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★【新婚旅行編】三日目:こっちは可愛くない
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乱れに乱れた自分の呼吸が、暴れまくっている心音が煩い。けれども、それら以上に主張しちゃっているのは、俺の後ろから鳴っている粘ついた音なのだけれども。
「ん、ふ……」
ベッドの上に膝立ちで彼と向き合っている俺は、先程のお願いに即頷いた瞬間、手早く剥かれてすっぽんぽん。片や彼は上半身すら晒してはいない。
けれどもズルいとは。なんせ、もやもやを感じる間もなく、思考を蕩けさせられてしまっているんだから。
「んっ、は、ぁ……バアル……」
絶え間なくもたらされている心地よさに、つい掴んでいる彼の肩に、シャツに爪を立ててしまう。くっつけている額をさらに擦り寄せてしまう。
うっかり上げている腰を落としてしまわぬよう堪えていると、大きな手が労るように背中を撫でてくれた。
「……お加減はいかがでしょうか?」
尋ねてくる声はことさらに優しくて、交わしてくれるキスもたっぷり甘やかしてくれているよう。なのに、指の動きは止まらない。根元までをしっかりと入れ込んでから、俺の体内をかき混ぜている。穴の縁までたっぷりと塗り込まれた潤滑油を、さらに塗り込んでいくように。
内側を解そうとしている指の動きは変わらず丁寧だけれどもどこか余裕がなさそうで、いつも以上にドキドキしてしまう。嬉しくて仕方がない。
「あっ、ふ……んっ、大丈夫……気持ちいよ……」
「では、増やしても?」
「ん……いいよ、お願い……」
「畏まりました」
前のめりに尋ねてきた彼に頷けば、ますます背中の羽が賑やかになった。風を切るようにはためかせながら、高い鼻先を擦り寄せてくる。その甘えた仕草にも、嬉しそうなご様子にも、可愛いがあふれているってのに。
「ひぁっ、あ、あんっ……あっ、うぁ……」
こっちは可愛くない。俺の中でひたすらに動き続けている巧みな指使いは。彼との練習の成果により、いとも簡単に受け入れることが出来ている二本目と三本目。それらが縦横無尽に、全く予想が出来ない動きで俺の中を蠢いている。
それも、ただ準備を進めるだけの動きではない。優しく内壁を撫で擦り、時には意地悪に前立腺を掠めてくる。
心地よさを与えるだけ与えても、燻っている熱を解放させてくれるつもりはないらしい。甘くイくことすら許してはくれないみたいだ。察知した途端に指の動きが止まってしまう。宥めるようなキスは送ってくれるけれど。
……珍しいな。いつもだったら、もう数え切れないくらいに気持ちよくさせられちゃってるのに。
もどかしくはあれど、イヤな気なんて。それどころか、おあずけされる度に期待感が増すばかりだった。知っているから。準備が終わった後にもらえるご褒美を、彼を受け入れることが出来る喜びを。
じっくりと慣らしてくれていた指が止まる。慎重に、ゆっくりと引き抜かれていく。出ていってしまった体温に寂しさを感じる間もなかった。待ちわびていた大本命があてがわれたんだ。
いつの間にやらズボンの前を寛げて、晒していた彼の逞しいもの。その大きな先端が尻穴の縁に触れただけで下腹部が疼いてしまう。ますます呼吸が荒く、心音が早くなってしまう。
俺だけを見てくれている熱を帯びた眼差し。薄い涙の膜に覆われ、透き通った水面のように煌めいている緑の瞳が、宝石よりも美しい。
「アオイ……」
「うん……お願い、バアル……きて……」
大きな手のひらが俺の尻を鷲掴んだ。そのまま支えてもらいながら、彼のものを受け入れていく。一番幅が広いであろう大きく張り出した先端を難なく咥え込めたところで、彼が艶のある吐息を漏らした。
「は、ぁ……このまま、腰を上げていられますか?」
「ん……大丈夫……頑張るね……」
「……ありがとうございます……ゆっくりと呼吸をなさっていて下さいね……少しだけの辛抱でございますから」
「ふふ、大丈夫だよ……ありがとう、いつも心配してくれて」
何だか今日は珍しく余裕があるような。いや、普段の俺が無さ過ぎるのか。挿れてもらえるのは、たっぷり可愛がってもらえた後だもんな。だったら俺も少しは。
「んひっ……あ、うぁ……」
手伝えるんじゃないかって、腰を下ろそうとした時だった。体感的に後残り三分の一ほどの長さを、ひと息に押し込まれたのは。
指では届かないところを一気に擦り上げられたのだ。堪らなかった。頭の芯が甘く痺れるような余韻に浸りながら、全身を小刻みに震わせてしまっている俺に残された余裕なんて。
「……甘く達してしまわれたのですね……誠に私の妻はお可愛らしい……」
うっとりと細められた瞳は、囁く声は喜びがあふれてしまいそう。さっきはちょっぴり強引だったのに、いつもみたいに落ち着くまでは待ってくれるんだろうか。動かずに腰を撫でてくれて、触れるだけのキスを送ってくれている。
「は、ふ……ね……ちゃんと、全部……入った?」
「ん、ふ……」
ベッドの上に膝立ちで彼と向き合っている俺は、先程のお願いに即頷いた瞬間、手早く剥かれてすっぽんぽん。片や彼は上半身すら晒してはいない。
けれどもズルいとは。なんせ、もやもやを感じる間もなく、思考を蕩けさせられてしまっているんだから。
「んっ、は、ぁ……バアル……」
絶え間なくもたらされている心地よさに、つい掴んでいる彼の肩に、シャツに爪を立ててしまう。くっつけている額をさらに擦り寄せてしまう。
うっかり上げている腰を落としてしまわぬよう堪えていると、大きな手が労るように背中を撫でてくれた。
「……お加減はいかがでしょうか?」
尋ねてくる声はことさらに優しくて、交わしてくれるキスもたっぷり甘やかしてくれているよう。なのに、指の動きは止まらない。根元までをしっかりと入れ込んでから、俺の体内をかき混ぜている。穴の縁までたっぷりと塗り込まれた潤滑油を、さらに塗り込んでいくように。
内側を解そうとしている指の動きは変わらず丁寧だけれどもどこか余裕がなさそうで、いつも以上にドキドキしてしまう。嬉しくて仕方がない。
「あっ、ふ……んっ、大丈夫……気持ちいよ……」
「では、増やしても?」
「ん……いいよ、お願い……」
「畏まりました」
前のめりに尋ねてきた彼に頷けば、ますます背中の羽が賑やかになった。風を切るようにはためかせながら、高い鼻先を擦り寄せてくる。その甘えた仕草にも、嬉しそうなご様子にも、可愛いがあふれているってのに。
「ひぁっ、あ、あんっ……あっ、うぁ……」
こっちは可愛くない。俺の中でひたすらに動き続けている巧みな指使いは。彼との練習の成果により、いとも簡単に受け入れることが出来ている二本目と三本目。それらが縦横無尽に、全く予想が出来ない動きで俺の中を蠢いている。
それも、ただ準備を進めるだけの動きではない。優しく内壁を撫で擦り、時には意地悪に前立腺を掠めてくる。
心地よさを与えるだけ与えても、燻っている熱を解放させてくれるつもりはないらしい。甘くイくことすら許してはくれないみたいだ。察知した途端に指の動きが止まってしまう。宥めるようなキスは送ってくれるけれど。
……珍しいな。いつもだったら、もう数え切れないくらいに気持ちよくさせられちゃってるのに。
もどかしくはあれど、イヤな気なんて。それどころか、おあずけされる度に期待感が増すばかりだった。知っているから。準備が終わった後にもらえるご褒美を、彼を受け入れることが出来る喜びを。
じっくりと慣らしてくれていた指が止まる。慎重に、ゆっくりと引き抜かれていく。出ていってしまった体温に寂しさを感じる間もなかった。待ちわびていた大本命があてがわれたんだ。
いつの間にやらズボンの前を寛げて、晒していた彼の逞しいもの。その大きな先端が尻穴の縁に触れただけで下腹部が疼いてしまう。ますます呼吸が荒く、心音が早くなってしまう。
俺だけを見てくれている熱を帯びた眼差し。薄い涙の膜に覆われ、透き通った水面のように煌めいている緑の瞳が、宝石よりも美しい。
「アオイ……」
「うん……お願い、バアル……きて……」
大きな手のひらが俺の尻を鷲掴んだ。そのまま支えてもらいながら、彼のものを受け入れていく。一番幅が広いであろう大きく張り出した先端を難なく咥え込めたところで、彼が艶のある吐息を漏らした。
「は、ぁ……このまま、腰を上げていられますか?」
「ん……大丈夫……頑張るね……」
「……ありがとうございます……ゆっくりと呼吸をなさっていて下さいね……少しだけの辛抱でございますから」
「ふふ、大丈夫だよ……ありがとう、いつも心配してくれて」
何だか今日は珍しく余裕があるような。いや、普段の俺が無さ過ぎるのか。挿れてもらえるのは、たっぷり可愛がってもらえた後だもんな。だったら俺も少しは。
「んひっ……あ、うぁ……」
手伝えるんじゃないかって、腰を下ろそうとした時だった。体感的に後残り三分の一ほどの長さを、ひと息に押し込まれたのは。
指では届かないところを一気に擦り上げられたのだ。堪らなかった。頭の芯が甘く痺れるような余韻に浸りながら、全身を小刻みに震わせてしまっている俺に残された余裕なんて。
「……甘く達してしまわれたのですね……誠に私の妻はお可愛らしい……」
うっとりと細められた瞳は、囁く声は喜びがあふれてしまいそう。さっきはちょっぴり強引だったのに、いつもみたいに落ち着くまでは待ってくれるんだろうか。動かずに腰を撫でてくれて、触れるだけのキスを送ってくれている。
「は、ふ……ね……ちゃんと、全部……入った?」
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