261 / 1,041
消したくはない証
しおりを挟む
お城の本棟に満ちている明るいざわめきが、別棟の俺達にも届き始めるお昼前。それに負けないはつらつとした声が、俺達の部屋をとびきりのプレゼント一緒に訪れた。
「わぁ、ありがとうございます! ヨミ様! これなら、俺でも作れそうです!」
ホワイトデーの際、お約束してもらっていたスヴェンさん作お手軽レシピ。バアルさんの好きなお料理セレクトバージョン。
手渡してもらったそれを、ざっと見させてもらっただけでも……あ、この位なら料理初心者な俺でもイケるかも……って内容ばかりだ。
「多大なお心遣いに心より感謝致します」
隣で見ていたバアルさんが静かにソファーから立ち上がる。長く引き締まった腕を逞しい胸元に当て、キレイな角度のついたお辞儀を披露する。
キッチリ撫でつけられたオールバックの生え際から生え、揺れる触覚。それと連動するかのように、ぱたぱたはためく透き通った羽が、シャンデリアの明かりの下で淡い光を帯びていた。
「うむっ喜んでくれて何よりだ」
ゆるりと目尻が下がり、薄い唇が柔らかい笑みの形を描く。顔面偏差値が軒並み激高な皆さんの中でも、頭ひとつ抜けていらっしゃるご尊顔。その美しいお顔が綻ぶ様は、やっぱり絵になる。
向かいのソファーのど真ん中で、スラリと伸びた足を組み、白い陶器のティーカップを優雅に傾ける、そのお姿も相まって。
「早速、作るのであろう? バアルに昼食を」
ぼんやりとしていた俺を真っ直ぐに見つめる赤。楽しそうにゆるりと細められた瞳は、俺の心中をもあっさり見抜いていたらしい。
「は、はい。よく、分かりましたね」
「そなたならば、そうするであろうと思ってな。スヴェンには、本日の二人の昼食は大丈夫だと伝えておる。故に、存分に勤しむといい」
流石の手回し……いや、面倒見の良さだ。楽しい催しへと俺達を誘っていただける際もだけど。ホントにいつもお世話になりっぱなしだな。
「はいっありがとうございます!」
「うむ……ところで、アオイ殿……そなたの首……」
はたと瞬いた赤い瞳。その視線が俺とバアルさんとを行き来してから、伏せられる。どうしたもんか……と言わんばかりに。
不思議に思い、ちらりとバアルさんを窺ってみたけれど……ただただ、ときめかされただけに終わった。
座り直していた彼に、さり気なく肩を抱き寄せられただけじゃない。整えられた髭がカッコいい口元を綻ばせた、柔らかい微笑みをいただいてしまったんだ。
「……そ、その……どうか、しましたか?」
胸の奥と一緒に、きゅっとなった喉から出かけていた情けのない悲鳴を飲み込み、尋ねる。
結局バアルさんは何も言ってくれなかった。ただまぁ、気づいてはいるんだろう、何かしら。なんとなくだけど、楽しそうにしているしさ。
カチ、カチ、カチンと甲高い音が鳴る。どこか気まずそうに、ヨミ様が咳払いをした。置こうとしたティーカップとソーサーとが奏でてしまったらしい。珍しいな。飲み始めから飲み終わりまで、音を一切立てないお方なのに。
「あー……いや、うむ……その、もう一つ……渡すものが出来たようだ」
知っている二人の内、確実に教えてくれるであろうヨミ様も、何でだろう? 言いにくそうだ。
「……これを使うといい」
言葉を濁しまくり、ファンタジーな貴族服の懐からそっと取り出し、差し出された小さな何か。
「? は、はい。ありがとう、ございます……」
受け取ったそれは、小さなコウモリの羽の柄がプリントされた絆創膏だった。
「絆創膏……ですか? 俺、怪我してませんけど?」
「……これも使うといい」
「あ、はい……重ね重ね、ありがとうございます」
真剣というか、苦渋いというか……何とも言えない表情だ。差し出されたのは手鏡だった。細く長い指が、ご自身の首を指し示す。そこを見ろってことだろう。
「ん? これって…………ひょわっ!?」
鏡には、しっかり映っていた。映ってしまっていた。昨晩、バアルさんから付けてもらった赤い痣。俺を愛してくれた証が、くっきりと。
一気に熱くなった頭にふと蘇る。そう言えば今朝、グリムさんが……
「あれ? アオイ様……その首、どうかし……むぐっ」
「あー……何でもないですよ。全っ然、何も、問題ないです」
何か言いかけていたところを、クロウさんが素早く手で覆って、止めていたっけ。
あー……絶対、分かってるわ。バレてるわ。クロウさんには。そんでもって、大いに気を使わせてしまってるじゃないか。
「初めての料理と言えば、小さな傷がつきものであるからな。バアルが付いているとはいえ、アオイ殿は私達と違って繊細であるからな……念の為にと用意しておいた絆創膏が、こんな形で役立つとは……」
「ありがとう……ございまふ」
いつもだったら「仲良しさんだな!」と満面の笑みで喜んでくれるヨミ様も、流石にキスマークは気まずいんだろう。陶器よりも白い頬をほんのり染め、落ち着きなく羽をはためかせている。
「バアルは見せつけたいだろうが……アオイ殿は、照れ屋さんだからな。やはり、秘密にしておきたいだろう?」
「その……はぃ……」
「少し強めに自然治癒の術をかければ、すぐに消すことも出来るがな……残しては、おきたいだろう? 仲良しさんな証であるしな」
「……消したく、ないです……」
小さな子に言い聞かせているような優しい問いかけ。別に、悪いことをした訳ではない。ないんだが……なんだかだんだんと背が縮こまっていってしまう。
「これ、バアル。嬉しいのと申し訳ないのとで複雑なのは分かるが、付けてやらぬか。アオイ殿では見えない場所なのだから、付けにくいであろう?」
「はい……左様でございますね」
静かに頷いた彼の手が俺から絆創膏を受け取り、耳たぶから少し下の辺りにある証をぺたりと隠す。
「バアルさん……」
多分……いや、絶対に俺のせいだろう。バアルさんまでしょんぼりしてしまっている。寂しげに細められた瞳、へにょんと下がっている触覚、ぺたんと縮こまってしまっている羽。怒涛の三コンボが俺の胸をきゅっと締め付けた。
「その、全然、嫌じゃないですからね? ちょっとだけ、ほんのちょっぴり恥ずかし……いや……と、とにかく嬉しかったです!! あ、愛されてるんだなって……俺、スゴく嬉しかったですから……」
途中で、何か違うな……と思い、その時の気持ちだけを伝えることに舵を取る。いやだって、何か変だろ。恥ずかしいのは恥ずかしいんだけど、好きな人に言うのは何か……うん。やっぱり違う気がする。
つい、彼のジャケットの裾にシワを作ってしまっていた俺の手に、大きな手がそっと重ねられた。
「アオイ様……」
名を呼ぶ前に、引き締まった腕の中へと閉じ込められた。少し見上げた先でかち合った鮮やかな緑の瞳。俺だけを見つめてくれる眼差しに、宿った熱に魅入られ、惹かれて、気がつけば自分から額を寄せていた。
擽ったそうに瞳が細められ、ほんのり染まった白い頬が綻ぶ。柔らかく微笑む唇にそっと触れてもらえて、離れていって……ほんの短い触れ合いだったけれど、幸せを感じるには十分で。じんわりとした温かさが胸を満たしていく。
頭の中からあふれそうなくらい、ぽんぽこお花が咲き乱れている俺の目にはもう、バアルさんしか見えていない。柔らかく微笑む、彫りの深い顔しか。だからだろう。
「うむ、うむ、やはりそなたらは斯様に仲良しさんでなければなぁ」
クスリと楽しそうに笑う気配に、満足そうに呟かれた一言に、ようやく大事なお客様の存在を思い出すという、ぽんこつ具合を発揮してしまったんだ。
「わぁ、ありがとうございます! ヨミ様! これなら、俺でも作れそうです!」
ホワイトデーの際、お約束してもらっていたスヴェンさん作お手軽レシピ。バアルさんの好きなお料理セレクトバージョン。
手渡してもらったそれを、ざっと見させてもらっただけでも……あ、この位なら料理初心者な俺でもイケるかも……って内容ばかりだ。
「多大なお心遣いに心より感謝致します」
隣で見ていたバアルさんが静かにソファーから立ち上がる。長く引き締まった腕を逞しい胸元に当て、キレイな角度のついたお辞儀を披露する。
キッチリ撫でつけられたオールバックの生え際から生え、揺れる触覚。それと連動するかのように、ぱたぱたはためく透き通った羽が、シャンデリアの明かりの下で淡い光を帯びていた。
「うむっ喜んでくれて何よりだ」
ゆるりと目尻が下がり、薄い唇が柔らかい笑みの形を描く。顔面偏差値が軒並み激高な皆さんの中でも、頭ひとつ抜けていらっしゃるご尊顔。その美しいお顔が綻ぶ様は、やっぱり絵になる。
向かいのソファーのど真ん中で、スラリと伸びた足を組み、白い陶器のティーカップを優雅に傾ける、そのお姿も相まって。
「早速、作るのであろう? バアルに昼食を」
ぼんやりとしていた俺を真っ直ぐに見つめる赤。楽しそうにゆるりと細められた瞳は、俺の心中をもあっさり見抜いていたらしい。
「は、はい。よく、分かりましたね」
「そなたならば、そうするであろうと思ってな。スヴェンには、本日の二人の昼食は大丈夫だと伝えておる。故に、存分に勤しむといい」
流石の手回し……いや、面倒見の良さだ。楽しい催しへと俺達を誘っていただける際もだけど。ホントにいつもお世話になりっぱなしだな。
「はいっありがとうございます!」
「うむ……ところで、アオイ殿……そなたの首……」
はたと瞬いた赤い瞳。その視線が俺とバアルさんとを行き来してから、伏せられる。どうしたもんか……と言わんばかりに。
不思議に思い、ちらりとバアルさんを窺ってみたけれど……ただただ、ときめかされただけに終わった。
座り直していた彼に、さり気なく肩を抱き寄せられただけじゃない。整えられた髭がカッコいい口元を綻ばせた、柔らかい微笑みをいただいてしまったんだ。
「……そ、その……どうか、しましたか?」
胸の奥と一緒に、きゅっとなった喉から出かけていた情けのない悲鳴を飲み込み、尋ねる。
結局バアルさんは何も言ってくれなかった。ただまぁ、気づいてはいるんだろう、何かしら。なんとなくだけど、楽しそうにしているしさ。
カチ、カチ、カチンと甲高い音が鳴る。どこか気まずそうに、ヨミ様が咳払いをした。置こうとしたティーカップとソーサーとが奏でてしまったらしい。珍しいな。飲み始めから飲み終わりまで、音を一切立てないお方なのに。
「あー……いや、うむ……その、もう一つ……渡すものが出来たようだ」
知っている二人の内、確実に教えてくれるであろうヨミ様も、何でだろう? 言いにくそうだ。
「……これを使うといい」
言葉を濁しまくり、ファンタジーな貴族服の懐からそっと取り出し、差し出された小さな何か。
「? は、はい。ありがとう、ございます……」
受け取ったそれは、小さなコウモリの羽の柄がプリントされた絆創膏だった。
「絆創膏……ですか? 俺、怪我してませんけど?」
「……これも使うといい」
「あ、はい……重ね重ね、ありがとうございます」
真剣というか、苦渋いというか……何とも言えない表情だ。差し出されたのは手鏡だった。細く長い指が、ご自身の首を指し示す。そこを見ろってことだろう。
「ん? これって…………ひょわっ!?」
鏡には、しっかり映っていた。映ってしまっていた。昨晩、バアルさんから付けてもらった赤い痣。俺を愛してくれた証が、くっきりと。
一気に熱くなった頭にふと蘇る。そう言えば今朝、グリムさんが……
「あれ? アオイ様……その首、どうかし……むぐっ」
「あー……何でもないですよ。全っ然、何も、問題ないです」
何か言いかけていたところを、クロウさんが素早く手で覆って、止めていたっけ。
あー……絶対、分かってるわ。バレてるわ。クロウさんには。そんでもって、大いに気を使わせてしまってるじゃないか。
「初めての料理と言えば、小さな傷がつきものであるからな。バアルが付いているとはいえ、アオイ殿は私達と違って繊細であるからな……念の為にと用意しておいた絆創膏が、こんな形で役立つとは……」
「ありがとう……ございまふ」
いつもだったら「仲良しさんだな!」と満面の笑みで喜んでくれるヨミ様も、流石にキスマークは気まずいんだろう。陶器よりも白い頬をほんのり染め、落ち着きなく羽をはためかせている。
「バアルは見せつけたいだろうが……アオイ殿は、照れ屋さんだからな。やはり、秘密にしておきたいだろう?」
「その……はぃ……」
「少し強めに自然治癒の術をかければ、すぐに消すことも出来るがな……残しては、おきたいだろう? 仲良しさんな証であるしな」
「……消したく、ないです……」
小さな子に言い聞かせているような優しい問いかけ。別に、悪いことをした訳ではない。ないんだが……なんだかだんだんと背が縮こまっていってしまう。
「これ、バアル。嬉しいのと申し訳ないのとで複雑なのは分かるが、付けてやらぬか。アオイ殿では見えない場所なのだから、付けにくいであろう?」
「はい……左様でございますね」
静かに頷いた彼の手が俺から絆創膏を受け取り、耳たぶから少し下の辺りにある証をぺたりと隠す。
「バアルさん……」
多分……いや、絶対に俺のせいだろう。バアルさんまでしょんぼりしてしまっている。寂しげに細められた瞳、へにょんと下がっている触覚、ぺたんと縮こまってしまっている羽。怒涛の三コンボが俺の胸をきゅっと締め付けた。
「その、全然、嫌じゃないですからね? ちょっとだけ、ほんのちょっぴり恥ずかし……いや……と、とにかく嬉しかったです!! あ、愛されてるんだなって……俺、スゴく嬉しかったですから……」
途中で、何か違うな……と思い、その時の気持ちだけを伝えることに舵を取る。いやだって、何か変だろ。恥ずかしいのは恥ずかしいんだけど、好きな人に言うのは何か……うん。やっぱり違う気がする。
つい、彼のジャケットの裾にシワを作ってしまっていた俺の手に、大きな手がそっと重ねられた。
「アオイ様……」
名を呼ぶ前に、引き締まった腕の中へと閉じ込められた。少し見上げた先でかち合った鮮やかな緑の瞳。俺だけを見つめてくれる眼差しに、宿った熱に魅入られ、惹かれて、気がつけば自分から額を寄せていた。
擽ったそうに瞳が細められ、ほんのり染まった白い頬が綻ぶ。柔らかく微笑む唇にそっと触れてもらえて、離れていって……ほんの短い触れ合いだったけれど、幸せを感じるには十分で。じんわりとした温かさが胸を満たしていく。
頭の中からあふれそうなくらい、ぽんぽこお花が咲き乱れている俺の目にはもう、バアルさんしか見えていない。柔らかく微笑む、彫りの深い顔しか。だからだろう。
「うむ、うむ、やはりそなたらは斯様に仲良しさんでなければなぁ」
クスリと楽しそうに笑う気配に、満足そうに呟かれた一言に、ようやく大事なお客様の存在を思い出すという、ぽんこつ具合を発揮してしまったんだ。
57
お気に入りに追加
519
あなたにおすすめの小説
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
僕の太客が義兄弟になるとか聞いてない
コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
没落名士の長男ノアゼットは日々困窮していく家族を支えるべく上級学校への進学を断念して仕送りのために王都で働き出す。しかし賢くても後見の無いノアゼットが仕送り出来るほど稼げはしなかった。
そんな時に声を掛けてきた高級娼家のマダムの引き抜きで、男娼のノアとして働き出したノアゼット。研究肌のノアはたちまち人気の男娼に躍り出る。懇意にしてくれる太客がついて仕送りは十分過ぎるほどだ。
そんな中、母親の再婚で仕送りの要らなくなったノアは、一念発起して自分の人生を始めようと決意する。順風満帆に滑り出した自分の生活に満ち足りていた頃、ノアは再婚相手の元に居る家族の元に二度目の帰省をする事になった。
そこで巻き起こる自分の過去との引き合わせに動揺するノア。ノアと太客の男との秘密の関係がまた動き出すのか?

悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる