350 / 906
★ 受け止めきれない幸せと、あふれ続けている好きに溺れて
しおりを挟む
「あっ……」
また少し、彼の熱が俺の奥へと進んだ気がする。
……まだ完全じゃないんだろうか。それともバアルさんの場合、挿れてから長くなったりとかするんだろうか。
「申し訳ございません……優しく致します……ですが」
ちょっぴり過ぎってしまった不安。
でも、すぐに消えてなくなった。俺を求めてくれる、どこか切なくなってしまう表情にときめかされて。
「はい……きて、下さい……俺のこと、愛して下さい……いっぱい気持ちよくして……あぁっ」
ホントに全部じゃないんだろうか。そう思いたくなるくらい、俺の奥までみっちりと太い熱が埋め尽くしている。
ずろり……と俺の内壁をこそぎ取るみたいに、奥から浅いところまで後退していく。かと思えば、ずちゅ……ぬちゅ……と恥ずかしくなるような、濡れた音を立てながら元の場所まで前進していく。この繰り返し。
繰り返し……だけなのに。
「んぁっ……あ、あっ……あんっ……ひっ……あ、ふ……んんっ……」
抜かれても、挿れられても、気持ちいい。
気持ちいいのが止まらない。ずっと頭の中がバチバチ弾けて、足はガクガク、腰もビクビク浮いている。
多分、ずっとイきっぱなしだ。バアルさんが動く度にイッちゃってる気がする。
太い竿に内側から撫でられる度に、大きな亀頭に前立腺を擦られる度に。
「ひぅっ……あっ……んっ……あ、あ、あ……」
「アオイ……私のアオイ……可愛いですよ……もっと蕩けたお顔を見せて下さい……甘く愛らしい声で鳴いて下さい……もっと……私に溺れて下さい……アオイ……」
「あぁっ」
さっきまでは、ゆさゆさと優しく揺さぶられていただけだった。
でも、変わった。ゆったりとした腰使いが、早く、小刻みなものへと変わっている。
鼓膜を揺らす、荒い彼の息遣い。俺のようで俺じゃない甘ったるい喘ぎ。断続的に聞こえ続けている、ねっとりとした液体を出鱈目にかき混ぜてるような、いやらしい音。
それだけでも感じてしまう。気持ちよさに勝手に変換されていくってのに。
「……ぁ、あ、あんっ……あ、ふ……んっ、ん……」
額に汗を浮かべ、悩ましい瞳で俺を見つめる彼から優しいキスを。俺の中をピストンし続けている激しさとは異なる心地よさを。何度も何度もくれるもんだから困ってしまう。
……おかしくなりそうだ。
受け止めきれない幸せに、あふれ続けている好きって気持ちに溺れてしまいそう。
「んんっ……ん、ん……ばあ、る……」
「くっ……は、申し訳……ございません……そろそろ、私も……限界、です……」
名残惜しそうに上唇を甘く食み、離れていった彼が幅広の肩を荒々しく揺らす。シャープな顎から伝ったしずくが、逞しい胸板に落ちた。
引き締まった腰を慎重に動かしながら、俺の中から彼が出ていく。入ってきた時よりも大きく反り上がり脈打つ太い幹を、ぐしょぐしょに濡れた俺のものと一緒に握り込んだ。
「あぁ、んっ……」
「っ……アオイ……アオイ……」
大きな手が俺達のものを擦り上げる度に、ねっとりとした音が。俺の上で彼が腰を激しく揺らす度に玉のような汗が散り、皺くちゃに歪んだシーツへ滲んでいく。
絶えることなく続いていた、頭の芯を、全身を甘く震わせている快感。また、あの気持ちのいい波に飲まれてしまう。
「あ、あ、イく……イってる……バアル、バアルっ……」
「んっ……私も、一緒に……一緒に参ります……」
繋いだ手に力が込められた。
触れ合って、大きな手のひらの中で擦れ合っている俺達のもの。ドクドクとビクついている竿が、同時に大きく跳ねた。
「ひぁっ……ああっ……あ、ぅ……んっ……ぁ……」
「くっ……ぅ、ふ……」
放たれ、混ざった粘液が彼の手をどろりと汚す。汗ばんで、しっとりと濡れた男らしい体躯がゆらりと俺の上に重なってくる。
心地よい疲労と好きな人の体温。分厚い筋肉の重みを感じながら、広く大きな背に腕を回した。
また少し、彼の熱が俺の奥へと進んだ気がする。
……まだ完全じゃないんだろうか。それともバアルさんの場合、挿れてから長くなったりとかするんだろうか。
「申し訳ございません……優しく致します……ですが」
ちょっぴり過ぎってしまった不安。
でも、すぐに消えてなくなった。俺を求めてくれる、どこか切なくなってしまう表情にときめかされて。
「はい……きて、下さい……俺のこと、愛して下さい……いっぱい気持ちよくして……あぁっ」
ホントに全部じゃないんだろうか。そう思いたくなるくらい、俺の奥までみっちりと太い熱が埋め尽くしている。
ずろり……と俺の内壁をこそぎ取るみたいに、奥から浅いところまで後退していく。かと思えば、ずちゅ……ぬちゅ……と恥ずかしくなるような、濡れた音を立てながら元の場所まで前進していく。この繰り返し。
繰り返し……だけなのに。
「んぁっ……あ、あっ……あんっ……ひっ……あ、ふ……んんっ……」
抜かれても、挿れられても、気持ちいい。
気持ちいいのが止まらない。ずっと頭の中がバチバチ弾けて、足はガクガク、腰もビクビク浮いている。
多分、ずっとイきっぱなしだ。バアルさんが動く度にイッちゃってる気がする。
太い竿に内側から撫でられる度に、大きな亀頭に前立腺を擦られる度に。
「ひぅっ……あっ……んっ……あ、あ、あ……」
「アオイ……私のアオイ……可愛いですよ……もっと蕩けたお顔を見せて下さい……甘く愛らしい声で鳴いて下さい……もっと……私に溺れて下さい……アオイ……」
「あぁっ」
さっきまでは、ゆさゆさと優しく揺さぶられていただけだった。
でも、変わった。ゆったりとした腰使いが、早く、小刻みなものへと変わっている。
鼓膜を揺らす、荒い彼の息遣い。俺のようで俺じゃない甘ったるい喘ぎ。断続的に聞こえ続けている、ねっとりとした液体を出鱈目にかき混ぜてるような、いやらしい音。
それだけでも感じてしまう。気持ちよさに勝手に変換されていくってのに。
「……ぁ、あ、あんっ……あ、ふ……んっ、ん……」
額に汗を浮かべ、悩ましい瞳で俺を見つめる彼から優しいキスを。俺の中をピストンし続けている激しさとは異なる心地よさを。何度も何度もくれるもんだから困ってしまう。
……おかしくなりそうだ。
受け止めきれない幸せに、あふれ続けている好きって気持ちに溺れてしまいそう。
「んんっ……ん、ん……ばあ、る……」
「くっ……は、申し訳……ございません……そろそろ、私も……限界、です……」
名残惜しそうに上唇を甘く食み、離れていった彼が幅広の肩を荒々しく揺らす。シャープな顎から伝ったしずくが、逞しい胸板に落ちた。
引き締まった腰を慎重に動かしながら、俺の中から彼が出ていく。入ってきた時よりも大きく反り上がり脈打つ太い幹を、ぐしょぐしょに濡れた俺のものと一緒に握り込んだ。
「あぁ、んっ……」
「っ……アオイ……アオイ……」
大きな手が俺達のものを擦り上げる度に、ねっとりとした音が。俺の上で彼が腰を激しく揺らす度に玉のような汗が散り、皺くちゃに歪んだシーツへ滲んでいく。
絶えることなく続いていた、頭の芯を、全身を甘く震わせている快感。また、あの気持ちのいい波に飲まれてしまう。
「あ、あ、イく……イってる……バアル、バアルっ……」
「んっ……私も、一緒に……一緒に参ります……」
繋いだ手に力が込められた。
触れ合って、大きな手のひらの中で擦れ合っている俺達のもの。ドクドクとビクついている竿が、同時に大きく跳ねた。
「ひぁっ……ああっ……あ、ぅ……んっ……ぁ……」
「くっ……ぅ、ふ……」
放たれ、混ざった粘液が彼の手をどろりと汚す。汗ばんで、しっとりと濡れた男らしい体躯がゆらりと俺の上に重なってくる。
心地よい疲労と好きな人の体温。分厚い筋肉の重みを感じながら、広く大きな背に腕を回した。
83
お気に入りに追加
485
あなたにおすすめの小説
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる