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【新婚旅行編】一日目:バアルさんと一緒に初ハンモック
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バアルさんとお昼寝、しかもハンモックだなんて。
「します! ぜひっ、よろしくお願いします!」
俺は、前のめりな返事をするどころか、バアルさんに飛びついてしまっていた。容易く抱き止めてくれた彼の背で、半透明の羽がぱたぱたとはためいている。
「ふふ、喜んで頂けて何よりです。此方こそ宜しくお願い致します」
胸元に手を当て会釈をしてから、バアルさんは俺の腰に腕を回した。きめ細やかで、ふんわりとした砂の感触を踏みしめながら、彼にエスコートしてもらってハンモックへと歩みを進めていく。
「俺、ハンモック、初めてなんですよね」
「それは、それは……大変光栄です。貴方様の新しい体験に立ち会えることが出来て」
「お、俺も嬉しいです……バアルさんと一緒で」
何だか照れくさくて、つい視線を下げてしまっていると浮遊感に襲われた。同時に鼻先をハーブの匂いが擽ってくる。
「わっ、バアルさ」
「失礼致しました……大丈夫ですよ、ゆっくり下ろしますからね」
もうハンモックの前に着いていたみたい。軽々と俺を抱き上げてくれている長い腕が、広くて大きな布地の上に下ろしてくれる。
「……おお」
これがハンモック……しっかりと支えてくれてはいるんだけれども、ちゃんと浮いている感じもするというか。
「何だか、不思議な感じですね」
「左様でございますね」
「ひょわっ」
すぐ側で声が聞こえたかと思えば、音もなく彼もハンモックへと乗り込んでいた。俺の隣でスラリと長い足を伸ばして寛いでいた。
「す、すみません……大きな声、上げちゃって」
「いえ。それよりも、寝心地はいかがでしょうか?」
「そう、ですね……」
体育座りのままだった身体を、そっと横たえてみる。
普段、彼と共にしているベッドが広過ぎるからか、布地が俺達を包むようにUの字になっているからか、秘密基地にいるような感覚を覚えた。
二人で横になっても十分に安らげる布地はサラサラとしていて、肌触りが良くて。
「いい……ですね……目を閉じたら、すぐに眠れちゃいそ……ふぁ……」
言っている途中であくびが出てしまっていた。満腹感も相まって、早くも睡魔がそこまで迫ってきている。抗い難い誘いに乗って、目を閉じようとした時だった。
「では、アオイ……どうぞ此方へ」
大きな手が、ぽん、ぽんっと叩きながら招いてきたのは、服越しでも逞しさが分かるほどに盛り上がった胸板。それだけでも十分に魅力的なのに、柔らかく微笑みかけられてしまえば一発だった。
「ふふ、いい子ですね……」
吸い寄せられるように俺は、バアルさんの胸元に収まっていた。広い背中に腕を回して、肉感のある胸板に頬を寄せていたんだ。
温かい彼の腕が、俺を優しく包みこんでくれる。頭の上から耳心地のいい低音が、俺に囁いてくれる。
「お休みなさい、愛しい私のアオイ……良い夢を……」
ちゃんと俺は、お休みなさい、と返せただろうか。そんな不安ごと、俺の意識はすぐさま落ちていってしまった。深くて心地の良い眠りへと。
「します! ぜひっ、よろしくお願いします!」
俺は、前のめりな返事をするどころか、バアルさんに飛びついてしまっていた。容易く抱き止めてくれた彼の背で、半透明の羽がぱたぱたとはためいている。
「ふふ、喜んで頂けて何よりです。此方こそ宜しくお願い致します」
胸元に手を当て会釈をしてから、バアルさんは俺の腰に腕を回した。きめ細やかで、ふんわりとした砂の感触を踏みしめながら、彼にエスコートしてもらってハンモックへと歩みを進めていく。
「俺、ハンモック、初めてなんですよね」
「それは、それは……大変光栄です。貴方様の新しい体験に立ち会えることが出来て」
「お、俺も嬉しいです……バアルさんと一緒で」
何だか照れくさくて、つい視線を下げてしまっていると浮遊感に襲われた。同時に鼻先をハーブの匂いが擽ってくる。
「わっ、バアルさ」
「失礼致しました……大丈夫ですよ、ゆっくり下ろしますからね」
もうハンモックの前に着いていたみたい。軽々と俺を抱き上げてくれている長い腕が、広くて大きな布地の上に下ろしてくれる。
「……おお」
これがハンモック……しっかりと支えてくれてはいるんだけれども、ちゃんと浮いている感じもするというか。
「何だか、不思議な感じですね」
「左様でございますね」
「ひょわっ」
すぐ側で声が聞こえたかと思えば、音もなく彼もハンモックへと乗り込んでいた。俺の隣でスラリと長い足を伸ばして寛いでいた。
「す、すみません……大きな声、上げちゃって」
「いえ。それよりも、寝心地はいかがでしょうか?」
「そう、ですね……」
体育座りのままだった身体を、そっと横たえてみる。
普段、彼と共にしているベッドが広過ぎるからか、布地が俺達を包むようにUの字になっているからか、秘密基地にいるような感覚を覚えた。
二人で横になっても十分に安らげる布地はサラサラとしていて、肌触りが良くて。
「いい……ですね……目を閉じたら、すぐに眠れちゃいそ……ふぁ……」
言っている途中であくびが出てしまっていた。満腹感も相まって、早くも睡魔がそこまで迫ってきている。抗い難い誘いに乗って、目を閉じようとした時だった。
「では、アオイ……どうぞ此方へ」
大きな手が、ぽん、ぽんっと叩きながら招いてきたのは、服越しでも逞しさが分かるほどに盛り上がった胸板。それだけでも十分に魅力的なのに、柔らかく微笑みかけられてしまえば一発だった。
「ふふ、いい子ですね……」
吸い寄せられるように俺は、バアルさんの胸元に収まっていた。広い背中に腕を回して、肉感のある胸板に頬を寄せていたんだ。
温かい彼の腕が、俺を優しく包みこんでくれる。頭の上から耳心地のいい低音が、俺に囁いてくれる。
「お休みなさい、愛しい私のアオイ……良い夢を……」
ちゃんと俺は、お休みなさい、と返せただろうか。そんな不安ごと、俺の意識はすぐさま落ちていってしまった。深くて心地の良い眠りへと。
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