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★ 俺も嬉しい、バアルさんも嬉しい、Win-Winじゃないか

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「申し訳ございません……」

 目覚めて早々に止めて欲しい。襲ったのも、誘ったのも、俺なんだからさ。

「謝らないで下さいよ。俺としては、バアルさんにいっぱい愛してもらえて万々歳なんですから」

 抱き枕よろしく、俺の身体をしっかり閉じ込めている筋骨隆々な腕がぴくっと震える。

 連動するみたいにしょんぼり、しょぼしょぼだった触覚と羽が、ぴょこんっと元気よく弾み、大きくぱたぱたとはためき出す。

 銀糸のようにキレイな睫毛を伏せた彼の白い頬が、ほんのり桜色に染まっていった。

「……アオイ様は、お優し過ぎます。私めを甘やかし過ぎです」

 いやいやいや、こっちの台詞なんですけど? 両方とも。

「勿論、そのお気持ちは大変光栄で……心が震えるほど嬉しく存じておりますが」

 なら、全く問題無いのでわ?

 俺も嬉しい、バアルさんも嬉しいで、Win-Winじゃないか。大勝利じゃないか。

 っていうか、ぶっちゃけもっとはっちゃけて欲しいんだけど。もっと好き勝手に俺のこと抱いて欲しいんだけどな。

「……そのように嬉しいことを仰って下さるところが、過ぎると申しているのですが……」

「あ、出てました? 声に」

「ええ、思いっきり」

「じゃあ、次回からはそういうことでお願いしますね」

 今の俺は無敵だ。

 心の内を全部ぶち撒けて、普段なら、逞しい彼の胸元に顔を埋めたくなってしまうところ。

 でも、たっぷり愛してもらえた後だからな。うっきうきで舞い上がっている状態の俺にとって、これくらい恥ずかしくも何ともない。むしろ、伝えられてラッキーって感じだ。

「……アオイ様」

 俺の名を紡いだ、諦めと嬉しさが混じったような声。

「畏まりました、お覚悟を……私を全て受け入れてもらえた際は、お望み通り私の好き勝手に御身を抱かせて頂きます」

「ひょわ……た、楽しみにしてます……」

 とはいえ、彼の色気の前では形無しのようだ。鮮やかな緑に真っ直ぐ射抜かれただけで、腰砕けになってしまったんだから。
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