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屋台のお味を皆さんとも
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結局、泣きながらの報告になってしまった。
どうにか止まったけれども、まだまだ目も、鼻も、むしろ全身熱い。鼓動もバクバクだ。でも心は不思議と穏やかだった。
「それで、お願いの方なんですけど……」
俺達も、皆さんも少し落ち着いたところで、もう一つの方を切り出す。ハンカチを手にしたり、お水を飲んでいた皆さんが再び俺達に向き直った。
「どうか皆さんに証人になってもらいたいんです。皆さんの前で儀式を、バアルさんとの永遠を、誓いたいんです」
「……どうか宜しくお願い致します」
もう一度、バアルさんと一緒にお願いした。まだ顔も上げていないのに、はつらつとした声が返ってきた。
「うむ! 寧ろ此方からお願いしようと思っていたからな!」
「密かに準備も進めておったしのう」
内緒だったんだろう。ヨミ様が、サタン様に向かって「父上!」と口の前で指を立てている。
グリムさんからは、弾んだ声で「僕達の夢でしたから!」と。クロウさんも微笑み、頷いた。
レタリーさんや、レダさんは「光栄です」とキレイなお辞儀を。スヴェンさんは「腕によりをかけたご馳走を作りますね!」と張り切っている。
シアンさん達、親衛隊の皆さんは口を揃えて「私達もよろしいのですか?」と言っていたけれど、バアルさんと一緒に改めてお願いした。
だって、俺とバアルさんが安心して暮らせているのは、皆さんのお陰なんだからさ。
「うっ、身に余る光栄で……ぐすっ」
またしても、シアンさんの涙腺を決壊させてしまったけど。
「あー大丈夫ですよ。すぐに落ち着くっていうか、落ち着かせるんで」
「ほらほら、手で擦ってたら赤くなるよ」
「ベィティ……君、何枚ハンカチ持ってるんだい?」
「なぁなぁ、俺の翼、貸してやろうか? 自慢じゃないが、ふわふわだぜ?」
「だったら、私の尻尾だってツヤサラだが?」
まぁ、サロメさんを筆頭に、皆さんがケアしてくれているから、大丈夫そうかな。何でか翼のふわふわ感と、馬尻尾のツヤサラ感で張り合っている、カイムさんとオロスさんという不安要素を除けば。
ご報告も済み、無事に皆さんも儀式に参加してもらえるようになったからだろう。席に戻った途端に、腹の虫が騒ぎ始めてしまった。
あ、今なら丁度いいんでわ? 皆さん揃ってるし。量も種類も沢山だから、足りないってことはないだろうし。
「皆さんお腹空いてません? 皆さんと一緒に食べたいお土産があるんですけど……」
「おおっ、もしかして、あの大きな串焼きであるか? それとも、父上のお顔を模したお饅頭であるか?」
いの一番に身を乗り出し、期待に顔を輝かせたのはヨミ様だった。
それにしても……なんか、妙に詳しくないだろうか? まるで、俺達の買い食いデートを終始見ていたかのような? いや、そんなまさか。
「はい、どちらもありますよ。やっぱり有名なお品何ですか? 屋台の定番とか?」
「そ、そそそそうであるな!」
……まさか、なのか?
慌てふためくヨミ様の前に、どこからともなく出来立ての串焼きが入ったパックが。続けてお饅頭が詰まった紙袋を置きながら、バアルさんが微笑んだ。
「これらも『風のお噂』で知っていたのではないでしょうか?」
「そっ、そうである! そうであったのだよ!!」
「ああ、そうだったんですね。やっぱりヨミ様はスゴいですね!」
「う、うむっ!!」
バアルさんと食べた時も格別だったけど。皆さんとご一緒に食べたお味も比べ物にならなかった。魔宝石のチョコレートも無事にお渡し出来て、俺としては大満足な時間だった。
どうにか止まったけれども、まだまだ目も、鼻も、むしろ全身熱い。鼓動もバクバクだ。でも心は不思議と穏やかだった。
「それで、お願いの方なんですけど……」
俺達も、皆さんも少し落ち着いたところで、もう一つの方を切り出す。ハンカチを手にしたり、お水を飲んでいた皆さんが再び俺達に向き直った。
「どうか皆さんに証人になってもらいたいんです。皆さんの前で儀式を、バアルさんとの永遠を、誓いたいんです」
「……どうか宜しくお願い致します」
もう一度、バアルさんと一緒にお願いした。まだ顔も上げていないのに、はつらつとした声が返ってきた。
「うむ! 寧ろ此方からお願いしようと思っていたからな!」
「密かに準備も進めておったしのう」
内緒だったんだろう。ヨミ様が、サタン様に向かって「父上!」と口の前で指を立てている。
グリムさんからは、弾んだ声で「僕達の夢でしたから!」と。クロウさんも微笑み、頷いた。
レタリーさんや、レダさんは「光栄です」とキレイなお辞儀を。スヴェンさんは「腕によりをかけたご馳走を作りますね!」と張り切っている。
シアンさん達、親衛隊の皆さんは口を揃えて「私達もよろしいのですか?」と言っていたけれど、バアルさんと一緒に改めてお願いした。
だって、俺とバアルさんが安心して暮らせているのは、皆さんのお陰なんだからさ。
「うっ、身に余る光栄で……ぐすっ」
またしても、シアンさんの涙腺を決壊させてしまったけど。
「あー大丈夫ですよ。すぐに落ち着くっていうか、落ち着かせるんで」
「ほらほら、手で擦ってたら赤くなるよ」
「ベィティ……君、何枚ハンカチ持ってるんだい?」
「なぁなぁ、俺の翼、貸してやろうか? 自慢じゃないが、ふわふわだぜ?」
「だったら、私の尻尾だってツヤサラだが?」
まぁ、サロメさんを筆頭に、皆さんがケアしてくれているから、大丈夫そうかな。何でか翼のふわふわ感と、馬尻尾のツヤサラ感で張り合っている、カイムさんとオロスさんという不安要素を除けば。
ご報告も済み、無事に皆さんも儀式に参加してもらえるようになったからだろう。席に戻った途端に、腹の虫が騒ぎ始めてしまった。
あ、今なら丁度いいんでわ? 皆さん揃ってるし。量も種類も沢山だから、足りないってことはないだろうし。
「皆さんお腹空いてません? 皆さんと一緒に食べたいお土産があるんですけど……」
「おおっ、もしかして、あの大きな串焼きであるか? それとも、父上のお顔を模したお饅頭であるか?」
いの一番に身を乗り出し、期待に顔を輝かせたのはヨミ様だった。
それにしても……なんか、妙に詳しくないだろうか? まるで、俺達の買い食いデートを終始見ていたかのような? いや、そんなまさか。
「はい、どちらもありますよ。やっぱり有名なお品何ですか? 屋台の定番とか?」
「そ、そそそそうであるな!」
……まさか、なのか?
慌てふためくヨミ様の前に、どこからともなく出来立ての串焼きが入ったパックが。続けてお饅頭が詰まった紙袋を置きながら、バアルさんが微笑んだ。
「これらも『風のお噂』で知っていたのではないでしょうか?」
「そっ、そうである! そうであったのだよ!!」
「ああ、そうだったんですね。やっぱりヨミ様はスゴいですね!」
「う、うむっ!!」
バアルさんと食べた時も格別だったけど。皆さんとご一緒に食べたお味も比べ物にならなかった。魔宝石のチョコレートも無事にお渡し出来て、俺としては大満足な時間だった。
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