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【新婚旅行編】四日目:俺の旦那様が可愛い! 最強!!
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もう一度俺を呼んでから、彫りの深い顔がゆっくりと近づいてくる。僅かにしか空いていなかった彼との距離は、数秒も経たずにあっさりと。くっついた額から伝わってきた体温は、少しだけ熱かった。
高い鼻先がちょこんと俺の鼻先に触れた。かと思えば擦り寄ってきてくれる。何だかお鼻同士でキスしてるみたい。
しばらくの間、彼に身を預けて好きにしてもらっていると今度は頬。透き通るように白くて滑らかな頬を、惜しげもなく俺の頬に擦り寄せてきてくれた。時々、渋いお髭もふわりふわりと掠めていく。ちょっぴり擽ったいけれど、余計に嬉しい。何だかレアな気がして。
それにしても、やっぱり猫さんっぽいよな。バアルさんの甘え方。
パークでは色々なもふもふさんや、ふわふわさん、更にはツルスベさんや、ゴワゴワさんまで色々と撫でさせてもらった。だからだろうか、ますます見えてきてしまう。額の触角を揺らし、背中の羽をはためかせながら甘えてくれている彼が大きな猫さんに。
そんなことを考えていたもんだから、試してみたくなってしまったんだろう。
「ね、バアル」
「はい、アオイ……いかがなさいましたか?」
「……ちょっとだけ、ここに顎を乗せてみて欲しいんだけど」
水を掬うような形で差し出した両の手のひらを、バアルさんは不思議そうな眼差しで見つめていた。でも、すぐに合点がいったのか、ちょこんと細い顎を乗せてくれたんだ。柔らかな笑みを浮かべながら、手と手の真ん中に。
「これで宜しいでしょうか? 貴方様のご期待にお応え出来ましたか?」
「はいぃ……っ……よろひいでふ……!」
バッチリどころか期待以上だ。俺の旦那様が可愛い! カッコよくて渋いのに可愛い! 最強!!
心の中で勝利の雄叫びを上げていると、さらなるファンサが。片手で俺の右手を支えながら、頬を擦り寄せてきてくれた。しかも、俺を見上げながら。目が合った途端にウィンクまで。
なんとまぁ、分かっていらっしゃる。俺のツボを。そういう策士的なところも大好きですけれども。
「好きぃ……バアル、大好き……っ」
「ふふ、私も愛しておりますよ……アオイ」
心をガッチリ鷲掴みにされながらも、俺はバアルさんの可愛さを目に焼き付けていた。
どれだけ眺めていても可愛いしかない光景に、ときめきは尽きない。が、踊り狂っていた鼓動は落ち着いてきていた。そのタイミングをバアルさんは見計らっていたんだろう。
「では、アオイ。私も宜しいでしょうか?」
「ふぇ?」
尋ねながら屈めていた背を起こし、両の手のひらを差し出してきたんだ。俺がバアルさんに求めたのと同じように。
思わず彼を見つめれば、その目は期待に輝いていた。柔らかに微笑む表情からも、ワクワク感が滲み出ている。隠し切れていない。彼にしては珍しく。
……応えなければ。いや、応えさせてもらわなければ。
気合が入り過ぎたんだろう。俺は勢いよく顎を乗せてしまっていた。さながら、オヤツ欲しさに前のめりにお手を披露する犬のように。
しかし、そこはバアルさん。長い睫毛を少し瞬かせただけ。ビクともしなかった。俺だったら、ガクンと手のひらが下がるどころか、受け止め損ねたであろう勢いだったのに。
「ご、ごめんなさ」
「成る程」
「へ?」
「確かに心擽られるものがございますね。貴方様の愛らしさがより増して……いえ、如何なる時でも私のアオイは誠に愛らしいことこの上ないのですが……」
「ひょわ……」
こういう時は大抵饒舌な彼にしては途切れがち。けれども、噛み締めるような声で伝えてくれる一言一言は強烈で。
「なんと言葉にして表せばよいのやら……この胸の高鳴りに相応しい言葉が見つかりません……ですが、誠にお可愛らしい……可愛いですよ、アオイ」
「……あ、ありがとう、ごじゃいまふ」
折角戻りかけていた呂律が、また回らなくなってしまっていた。喜んでくれているバアルさんを堪能する余裕なんて、消え失せてしまったんだ。
高い鼻先がちょこんと俺の鼻先に触れた。かと思えば擦り寄ってきてくれる。何だかお鼻同士でキスしてるみたい。
しばらくの間、彼に身を預けて好きにしてもらっていると今度は頬。透き通るように白くて滑らかな頬を、惜しげもなく俺の頬に擦り寄せてきてくれた。時々、渋いお髭もふわりふわりと掠めていく。ちょっぴり擽ったいけれど、余計に嬉しい。何だかレアな気がして。
それにしても、やっぱり猫さんっぽいよな。バアルさんの甘え方。
パークでは色々なもふもふさんや、ふわふわさん、更にはツルスベさんや、ゴワゴワさんまで色々と撫でさせてもらった。だからだろうか、ますます見えてきてしまう。額の触角を揺らし、背中の羽をはためかせながら甘えてくれている彼が大きな猫さんに。
そんなことを考えていたもんだから、試してみたくなってしまったんだろう。
「ね、バアル」
「はい、アオイ……いかがなさいましたか?」
「……ちょっとだけ、ここに顎を乗せてみて欲しいんだけど」
水を掬うような形で差し出した両の手のひらを、バアルさんは不思議そうな眼差しで見つめていた。でも、すぐに合点がいったのか、ちょこんと細い顎を乗せてくれたんだ。柔らかな笑みを浮かべながら、手と手の真ん中に。
「これで宜しいでしょうか? 貴方様のご期待にお応え出来ましたか?」
「はいぃ……っ……よろひいでふ……!」
バッチリどころか期待以上だ。俺の旦那様が可愛い! カッコよくて渋いのに可愛い! 最強!!
心の中で勝利の雄叫びを上げていると、さらなるファンサが。片手で俺の右手を支えながら、頬を擦り寄せてきてくれた。しかも、俺を見上げながら。目が合った途端にウィンクまで。
なんとまぁ、分かっていらっしゃる。俺のツボを。そういう策士的なところも大好きですけれども。
「好きぃ……バアル、大好き……っ」
「ふふ、私も愛しておりますよ……アオイ」
心をガッチリ鷲掴みにされながらも、俺はバアルさんの可愛さを目に焼き付けていた。
どれだけ眺めていても可愛いしかない光景に、ときめきは尽きない。が、踊り狂っていた鼓動は落ち着いてきていた。そのタイミングをバアルさんは見計らっていたんだろう。
「では、アオイ。私も宜しいでしょうか?」
「ふぇ?」
尋ねながら屈めていた背を起こし、両の手のひらを差し出してきたんだ。俺がバアルさんに求めたのと同じように。
思わず彼を見つめれば、その目は期待に輝いていた。柔らかに微笑む表情からも、ワクワク感が滲み出ている。隠し切れていない。彼にしては珍しく。
……応えなければ。いや、応えさせてもらわなければ。
気合が入り過ぎたんだろう。俺は勢いよく顎を乗せてしまっていた。さながら、オヤツ欲しさに前のめりにお手を披露する犬のように。
しかし、そこはバアルさん。長い睫毛を少し瞬かせただけ。ビクともしなかった。俺だったら、ガクンと手のひらが下がるどころか、受け止め損ねたであろう勢いだったのに。
「ご、ごめんなさ」
「成る程」
「へ?」
「確かに心擽られるものがございますね。貴方様の愛らしさがより増して……いえ、如何なる時でも私のアオイは誠に愛らしいことこの上ないのですが……」
「ひょわ……」
こういう時は大抵饒舌な彼にしては途切れがち。けれども、噛み締めるような声で伝えてくれる一言一言は強烈で。
「なんと言葉にして表せばよいのやら……この胸の高鳴りに相応しい言葉が見つかりません……ですが、誠にお可愛らしい……可愛いですよ、アオイ」
「……あ、ありがとう、ごじゃいまふ」
折角戻りかけていた呂律が、また回らなくなってしまっていた。喜んでくれているバアルさんを堪能する余裕なんて、消え失せてしまったんだ。
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