている錯覚すら。だって、するすると入ってきてしまうのだ。かつては散々手こずっていたハズの弁までをもあっさりと通り過ぎて奥の奥まで。彼の熱が、先端から根元まで全部、みっちりと埋め込まれてしまったのだ。
目の前がチカチカと明滅している。頭の天辺に向かって突き抜くけていくような感覚に、思わず覆い被さっている彼の広い背にしがみついてしまっていた。
「は、んっ……あ、あ、あ……っ」
「達して、しまわれましたか……可愛いですね……」
泣きたくなるような多幸感と気持ちよさ。どちらか一つでも参ってしまうのに、それらを一気に与えられてしまっているのだ。ホントのことを指摘されたくらいで、恥ずかしがる余裕なんて。
全身の力は抜けているのに、後ろだけは何故か頑なだ。挿れてもらえている長さも、太さも、ハッキリ分かるくらいに欲張りに締め付けてしまっている。
だから、バアルだって、そんなに余裕はないだろうに。
「いい子、ですね……良く頑張りましたね……」
動かないでいてくれる。俺が落ち着くまで待っていてくれている。汗が滲んで、額に張り付いてしまっていた髪を耳へとかけてくれる。
波が引いてきた頃、自然と視線が絡んでいた。焦がれるように見つめ合えば、もう言葉はいらなかった。触れるだけのキスを送ってくれながら、彼が俺を求めてくれたんだから。
俺的には、十分に解されていると感じていた。しっかりとバアルの指を三本目まで、咥え込むことが出来ているんだし。
「はぁ、ん、あっ、バアル……も、いいよ……? 俺、大丈夫、だよ……?」
しなやかな指先が滲んだ目元を拭ってくれる。気が付かない内に頬にかかっていた髪も優しくはらってくれて、口づけてくれる。
「なりません……どうか、しばしお待ちを……貴方様を、傷つけたく、ないのです……」
一番我慢しているであろう彼から懇願するように言われてしまえば、俺はもう頷くしか。
「……ありがとうございます」
こっちのセリフだ。優しく優しく気遣ってもらえている俺の。でも、口にして伝えることは出来なかった。また口づけてもらえてしまったんだ。
反射的に開けていた隙間に、これ幸いと濡れた体温が忍び込んでくる。上顎を何度か舌先でなぞられて、淡い感覚が背筋を撫でていく。ぞくぞくとした心地に思わず彼の指を締め付けてしまっていた。
「ふぅ、んっ、ん、ふは……あっ、ん……ふ……」
長く大きな彼の舌が、俺の舌を包み込むように擦り寄ってくる。巧みな深いキスに俺も応えようとしてみるけれども中々上手くはいかない。
絡めてくる舌の動きが大胆になっていくにつれ、俺の中を蠢く三本の動きも激しくなっていった。ただ深くイかせるつもりはないらしい。イイところには、前立腺には触れても掠めていくだけで直接的な刺激はくれないから。
「……っ、はぁ、バアル……」
「……アオイ」
何度目かの淡い波に飲まれた時だった。俺の尻の穴を解してくれていた指がゆっくりと引き抜かれた。
ちょっぴり寂しさを感じている内に、潤滑油を追加されたらしい。人肌くらいに温められたねっとりとした液体が、穴の縁にかけられてから塗り込まれていく。そうして、ようやくだった。
「あ……っ」
「息を止めないで……ゆっくりと呼吸を続けていて下さい……」
待ち望んでいた熱があてがわれた。
切なそうに凛々しい眉をひそめながら、バアルが俺の中へときてくれる。指を絡めて繋いでくれながら俺と一つになろうとしてくれる。
「んっ、ひぁ……あ、うぁ……」
時間をかけて彼が慣らしてくれたからだろう。抵抗感はない。大きな亀頭によって内側から押し広げられているにも関わらず。
なんなら、俺の方が彼のものを招いている錯覚すら。だって、するすると入ってきてしまうのだ。かつては散々手こずっていたハズの弁までをもあっさりと通り過ぎて奥の奥まで。彼の熱が、先端から根元まで全部、みっちりと埋め込まれてしまったのだ。
目の前がチカチカと明滅している。頭の天辺に向かって突き抜くけていくような感覚に、思わず覆い被さっている彼の広い背にしがみついてしまっていた。
「は、んっ……あ、あ、あ……っ」
「達して、しまわれましたか……可愛いですね……」
泣きたくなるような多幸感と気持ちよさ。どちらか一つでも参ってしまうのに、それらを一気に与えられてしまっているのだ。ホントのことを指摘されたくらいで、恥ずかしがる余裕なんて。
全身の力は抜けているのに、後ろだけは何故か頑なだ。挿れてもらえている長さも、太さも、ハッキリ分かるくらいに欲張りに締め付けてしまっている。
だから、バアルだって、そんなに余裕はないだろうに。
「いい子、ですね……良く頑張りましたね……」
動かないでいてくれる。俺が落ち着くまで待っていてくれている。汗が滲んで、額に張り付いてしまっていた髪を耳へとかけてくれる。
波が引いてきた頃、自然と視線が絡んでいた。焦がれるように見つめ合えば、もう言葉はいらなかった。触れるだけのキスを送ってくれながら、彼が俺を求めてくれたんだから。
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