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★【新婚旅行編】一日目:余裕は儚く崩れてしまって
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「ん、ぁ……ごめんね……」
形の良い頭を撫で、艷やかな髪を梳いていく。
つい夢中になってしまう。彼を甘やかしたいのに、俺の方が楽しんでしまいそう。なんせ、気持ちがいいのだ。白い髪に指を軽く通すだけ。それだけで、なんの抵抗もなく指と指との間を艶かな髪が通り抜けていくんだからな。
とはいえ、喜んでもらえてはいるみたい。顔は見えないけれども、はためく羽が教えてくれている。大きく広がっているからか、その動きは控えめだけれども。
「よし、よし……いい子だね……」
すっかり俺は調子にのってしまっていた。甘えてくれている彼を前にして、自分がリードしている気分になっていた。
忘れてしまっていたのだ。バアルさんが一枚も二枚も上手なことを。その気になれば、すぐにでも形勢をひっくり返されてしまうことを。
案の定、俺の余裕は儚く崩れていった。たった一回、柔らかな唇に触れてもらえただけで。
「ひゃうっ」
胸元に走った淡い感覚に、下腹部がジンと疼いてしまう。気持ちよさはあれど、未体験な刺激に思わず彼の髪を握り締めてしまっていた。
「ご、ごめんっ……大丈夫?」
「大丈夫ですよ……私の方こそ、驚かせてしまい申し訳ございません……」
「良かった……えっと……それで、何を?」
俺が尋ねると、彼は再び胸元へと顔を寄せてきた。どうやら今から実演で教えてくれるみたい。
キスしてくれていたんだろうか。形の良い唇が近づいてくる。でも、肌にじゃなかった。彼が触れようとしているのは、すでに硬くなってしまっている俺の乳首で。
「ふぁっ……」
柔らかな温もりが、乳頭を掠めただけ。なのに俺はベッドを軋ませるほどに身を捩ってしまっていた。顔を背け、目を固く閉じてしまっていた。
「……お嫌でしたか?」
寂しそうな声の方へと慌てて向けば、切なそうに細められた眼差しが俺を見上げていた。緩やかなアーチを描いていた眉が、しょんぼりと下がってしまっている。
やらかしてしまった。最近は、こっち方面で彼に寂しい思いをさせてなかったってのに。なんてざまだ。ちょっぴり予想外で、初めてなことをされただけなのにさ。
「ちがっ、びっくりしただけだから! バアルにしてもらえて、イヤなことなんか」
「では、続きをさせて頂いても?」
いや、やらかしてなかったのかもしれない。ハメられただけなのかもしれない。
上体を起こし、前のめりな姿勢で遮ってきた彼の緑の瞳には、さっきまでの寂しそうな影なんて。それどころか、期待に満ちている。瑞々しい若葉に負けないくらいに色鮮やかに煌めいていて。
「う……いいよ……バアルの、好きにして……」
柔らかな唇へ俺から口を押しつけてみれば、真っ直ぐだったラインが笑みを形作っていく。せめてもと、のしかかるように抱きついてきた彼の頭を、思いっきり撫で回してやった。
形の良い頭を撫で、艷やかな髪を梳いていく。
つい夢中になってしまう。彼を甘やかしたいのに、俺の方が楽しんでしまいそう。なんせ、気持ちがいいのだ。白い髪に指を軽く通すだけ。それだけで、なんの抵抗もなく指と指との間を艶かな髪が通り抜けていくんだからな。
とはいえ、喜んでもらえてはいるみたい。顔は見えないけれども、はためく羽が教えてくれている。大きく広がっているからか、その動きは控えめだけれども。
「よし、よし……いい子だね……」
すっかり俺は調子にのってしまっていた。甘えてくれている彼を前にして、自分がリードしている気分になっていた。
忘れてしまっていたのだ。バアルさんが一枚も二枚も上手なことを。その気になれば、すぐにでも形勢をひっくり返されてしまうことを。
案の定、俺の余裕は儚く崩れていった。たった一回、柔らかな唇に触れてもらえただけで。
「ひゃうっ」
胸元に走った淡い感覚に、下腹部がジンと疼いてしまう。気持ちよさはあれど、未体験な刺激に思わず彼の髪を握り締めてしまっていた。
「ご、ごめんっ……大丈夫?」
「大丈夫ですよ……私の方こそ、驚かせてしまい申し訳ございません……」
「良かった……えっと……それで、何を?」
俺が尋ねると、彼は再び胸元へと顔を寄せてきた。どうやら今から実演で教えてくれるみたい。
キスしてくれていたんだろうか。形の良い唇が近づいてくる。でも、肌にじゃなかった。彼が触れようとしているのは、すでに硬くなってしまっている俺の乳首で。
「ふぁっ……」
柔らかな温もりが、乳頭を掠めただけ。なのに俺はベッドを軋ませるほどに身を捩ってしまっていた。顔を背け、目を固く閉じてしまっていた。
「……お嫌でしたか?」
寂しそうな声の方へと慌てて向けば、切なそうに細められた眼差しが俺を見上げていた。緩やかなアーチを描いていた眉が、しょんぼりと下がってしまっている。
やらかしてしまった。最近は、こっち方面で彼に寂しい思いをさせてなかったってのに。なんてざまだ。ちょっぴり予想外で、初めてなことをされただけなのにさ。
「ちがっ、びっくりしただけだから! バアルにしてもらえて、イヤなことなんか」
「では、続きをさせて頂いても?」
いや、やらかしてなかったのかもしれない。ハメられただけなのかもしれない。
上体を起こし、前のめりな姿勢で遮ってきた彼の緑の瞳には、さっきまでの寂しそうな影なんて。それどころか、期待に満ちている。瑞々しい若葉に負けないくらいに色鮮やかに煌めいていて。
「う……いいよ……バアルの、好きにして……」
柔らかな唇へ俺から口を押しつけてみれば、真っ直ぐだったラインが笑みを形作っていく。せめてもと、のしかかるように抱きついてきた彼の頭を、思いっきり撫で回してやった。
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