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★【新婚旅行編】四日目:此方は、まだ許しては頂けませんか?
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「あ、バアル……そこは……」
「お嫌でしたか?」
尋ねながらもバアルは止めようとはしない。それどころかますます近いところに、足のつけ根のラインに沿って唇を寄せてくるほどだ。
「んっ、やじゃない、けど……その、近い、から……」
「近いとは……此方のこと、でしょうか?」
最初っから俺の返答を待つ気はなかったんだろう。流れのままに押し通すつもりだったに違いない。でなけりゃあ、口づけたりはしないだろう。見せつけるように俺のものを握りながら、俺から目を逸らさずに先端へと。
「ふぁ……ちょ、ウソ……バアル……駄目……」
戸惑いと否定の言葉を口にしながらも、しっかり俺は感じてしまっていた。亀頭に形の良い唇が触れただけ。ほんの一瞬の、微かな刺激に喜びを感じてしまっていた。
「此方は、まだ許しては頂けませんか?」
「ふぇっ? い、いやいや、許すとかじゃなくて、さ……汚い、じゃん……」
今日も今日とて、しっかり者な旦那様から隅々まで洗ってもらったけれども。
「お美しい御身に斯様なところなど……貴方はどこもかしこも魅力的で」
「ま、待って、ズルいっ……そういう嬉しいこと言って、なし崩しにするのは」
「駄目でしょうか?」
「っ……」
遮ってきた声は寂し気で、見上げてくる眼差しは切なそうに細められていた。ホントに、まぁ、俺の扱い方を心得ていらっしゃる。そんな顔してお願いされてしまったら、一発だってことを解っていらっしゃる。
とはいえ、いくらなんでもバアルさんにしてもらうことじゃ……いや、そういえば、そんな愛し方もあったような気がする。フェラだっけ。男同士だから関け……いやいや、関係ありまくりだった。出来るじゃん。なんなら、俺だって、バアルさんに。
思い至った途端にだった。込み上げてきてしまった。想像してしまったんだ。バアルさんが俺のものを、手だけじゃなくて口でも可愛がってくれているところを。同じように俺がバアルさんにお返して、上手ですよ、と褒めてもらえているところを。
どうしよう……されてみたい、かも。それに、してみたいかも。
「あ、あのさ、バアル」
「はい」
察しの良い彼は早くも気がついたんだろう。俺が前向きな提案をするであろうことを。その証拠にすぐさま返ってきた返事は明るく、表情もすでに晴れやかだ。
「その、さ……してくれるのは、嬉しいんだけどさ」
「でしたら」
「ま、待ってっ、最後まで聞いて?」
前のめりで俺のものへと口づけようとしていた彼の肩を掴む。本来ならば、俺に彼を止められるだけの力はない。押し止めようとしても、巨大な岩を相手にしているかのようにビクともしないだろう。
でも、彼はすんなり止まってくれた。俺のものから顔を離して、目を合わせてくれた。
「失礼、喜びのあまり年甲斐もなく先走ってしまいました」
「ううん、ありがとう。それで、ね…………お、俺も……バアルに……し、してみたいなって……」
「誠でございますか?」
想像以上の好感触。ますます大きく広がった四枚の羽が、落ち着きなくはためいている。期待はしていたけれど、やっぱり嬉しいな。
「身に余る光栄に存じます……アオイがこの老骨めにご奉仕をして頂けるなど」
「ごほっ!?」
なんか、いやらしさが増すんだけれども? その言い方だと。とはいえ、実際、これからするのはエッチなことな訳で。いや、そもそも今の今までずっとしてもらっていたんだけれども。
ぐるぐる回って堂々巡りしそうだった思考を断ち切る。こういう時は考えちゃうと駄目だ、多分。
気を取り直して俺は伝えた。包み隠さずそのままを、熱のこもった緑の眼差しから目を逸らさずに。
「……う、うん……さっきバアルからしてもらえるの想像しちゃったら、その……ドキドキして……俺も、バアルにお返ししたいなって思って……」
「でしたら、かわりばんこに致しましょうか。先ずは私めが貴方様にさせて頂きますので、その後は」
「俺の番、だね?」
「ええ」
「お嫌でしたか?」
尋ねながらもバアルは止めようとはしない。それどころかますます近いところに、足のつけ根のラインに沿って唇を寄せてくるほどだ。
「んっ、やじゃない、けど……その、近い、から……」
「近いとは……此方のこと、でしょうか?」
最初っから俺の返答を待つ気はなかったんだろう。流れのままに押し通すつもりだったに違いない。でなけりゃあ、口づけたりはしないだろう。見せつけるように俺のものを握りながら、俺から目を逸らさずに先端へと。
「ふぁ……ちょ、ウソ……バアル……駄目……」
戸惑いと否定の言葉を口にしながらも、しっかり俺は感じてしまっていた。亀頭に形の良い唇が触れただけ。ほんの一瞬の、微かな刺激に喜びを感じてしまっていた。
「此方は、まだ許しては頂けませんか?」
「ふぇっ? い、いやいや、許すとかじゃなくて、さ……汚い、じゃん……」
今日も今日とて、しっかり者な旦那様から隅々まで洗ってもらったけれども。
「お美しい御身に斯様なところなど……貴方はどこもかしこも魅力的で」
「ま、待って、ズルいっ……そういう嬉しいこと言って、なし崩しにするのは」
「駄目でしょうか?」
「っ……」
遮ってきた声は寂し気で、見上げてくる眼差しは切なそうに細められていた。ホントに、まぁ、俺の扱い方を心得ていらっしゃる。そんな顔してお願いされてしまったら、一発だってことを解っていらっしゃる。
とはいえ、いくらなんでもバアルさんにしてもらうことじゃ……いや、そういえば、そんな愛し方もあったような気がする。フェラだっけ。男同士だから関け……いやいや、関係ありまくりだった。出来るじゃん。なんなら、俺だって、バアルさんに。
思い至った途端にだった。込み上げてきてしまった。想像してしまったんだ。バアルさんが俺のものを、手だけじゃなくて口でも可愛がってくれているところを。同じように俺がバアルさんにお返して、上手ですよ、と褒めてもらえているところを。
どうしよう……されてみたい、かも。それに、してみたいかも。
「あ、あのさ、バアル」
「はい」
察しの良い彼は早くも気がついたんだろう。俺が前向きな提案をするであろうことを。その証拠にすぐさま返ってきた返事は明るく、表情もすでに晴れやかだ。
「その、さ……してくれるのは、嬉しいんだけどさ」
「でしたら」
「ま、待ってっ、最後まで聞いて?」
前のめりで俺のものへと口づけようとしていた彼の肩を掴む。本来ならば、俺に彼を止められるだけの力はない。押し止めようとしても、巨大な岩を相手にしているかのようにビクともしないだろう。
でも、彼はすんなり止まってくれた。俺のものから顔を離して、目を合わせてくれた。
「失礼、喜びのあまり年甲斐もなく先走ってしまいました」
「ううん、ありがとう。それで、ね…………お、俺も……バアルに……し、してみたいなって……」
「誠でございますか?」
想像以上の好感触。ますます大きく広がった四枚の羽が、落ち着きなくはためいている。期待はしていたけれど、やっぱり嬉しいな。
「身に余る光栄に存じます……アオイがこの老骨めにご奉仕をして頂けるなど」
「ごほっ!?」
なんか、いやらしさが増すんだけれども? その言い方だと。とはいえ、実際、これからするのはエッチなことな訳で。いや、そもそも今の今までずっとしてもらっていたんだけれども。
ぐるぐる回って堂々巡りしそうだった思考を断ち切る。こういう時は考えちゃうと駄目だ、多分。
気を取り直して俺は伝えた。包み隠さずそのままを、熱のこもった緑の眼差しから目を逸らさずに。
「……う、うん……さっきバアルからしてもらえるの想像しちゃったら、その……ドキドキして……俺も、バアルにお返ししたいなって思って……」
「でしたら、かわりばんこに致しましょうか。先ずは私めが貴方様にさせて頂きますので、その後は」
「俺の番、だね?」
「ええ」
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