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★【番外編】ひたすらに甘やかして8
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「……宜しいでしょうか?」
もう、聞かなくても分かっていると思うんだけど。
そう胸の内に浮かんだものの、嬉しくて口元がふにゃふにゃになってしまいそう。
……やっぱり好きなんだよな。どこまでいっても紳士な彼のことが。そこそこレアな、男の顔したワイルドな彼も好きだけど。バアルさんの全部を愛していますけども。
「ふふ、私も貴方様の全てを愛しておりますよ。芯が強くてカッコいいアオイも、照れやすい可愛いアオイも、甘えてくれる愛らしいアオイも……」
「ひょわ……あ、ありがとうございます……って、俺……」
嬉しいことばかりを囁いてくれていた唇が、柔らかい弧を描いていた微笑みが、どこか悪戯っぽい笑みへと変わっていく。
「うっかりなところも可愛らしくて素敵ですよ……」
「ひぇ……」
そんなの答えみたいなもんじゃないか。言っちゃってたんだって。どこからかは分からないけれども、全部口に出しちゃってたんだって。
クスクスと笑みをこぼしながら、キスを送ってくれている彼は楽しくて仕方がないといったご様子。カッコいい目尻のシワは深くなり、触覚と羽もぶんぶんぱたぱた。それは何よりなんだけどさ。
「ところで、肝心なお返事の方がまだなのですが?」
「え? その部分は俺、言っちゃってなかったんですか? もう聞かなくても分かってるって……あっ」
「もっと……はっきりとしたお言葉で、仰って頂けませんか?」
これまた言っちゃっているみたいなもんだと思うんだけど。バアルさんにとっては足りないみたい。
「アオイ……」
甘えるように鼻先を擦り寄せてくれて、寂しそうな声で囁かれてしまえば、邪魔をしていた気恥ずかしさなんて。
「……続き、したい……です……バアルさんに抱いて欲しい……」
ちゃんと俺が応えられてからは早かった。
ご褒美に優しく口づけてくれた彼の手には、潤滑油の入った青い小瓶が握られていて。すっぽんぽんのままだった俺の下半身に、お尻の穴に人肌に温められた小瓶の中身が、トロリとした液体が丁寧に塗られていったんだ。
「……少しずつ慣らしていきますね……先ずは一本目を挿入致しますので、ゆっくりと呼吸をしていて下さい……」
「はい……」
時間をかけて、穴の縁の周りを揉むように撫でてもらっていた。だから俺は、もう準備万端っていうか、ずっと先を期待してしまっているのだけれど。
任せないと。ずっとバアルさんから教えてもらった通りにして、上手く出来てるんだから。もう少しの辛抱なんだからさ。
「いい子ですね……」
足を持ち上げたまま深い呼吸を繰り返していると、頭を撫でてもらえた。
胸を高鳴らせている間に、細く長い指先が俺の中へと入ってくる。圧迫感は特にない。久しぶりとはいえ、彼の逞しいものをほとんど受け入れられるくらいには、慣らしてもらったからだろうか。
まだ、一本目だからってだけかもしれないけれど。
「大丈夫そう、ですね……」
「ん……は、はい、大丈夫……痛くも、苦しくもないです……」
感じているのは気持ちよさだけ。根元まで挿れてもらう際に掠めた前立腺からの淡い感覚と、期待や嬉しさによるものだけだ。
「では、続けますね……」
慣らす為に少し時間を置いてから二本目、同じように三本目を挿れてもらったけれども変わりはなく。
ただただ俺は、優しく内壁を撫でられる感覚に腰を震わせるだけ。内側を少しずつ広げられていく度に、声にならない声を漏らしながら甘くイってしまうだけだった。
もう、聞かなくても分かっていると思うんだけど。
そう胸の内に浮かんだものの、嬉しくて口元がふにゃふにゃになってしまいそう。
……やっぱり好きなんだよな。どこまでいっても紳士な彼のことが。そこそこレアな、男の顔したワイルドな彼も好きだけど。バアルさんの全部を愛していますけども。
「ふふ、私も貴方様の全てを愛しておりますよ。芯が強くてカッコいいアオイも、照れやすい可愛いアオイも、甘えてくれる愛らしいアオイも……」
「ひょわ……あ、ありがとうございます……って、俺……」
嬉しいことばかりを囁いてくれていた唇が、柔らかい弧を描いていた微笑みが、どこか悪戯っぽい笑みへと変わっていく。
「うっかりなところも可愛らしくて素敵ですよ……」
「ひぇ……」
そんなの答えみたいなもんじゃないか。言っちゃってたんだって。どこからかは分からないけれども、全部口に出しちゃってたんだって。
クスクスと笑みをこぼしながら、キスを送ってくれている彼は楽しくて仕方がないといったご様子。カッコいい目尻のシワは深くなり、触覚と羽もぶんぶんぱたぱた。それは何よりなんだけどさ。
「ところで、肝心なお返事の方がまだなのですが?」
「え? その部分は俺、言っちゃってなかったんですか? もう聞かなくても分かってるって……あっ」
「もっと……はっきりとしたお言葉で、仰って頂けませんか?」
これまた言っちゃっているみたいなもんだと思うんだけど。バアルさんにとっては足りないみたい。
「アオイ……」
甘えるように鼻先を擦り寄せてくれて、寂しそうな声で囁かれてしまえば、邪魔をしていた気恥ずかしさなんて。
「……続き、したい……です……バアルさんに抱いて欲しい……」
ちゃんと俺が応えられてからは早かった。
ご褒美に優しく口づけてくれた彼の手には、潤滑油の入った青い小瓶が握られていて。すっぽんぽんのままだった俺の下半身に、お尻の穴に人肌に温められた小瓶の中身が、トロリとした液体が丁寧に塗られていったんだ。
「……少しずつ慣らしていきますね……先ずは一本目を挿入致しますので、ゆっくりと呼吸をしていて下さい……」
「はい……」
時間をかけて、穴の縁の周りを揉むように撫でてもらっていた。だから俺は、もう準備万端っていうか、ずっと先を期待してしまっているのだけれど。
任せないと。ずっとバアルさんから教えてもらった通りにして、上手く出来てるんだから。もう少しの辛抱なんだからさ。
「いい子ですね……」
足を持ち上げたまま深い呼吸を繰り返していると、頭を撫でてもらえた。
胸を高鳴らせている間に、細く長い指先が俺の中へと入ってくる。圧迫感は特にない。久しぶりとはいえ、彼の逞しいものをほとんど受け入れられるくらいには、慣らしてもらったからだろうか。
まだ、一本目だからってだけかもしれないけれど。
「大丈夫そう、ですね……」
「ん……は、はい、大丈夫……痛くも、苦しくもないです……」
感じているのは気持ちよさだけ。根元まで挿れてもらう際に掠めた前立腺からの淡い感覚と、期待や嬉しさによるものだけだ。
「では、続けますね……」
慣らす為に少し時間を置いてから二本目、同じように三本目を挿れてもらったけれども変わりはなく。
ただただ俺は、優しく内壁を撫でられる感覚に腰を震わせるだけ。内側を少しずつ広げられていく度に、声にならない声を漏らしながら甘くイってしまうだけだった。
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