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【新婚旅行編】二日目:こんな楽しみ方も、旅行ならでは
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時計のない部屋では、時間の感覚が曖昧になってしまう。
今が何時なのかとか、どのくらい過ごしてしまったのかとか、何もかもが分からない。え、もうこんな時間? ということにはならないもんだから、ついつい気にせずに流れのままに身を委ねてしまうのだ。
まぁ、他にも原因というか、拍車をかけているものがあるけれども。
見上げた先にあるのは、愛しい彼。瞳を細め、目尻のシワを深め、日だまりのように優しい微笑みを向けてくれている。手を繋いでくれながら、頭や頬を撫でてくれている。
頭を支えてくれているのは、逞しい彼のお膝。程よい弾力と柔らかな肉感を備えた抜群の太ももが、俺の枕を買って出てくれている。
目の前に広がっている光景は言わずもがな、もたらされている環境も癒やししかない。だからこそ、止め時が分からない訳で。
「……なんか……スゴい自堕落なこと、しちゃってません?」
朝ご飯兼お昼ご飯をルームサービスで済ませた俺達は、相も変わらずベッドの上の住人を謳歌してしまっていた。
新婚旅行二日目にして、早くものんべんだらりと過ごしてしまっている。快適なホテルどころか、まだ寝室からも一歩も出てはいない。
その分、時間を気にせずにバアルさんとイチャイチャ出来ているから……あ、愛してもらっているから、大満喫してはいるんだけどさ。
「……お暇ですか? 何処か、お出掛けになられたいのでしょうか?」
「いえ、目茶苦茶楽しんでますっ! むしろ、もっとこのままバアルさんと一緒に過ごしたいっていうか……いや、勿論、昨日のビーチもすっごく楽しかったんですけど」
「でしたら、宜しいのでは?」
「え」
不思議そうな顔をしてバアルさんは平然と返したが、その答えが俺にとっては不思議だった。
確かにバアルさんは優しい人だ。常に俺を第一に考えてくれる。最近は俺に甘えてくれるようには、御自身のやりたいことも言ってくれるようには、なってくれたけれども。
昨日のビーチだって、遊ぶ内容に昼食、その後の過ごし方までキッチリ考えてくれていたくらいだ。俺は、バアルさんと海で遊ぶってことしか考えていなかったのさ。
だから、てっきり、今日の過ごし方も事前に予定を組んでいたもんだと。大雑把に行く場所だけを一緒に決めたものを、細やかなプランにしてくれてしまっているものかと。
心配りだけでなく、察しの良さにも長けている彼にとっては、俺の心配を読み取ることもお茶の子さいさいなよう。絡めた指を甘えるように擦り寄せてくれながら、微笑みかけてくれたんだ。
「ご心配なさらず。元々今日は、貴方様と心ゆくまで……愛を育むつもりでおりました故」
「ひょわ……そ、そうだったんですね……」
「ええ。それから、このような楽しみ方も旅行ならでは……でしょう? 日常では、中々貴方様を独り占めには出来ないのですから」
それも、そうか。割と自由にさせてもらっているとはいえ、ここまでバアルさんとべったり過ごせてるのも久しぶりかも。神様が残してくれた木のことで、ヨミ様達からお呼びがかかることもあったし。
「ふふ……じゃあ、俺も……もっとバアルのこと独り占めにしちゃおっかなぁ……」
膝枕は名残惜しいけれども起き上がり、代わりにお膝の上にお邪魔させてもらう。向き合う形でいきなり跨っても、バアルさんはイヤな顔一つしない。目尻を下げて微笑んで、俺の背を支えるように腕を回してくれる。
「おや……では、どのようにこの老骨めを独り占めにして頂けるので?」
囁く声のトーンは低く、艶っぽい。けれども、楽しそうに細められた眼差しは、無邪気な子供そのもの。満天の星空を閉じ込めたようにキラキラしておて、期待に満ちあふれていた。
今が何時なのかとか、どのくらい過ごしてしまったのかとか、何もかもが分からない。え、もうこんな時間? ということにはならないもんだから、ついつい気にせずに流れのままに身を委ねてしまうのだ。
まぁ、他にも原因というか、拍車をかけているものがあるけれども。
見上げた先にあるのは、愛しい彼。瞳を細め、目尻のシワを深め、日だまりのように優しい微笑みを向けてくれている。手を繋いでくれながら、頭や頬を撫でてくれている。
頭を支えてくれているのは、逞しい彼のお膝。程よい弾力と柔らかな肉感を備えた抜群の太ももが、俺の枕を買って出てくれている。
目の前に広がっている光景は言わずもがな、もたらされている環境も癒やししかない。だからこそ、止め時が分からない訳で。
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朝ご飯兼お昼ご飯をルームサービスで済ませた俺達は、相も変わらずベッドの上の住人を謳歌してしまっていた。
新婚旅行二日目にして、早くものんべんだらりと過ごしてしまっている。快適なホテルどころか、まだ寝室からも一歩も出てはいない。
その分、時間を気にせずにバアルさんとイチャイチャ出来ているから……あ、愛してもらっているから、大満喫してはいるんだけどさ。
「……お暇ですか? 何処か、お出掛けになられたいのでしょうか?」
「いえ、目茶苦茶楽しんでますっ! むしろ、もっとこのままバアルさんと一緒に過ごしたいっていうか……いや、勿論、昨日のビーチもすっごく楽しかったんですけど」
「でしたら、宜しいのでは?」
「え」
不思議そうな顔をしてバアルさんは平然と返したが、その答えが俺にとっては不思議だった。
確かにバアルさんは優しい人だ。常に俺を第一に考えてくれる。最近は俺に甘えてくれるようには、御自身のやりたいことも言ってくれるようには、なってくれたけれども。
昨日のビーチだって、遊ぶ内容に昼食、その後の過ごし方までキッチリ考えてくれていたくらいだ。俺は、バアルさんと海で遊ぶってことしか考えていなかったのさ。
だから、てっきり、今日の過ごし方も事前に予定を組んでいたもんだと。大雑把に行く場所だけを一緒に決めたものを、細やかなプランにしてくれてしまっているものかと。
心配りだけでなく、察しの良さにも長けている彼にとっては、俺の心配を読み取ることもお茶の子さいさいなよう。絡めた指を甘えるように擦り寄せてくれながら、微笑みかけてくれたんだ。
「ご心配なさらず。元々今日は、貴方様と心ゆくまで……愛を育むつもりでおりました故」
「ひょわ……そ、そうだったんですね……」
「ええ。それから、このような楽しみ方も旅行ならでは……でしょう? 日常では、中々貴方様を独り占めには出来ないのですから」
それも、そうか。割と自由にさせてもらっているとはいえ、ここまでバアルさんとべったり過ごせてるのも久しぶりかも。神様が残してくれた木のことで、ヨミ様達からお呼びがかかることもあったし。
「ふふ……じゃあ、俺も……もっとバアルのこと独り占めにしちゃおっかなぁ……」
膝枕は名残惜しいけれども起き上がり、代わりにお膝の上にお邪魔させてもらう。向き合う形でいきなり跨っても、バアルさんはイヤな顔一つしない。目尻を下げて微笑んで、俺の背を支えるように腕を回してくれる。
「おや……では、どのようにこの老骨めを独り占めにして頂けるので?」
囁く声のトーンは低く、艶っぽい。けれども、楽しそうに細められた眼差しは、無邪気な子供そのもの。満天の星空を閉じ込めたようにキラキラしておて、期待に満ちあふれていた。
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