588 / 824
★【番外編】ひたすらに甘やかして6
しおりを挟む
押し倒された勢いは、まるで飢えた獣に飛びかかられたようだった。けれども、まだ紳士な彼は残っているらしい。
それはそれは丁寧に、ズボンごとボクサーパンツを優しく脱がされたのだ。
そのまま彼を受け入れる為の準備を始めてもらえるかと思いきや、トレーナーをシャツごとたくし上げられ、胸元を撫でられて。すでに硬くなっている乳首を指先で軽く摘まれたのだ。
「あ、んっ……バアル……」
丁寧にしてくれなくてもいいのに……もう心の準備は出来たから、我慢してくれなくていいのに……
心の隅っこで、ちょっぴり思っただけ。なのにバアルさんにはお見通しだったらしい。
「大丈夫ですよ、アオイ……心配なさらないで……今宵はまだ始まったばかりなのですから……ゆっくり致しましょう?」
親指と人差指の腹同士を擦り合わせるように俺の乳首を撫でてくれながら、また満遍なく額に頬にとキスを送ってくれながら。
熱を帯びて、ますます艶と渋さを増した声が、幼い子供を諭すように語りかけてくる。
「貴方様の緊張が解れてきたとはいえ、久方ぶりなのですから……疲れたら休めばよいのです……そうして、また愛し合いましょう?」
「ふ、ぁ……ちゃんと、最後まで……してくれます? バアルさんの……俺にくれますか?」
「ええ……無論、私めはそのつもりでしたよ? 御身を抱かせて欲しいと願った時から……」
緑の瞳がうっとりと微笑んだ。息を呑むどころか思わず喉を鳴らしてしまった俺を見て。
「安心して頂けましたか? では、いっぱい気持ちよくなられて下さいね……私は、まだ貴方様を甘やかし足りないのです……」
十分甘やかしてもらったんだけれど。
思ったけれども飲み込んだ俺の首を、形の良い唇が甘く食んでくる。柔らかい温もりが触れてくれた部分が、ジンと熱を持つ。俺が苦労した証を容易く付けてくれながら、あそこへも手を伸ばしてきた。
「ん……は、ぁっ……」
すでに濡らしてしまっている竿が、大きな手のひらに包まれた。根元からカリ首まで繰り返しゆったり撫でてもらう度に、はしたない音が鳴ってしまう。
気持ちがいいんだけれど、やっぱり恥ずかしい。何度致してもらっても、慣れることはないんだろうな。
バアルさんも分かってくれているのか、首周りから顔を離して口づけてくれる。恥ずかしさなんて吹き飛ぶように、気持ちいいってことしか考えられなくなるように、深く深く交わしてくれる。
「ふ、ぅん……ん、んっ……ぁ、ん、んふ……っ」
あっさり俺は虜になっていた。
バアルさんからのキスに応えようと必死に舌を伸ばして、動かして。俺のものを可愛がってくれている手の動きを追うように腰を振って。乳首の先端を撫でられる度に上擦った声を上げて。
あっさり俺は上り詰めていた。
強烈な刺激をもらった訳ではない。ひたすらに優しく優しく甘やかしてもらえただけ。でも、止めることなく一滴一滴落とされて、満たされて、突然あふれてしまったかのように重たい熱が込み上げてきたんだ。
「ッ…………んんっ……は……ぅ、ぁ……」
甘く痺れて、頭の天辺から全身へ。波紋みたいに広がっていく心地よさに浸る間もなく次がもたらされる。もう一度、優しく優しく追い詰められていく。
分かってはいたけれども、俺は欲張りな男だ。さっき満たされたばかりなのに、もう溺れてしまっているんだから。逞しい彼の身体にしがみついて、腰を揺らしてしまっているんだから。
みっともないなって、浅ましいなってのも分かってる。でも、いいんだ。
「ひ、ぁ……バアル、バアル……っ」
「ふふ、気持ちいいのですね……可愛いですよ、アオイ……もっと私に夢中になられて下さい……もっと愛らしく乱れる御姿を私に見せて下さい……」
バアルさんは喜んでくれるから。どんな俺でも受け止めて、愛してくれるから。だから素直に全部をさらけ出せるんだ。
それはそれは丁寧に、ズボンごとボクサーパンツを優しく脱がされたのだ。
そのまま彼を受け入れる為の準備を始めてもらえるかと思いきや、トレーナーをシャツごとたくし上げられ、胸元を撫でられて。すでに硬くなっている乳首を指先で軽く摘まれたのだ。
「あ、んっ……バアル……」
丁寧にしてくれなくてもいいのに……もう心の準備は出来たから、我慢してくれなくていいのに……
心の隅っこで、ちょっぴり思っただけ。なのにバアルさんにはお見通しだったらしい。
「大丈夫ですよ、アオイ……心配なさらないで……今宵はまだ始まったばかりなのですから……ゆっくり致しましょう?」
親指と人差指の腹同士を擦り合わせるように俺の乳首を撫でてくれながら、また満遍なく額に頬にとキスを送ってくれながら。
熱を帯びて、ますます艶と渋さを増した声が、幼い子供を諭すように語りかけてくる。
「貴方様の緊張が解れてきたとはいえ、久方ぶりなのですから……疲れたら休めばよいのです……そうして、また愛し合いましょう?」
「ふ、ぁ……ちゃんと、最後まで……してくれます? バアルさんの……俺にくれますか?」
「ええ……無論、私めはそのつもりでしたよ? 御身を抱かせて欲しいと願った時から……」
緑の瞳がうっとりと微笑んだ。息を呑むどころか思わず喉を鳴らしてしまった俺を見て。
「安心して頂けましたか? では、いっぱい気持ちよくなられて下さいね……私は、まだ貴方様を甘やかし足りないのです……」
十分甘やかしてもらったんだけれど。
思ったけれども飲み込んだ俺の首を、形の良い唇が甘く食んでくる。柔らかい温もりが触れてくれた部分が、ジンと熱を持つ。俺が苦労した証を容易く付けてくれながら、あそこへも手を伸ばしてきた。
「ん……は、ぁっ……」
すでに濡らしてしまっている竿が、大きな手のひらに包まれた。根元からカリ首まで繰り返しゆったり撫でてもらう度に、はしたない音が鳴ってしまう。
気持ちがいいんだけれど、やっぱり恥ずかしい。何度致してもらっても、慣れることはないんだろうな。
バアルさんも分かってくれているのか、首周りから顔を離して口づけてくれる。恥ずかしさなんて吹き飛ぶように、気持ちいいってことしか考えられなくなるように、深く深く交わしてくれる。
「ふ、ぅん……ん、んっ……ぁ、ん、んふ……っ」
あっさり俺は虜になっていた。
バアルさんからのキスに応えようと必死に舌を伸ばして、動かして。俺のものを可愛がってくれている手の動きを追うように腰を振って。乳首の先端を撫でられる度に上擦った声を上げて。
あっさり俺は上り詰めていた。
強烈な刺激をもらった訳ではない。ひたすらに優しく優しく甘やかしてもらえただけ。でも、止めることなく一滴一滴落とされて、満たされて、突然あふれてしまったかのように重たい熱が込み上げてきたんだ。
「ッ…………んんっ……は……ぅ、ぁ……」
甘く痺れて、頭の天辺から全身へ。波紋みたいに広がっていく心地よさに浸る間もなく次がもたらされる。もう一度、優しく優しく追い詰められていく。
分かってはいたけれども、俺は欲張りな男だ。さっき満たされたばかりなのに、もう溺れてしまっているんだから。逞しい彼の身体にしがみついて、腰を揺らしてしまっているんだから。
みっともないなって、浅ましいなってのも分かってる。でも、いいんだ。
「ひ、ぁ……バアル、バアル……っ」
「ふふ、気持ちいいのですね……可愛いですよ、アオイ……もっと私に夢中になられて下さい……もっと愛らしく乱れる御姿を私に見せて下さい……」
バアルさんは喜んでくれるから。どんな俺でも受け止めて、愛してくれるから。だから素直に全部をさらけ出せるんだ。
38
お気に入りに追加
471
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる