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【新婚旅行編】一日目:美味しそうな食べ物が焼ける音は素晴らしい
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もともとバアルさんは、俺と一緒にと考えてくれていたらしい。普段使っている包丁にまな板、お気に入りの緑のエプロンに三角巾と準備万端だったんだからな。
火を使うからかな? エプロンを付ける前にバアルさんが「素肌のままではいけませんので、此方を」と頬を染めながら取り出してくれた白のパーカー。ヨミ様に用意してもらった、リボンの飾りがついたそれを羽織ってから、エプロンと三角巾を付けて準備完了。
バアルさんもいつの間にやら、上だけはカジュアルコーディネートの装いに。白のVネックのインナーの上に、ネイビーのシャツを羽織っていた。高い位置にある腰には、いつもの丈の長い黒のエプロンが巻かれている。
「では、始めましょうか。アオイは此方を宜しくお願い致します」
「はいっ、任せて下さい!」
新たに出してくれた作業台の前で、彼と肩を並べながら具材を切っていく。バーベキューの主役であるお肉。それから名脇役な野菜達、ピーマン、パプリカ、玉ねぎ。どれも食べやすいようなサイズに切ってから、肉と野菜を交互に専用の串へと刺していった。
ついつい欲張って、一本にお肉を五つも刺してしまったボリューム満点なそれらに最後の仕上げを。料理長のスヴェンさんが調合してくれたという、秘伝のスパイスをたっぷり満遍なくかけてしまえば、後はもう。
「もう、美味しそうですね……」
「ええ、見た目にも華やかで、食欲をそそられますね。早速、焼いていきましょうか」
「はいっ」
バアルさんの術によって、いい感じの火加減を保たれているバーベキューコンロ。周囲に熱気を放っているそれの金網へと串を並べていく。
しばらくもしない内に、海風へと混じっていく香ばしい匂い。カレーとも似たようなスパイスの香り。そして、少し厚めにカットされた肉から滴り、弾ける油の音。
「……肉が焼ける音って、何でこんなにテンション上がるんでしょうね?」
「確かに、不思議でございますね……本能的なもの、なのでしょうか?」
「あー……確か、三大欲求に含まれてますもんね、食欲って」
「……因みにですが……お肉以外では、どうなのでしょうね?」
透き通った羽をはためかせながらバアルさんが、俺の前に手のひらを差し出してくる。
何もなかったそこへと瞬きの間に現れたのは、大きなお皿を埋め尽くさんばかりに盛られたシーフード。大きなホタテにエビ。それから丁寧に下処理がされ、一口サイズで串に刺さったタコとイカ。艶々なそれらは、素人目で見ても新鮮そう。
いつの間に。いやいや、こんなの絶対に美味しいに決まって。
「此方で試してみませんか?」
「はいっ」
俺が前のめりに頷いてからすぐに、別のコンロにて行われた実験結果は。
「バッチリ、テンション上がりましたね」
「ええ、ホタテに少し垂らした醤油の香りが、大変魅力的でございますね」
肉だろうが、海鮮だろうが、美味しそうな食べ物が焼ける音は素晴らしい。そんな当たり前な、分かりきっていた結果となった。
火を使うからかな? エプロンを付ける前にバアルさんが「素肌のままではいけませんので、此方を」と頬を染めながら取り出してくれた白のパーカー。ヨミ様に用意してもらった、リボンの飾りがついたそれを羽織ってから、エプロンと三角巾を付けて準備完了。
バアルさんもいつの間にやら、上だけはカジュアルコーディネートの装いに。白のVネックのインナーの上に、ネイビーのシャツを羽織っていた。高い位置にある腰には、いつもの丈の長い黒のエプロンが巻かれている。
「では、始めましょうか。アオイは此方を宜しくお願い致します」
「はいっ、任せて下さい!」
新たに出してくれた作業台の前で、彼と肩を並べながら具材を切っていく。バーベキューの主役であるお肉。それから名脇役な野菜達、ピーマン、パプリカ、玉ねぎ。どれも食べやすいようなサイズに切ってから、肉と野菜を交互に専用の串へと刺していった。
ついつい欲張って、一本にお肉を五つも刺してしまったボリューム満点なそれらに最後の仕上げを。料理長のスヴェンさんが調合してくれたという、秘伝のスパイスをたっぷり満遍なくかけてしまえば、後はもう。
「もう、美味しそうですね……」
「ええ、見た目にも華やかで、食欲をそそられますね。早速、焼いていきましょうか」
「はいっ」
バアルさんの術によって、いい感じの火加減を保たれているバーベキューコンロ。周囲に熱気を放っているそれの金網へと串を並べていく。
しばらくもしない内に、海風へと混じっていく香ばしい匂い。カレーとも似たようなスパイスの香り。そして、少し厚めにカットされた肉から滴り、弾ける油の音。
「……肉が焼ける音って、何でこんなにテンション上がるんでしょうね?」
「確かに、不思議でございますね……本能的なもの、なのでしょうか?」
「あー……確か、三大欲求に含まれてますもんね、食欲って」
「……因みにですが……お肉以外では、どうなのでしょうね?」
透き通った羽をはためかせながらバアルさんが、俺の前に手のひらを差し出してくる。
何もなかったそこへと瞬きの間に現れたのは、大きなお皿を埋め尽くさんばかりに盛られたシーフード。大きなホタテにエビ。それから丁寧に下処理がされ、一口サイズで串に刺さったタコとイカ。艶々なそれらは、素人目で見ても新鮮そう。
いつの間に。いやいや、こんなの絶対に美味しいに決まって。
「此方で試してみませんか?」
「はいっ」
俺が前のめりに頷いてからすぐに、別のコンロにて行われた実験結果は。
「バッチリ、テンション上がりましたね」
「ええ、ホタテに少し垂らした醤油の香りが、大変魅力的でございますね」
肉だろうが、海鮮だろうが、美味しそうな食べ物が焼ける音は素晴らしい。そんな当たり前な、分かりきっていた結果となった。
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