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★ こんなところで日頃の成果が裏目に出るとは
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魔性のこたつに更に魅力的なバアルさんの腕の中、という快適空間が追加されたからだ。ちょっとだけ……のつもりだったのに抜け出せない、全然。
いくら美味しかったからって、夕方シチューを沢山おかわりしたのもあるだろう。バアルさんの色気によって吹き飛んだ、満腹感による眠気も無事帰還してしまっている。
今日ぐらい……このままのんびり朝まで過ごしてもいいんじゃないかな?
なんて、心の天秤が自堕落な方へと傾き始めていた時だった。
「貴方様は……とても温かいですね」
不意に噛み締めるような囁やきと一緒に漏れた、小さな吐息に耳を擽られる。
ほんの少しだけ、背筋に走った淡い感覚のせいだ。上擦った声を、きゅっと締まった喉から出してしまっていた。
「ふぇ……あ、ありがとうございます?」
謎のお礼を言いつつ見上げた先で、ほんのり色づいた笑顔に迎えられる。今度は小躍りどころじゃない。大きく跳ねた心臓が、バクバクとお祭り騒ぎを始めてしまった。
そんでもって、思わず目を逸らしてしまっていた。
受け止めきれなかったんだ。何も言っていないってのに、とろりと細められた眼差しから、好きって気持ちがあふれているような気がして。供給過多になってしまったんだ。だからだろう。
「あ、でも……バアルさんも温かいです、ふょっ!?」
少し弾力のある柔らかい感触が頬に触れ、離れていくまで気付かなかった。わざとらしいリップ音、それからいつの間にやら吐息が触れ合う距離にあった、彼が浮かべる悪戯っぽい笑顔にようやく合点がいった有様だ。
なんてズルい不意打ちなんだ……言葉尻も、気持ちのメーターも、一気に急上昇してしまったじゃないか。
妙に甲高い声を発してしまったってのに、バアルさんは平然と微笑んでいる。それどころか猫同士の挨拶みたいに、スッと通った高い鼻の先をちょんっと寄せてきた。
いきなり人をときめかせた上に、かわいい仕草で畳み掛けないで下さいよ!
思わず俺は叫んでしまっていた。勿論、心の中でだが。
口にしていないんだから伝わる訳がない。それは、いくら察しが良すぎる彼でも例外ではない。バアルさんは、マイペースに俺のハートへのアタックを続けている。本人には、そんな気はないんだろうけどさ。
慈しむような口付けが、ゆっくりと上から降りてくる。額に始まり、目尻、再び頬。最後に口に触れるだけの優しいキスを送ってくれた唇が、満足そうに綻んだ。
「…………ッ……」
ほとんど音になっていない喜びの声が、半開きの口から漏れていた。きっと俺は、情けのない顔になってしまっているに違いない。なんせ、自分でも分かるくらいに頬が緩みきってしまっているんだからな。
バアルさんはというと、ますますご満悦そうで何よりだ。しっとりしすべすべな両の手のひらで俺の頬を包み込みながら、くすくすと楽しげに微笑んでいる。
よしよし撫でることにも満足したのか、首元へ顔を埋めて俺の身体を抱き締め直した。大きな手が腰の辺りで重なって、さっきよりもぎゅっと密着してしまう。
なんだか最近、定番になりつつあるな……この抱き枕スタイルも。嬉しいんだけどさ。
唐突な、彼の方から甘えてくれるというサービスタイムに、右肩上がりだった気持ちも徐々に落ち着いていく。こたつプラス好きな人の腕の中、という温かい安らぎがもたらしてくれるリラックス効果によって。
このまま再び、まったりとした夜を過ごすんだろうな……とぽやぽやしかけていた時だった。さっきとは別路線のハートアタックを彼が仕掛けてきたのは。
「んっ……ぅ……」
温かい感触が首に触れた。耳たぶの下辺りから肩の方へと緩やかに、ラインをなぞっていくように何度も、何度も……
さっきと同じで、バアルさん的には甘えてくれているだけなのかもしれない。でも、俺にとっては一大事だ。ちょっとだけ、ホントにちょっとだけ……気持ちよくなってしまっている。
こんなところで日頃の成果が……バアルさんにじっくり優しく気持ちよさってものを、教えてもらった成果が、裏目に出るとは……
どうにかして気を紛らわせねばと足をもぞもぞ動かしてもムダだった。むしろ逆効果だった。身体の奥から滲み出てくる疼きが、余計に強くなったんだからな。
「ぁ……んっ、あ……っ……」
我慢しようとしても首から全身へと広がる淡い感覚に、心も身体もじわじわ乱されていく。薄く開きっぱなしの口からは、浅い呼吸と一緒に鼻にかかった声が漏れ、身体は勝手にビクビク震えてしまう。
もう、バレてしまってるだろうに、バアルさんは変わらずマイペースだ。優しい手つきで宥めるように背中を撫でてくれながら、柔らかい唇で触れ続けている。
……もっと、違うところも触って欲しいのに。
ぽこんと浮かんだ本音という名の欲に、ますます熱が顔へと集中してしまった。自覚すれば自覚するだけ渇きが強くなっていく。
不意に、俺を包み込んでくれていた優しい拘束が緩む。大きな手が肩に添えられて、唯一与えてもらっていた心地のいい感覚も取り上げられてしまった。ほんのちょっとだけなのに、空いてしまった彼との距離がひどく遠くに感じる。
「……あ、っ」
自分でも驚くほどに寂しい声が出てしまっていた。静かに見つめていた緑の瞳が僅かに瞬いて、どこか嬉しそうに細められる。
ゆるりと伸ばされた細く長い指先が、俺の輪郭をなぞるように撫でていく。ピタリと止まり、顎に添えられ、持ち上げられて。触れ合えた体温の温かさに、心が満たされていくのを感じた。
「ん……ふ……」
何度か重ねているうちに、自然と深いものへと変わっていった。熱い吐息を絡め合う度に、ジンと痺れるような感覚が、舌先から全身へと広がっていく。
「ん、ん、はっ……ぁ、ん……あぁっ」
ぶり返してしまった疼きをどうにかしたくて……夢中で彼のものへ擦り合わせていると突然、待ち望んでいた刺激が走った。思わず離した口から歓喜に近い声が漏れ、透明な糸が引いて伝う。
いつの間にか肌着の下へと侵入していた彼の指先が、俺の乳首を優しく摘んでいる。
腰が勝手に揺れてしまう。すっかり固くなってしまっている全体を、くにくにと指の腹で転がされるように揉まれて。立ち上がり、主張してしまっている先端を優しく撫で回されて。
「あ、バアルさ……あっ、あっ、ひぅ……ぁっ……」
いつものように、俺は限界を訴えたつもりだった。乳首だけとはいえ、ようやく直接的な気持ちよさを与えてもらえて、もう我慢出来なかったんだ。でも。
「大丈夫ですよ……心得ております」
額を重ねて微笑んで、何故かバアルさんは動きを緩めてしまったんだ。触れるか触れないかのタッチで優しく摘まれて、もどかしくて仕方がない。
少し潤んだ唇が、荒い呼吸を繰り返す俺の口に触れ、軽く食む。離れていった柔らかい微笑みが、熱い吐息を吹き込むように耳元で囁いた。
「アオイは、一緒がお好きでしょう?」
「っ…………あっ、うぁ……」
首筋に走ったぞくぞくする感覚に息を呑む間もなく、一番敏感な部分をズボン越しに大きな手に包まれる。優しくゆったり撫でられているだけなのに……もう出ちゃいそうだ。
「ぁ…………好き、です……ふぁ、もっと……お願いしま……んっ、むぅ……ん、んっ……」
艷やかに綻ぶ唇によって、言葉も吐息も呑まれてしまう。焦らすような手つきが途端に、優しく……でも確実に俺を追い詰めるものへと変わっていく。
「んぅ……んっ、あっ……んんっ……」
濡れた熱が俺の口内を余すことなく撫で回し、指の腹が捏ねるように先端を撫で、手のひらが竿の部分を揉みしだく。脳に直接叩き込まれているような気持ちよさに堪えきれず、震える全身に合わせてこたつの板がカタカタ跳ねた。
揺らしていた腰がガクガク揺れるのと同時に、大きな彼の手に包まれている俺のものがビクビク震える。勢いよく放ってしまった熱いものが、汗ばんだ下着の中をじわりと濡らした。
「はっ……は、ぁ……ん……っ……」
まだ、甘い感覚に痺れている俺の頭を、温かい手のひらが優しく撫でてくれる。
「アオイ、大変可愛らしかったですよ……」
そう褒めてくれるだけでも、敏感になっている身体は貪欲に気持ちよさへと変えてしまうのに……うっとりとした声で囁いてくれるもんだから、堪らない。
「……バアルさん」
気がつけば、涙で濡れたような声で彼の名を呼んでしまっていたんだ。
熱のこもっていた瞳が揺れ、艷やかな笑みを浮かべていた唇がきゅっと結ばれる。ぴんっと立った触覚をそわそわ揺らしながら彼は俺の手を取り、指を絡めてくれた。
「……先に、ベッドへ参りましょうか」
いくら美味しかったからって、夕方シチューを沢山おかわりしたのもあるだろう。バアルさんの色気によって吹き飛んだ、満腹感による眠気も無事帰還してしまっている。
今日ぐらい……このままのんびり朝まで過ごしてもいいんじゃないかな?
なんて、心の天秤が自堕落な方へと傾き始めていた時だった。
「貴方様は……とても温かいですね」
不意に噛み締めるような囁やきと一緒に漏れた、小さな吐息に耳を擽られる。
ほんの少しだけ、背筋に走った淡い感覚のせいだ。上擦った声を、きゅっと締まった喉から出してしまっていた。
「ふぇ……あ、ありがとうございます?」
謎のお礼を言いつつ見上げた先で、ほんのり色づいた笑顔に迎えられる。今度は小躍りどころじゃない。大きく跳ねた心臓が、バクバクとお祭り騒ぎを始めてしまった。
そんでもって、思わず目を逸らしてしまっていた。
受け止めきれなかったんだ。何も言っていないってのに、とろりと細められた眼差しから、好きって気持ちがあふれているような気がして。供給過多になってしまったんだ。だからだろう。
「あ、でも……バアルさんも温かいです、ふょっ!?」
少し弾力のある柔らかい感触が頬に触れ、離れていくまで気付かなかった。わざとらしいリップ音、それからいつの間にやら吐息が触れ合う距離にあった、彼が浮かべる悪戯っぽい笑顔にようやく合点がいった有様だ。
なんてズルい不意打ちなんだ……言葉尻も、気持ちのメーターも、一気に急上昇してしまったじゃないか。
妙に甲高い声を発してしまったってのに、バアルさんは平然と微笑んでいる。それどころか猫同士の挨拶みたいに、スッと通った高い鼻の先をちょんっと寄せてきた。
いきなり人をときめかせた上に、かわいい仕草で畳み掛けないで下さいよ!
思わず俺は叫んでしまっていた。勿論、心の中でだが。
口にしていないんだから伝わる訳がない。それは、いくら察しが良すぎる彼でも例外ではない。バアルさんは、マイペースに俺のハートへのアタックを続けている。本人には、そんな気はないんだろうけどさ。
慈しむような口付けが、ゆっくりと上から降りてくる。額に始まり、目尻、再び頬。最後に口に触れるだけの優しいキスを送ってくれた唇が、満足そうに綻んだ。
「…………ッ……」
ほとんど音になっていない喜びの声が、半開きの口から漏れていた。きっと俺は、情けのない顔になってしまっているに違いない。なんせ、自分でも分かるくらいに頬が緩みきってしまっているんだからな。
バアルさんはというと、ますますご満悦そうで何よりだ。しっとりしすべすべな両の手のひらで俺の頬を包み込みながら、くすくすと楽しげに微笑んでいる。
よしよし撫でることにも満足したのか、首元へ顔を埋めて俺の身体を抱き締め直した。大きな手が腰の辺りで重なって、さっきよりもぎゅっと密着してしまう。
なんだか最近、定番になりつつあるな……この抱き枕スタイルも。嬉しいんだけどさ。
唐突な、彼の方から甘えてくれるというサービスタイムに、右肩上がりだった気持ちも徐々に落ち着いていく。こたつプラス好きな人の腕の中、という温かい安らぎがもたらしてくれるリラックス効果によって。
このまま再び、まったりとした夜を過ごすんだろうな……とぽやぽやしかけていた時だった。さっきとは別路線のハートアタックを彼が仕掛けてきたのは。
「んっ……ぅ……」
温かい感触が首に触れた。耳たぶの下辺りから肩の方へと緩やかに、ラインをなぞっていくように何度も、何度も……
さっきと同じで、バアルさん的には甘えてくれているだけなのかもしれない。でも、俺にとっては一大事だ。ちょっとだけ、ホントにちょっとだけ……気持ちよくなってしまっている。
こんなところで日頃の成果が……バアルさんにじっくり優しく気持ちよさってものを、教えてもらった成果が、裏目に出るとは……
どうにかして気を紛らわせねばと足をもぞもぞ動かしてもムダだった。むしろ逆効果だった。身体の奥から滲み出てくる疼きが、余計に強くなったんだからな。
「ぁ……んっ、あ……っ……」
我慢しようとしても首から全身へと広がる淡い感覚に、心も身体もじわじわ乱されていく。薄く開きっぱなしの口からは、浅い呼吸と一緒に鼻にかかった声が漏れ、身体は勝手にビクビク震えてしまう。
もう、バレてしまってるだろうに、バアルさんは変わらずマイペースだ。優しい手つきで宥めるように背中を撫でてくれながら、柔らかい唇で触れ続けている。
……もっと、違うところも触って欲しいのに。
ぽこんと浮かんだ本音という名の欲に、ますます熱が顔へと集中してしまった。自覚すれば自覚するだけ渇きが強くなっていく。
不意に、俺を包み込んでくれていた優しい拘束が緩む。大きな手が肩に添えられて、唯一与えてもらっていた心地のいい感覚も取り上げられてしまった。ほんのちょっとだけなのに、空いてしまった彼との距離がひどく遠くに感じる。
「……あ、っ」
自分でも驚くほどに寂しい声が出てしまっていた。静かに見つめていた緑の瞳が僅かに瞬いて、どこか嬉しそうに細められる。
ゆるりと伸ばされた細く長い指先が、俺の輪郭をなぞるように撫でていく。ピタリと止まり、顎に添えられ、持ち上げられて。触れ合えた体温の温かさに、心が満たされていくのを感じた。
「ん……ふ……」
何度か重ねているうちに、自然と深いものへと変わっていった。熱い吐息を絡め合う度に、ジンと痺れるような感覚が、舌先から全身へと広がっていく。
「ん、ん、はっ……ぁ、ん……あぁっ」
ぶり返してしまった疼きをどうにかしたくて……夢中で彼のものへ擦り合わせていると突然、待ち望んでいた刺激が走った。思わず離した口から歓喜に近い声が漏れ、透明な糸が引いて伝う。
いつの間にか肌着の下へと侵入していた彼の指先が、俺の乳首を優しく摘んでいる。
腰が勝手に揺れてしまう。すっかり固くなってしまっている全体を、くにくにと指の腹で転がされるように揉まれて。立ち上がり、主張してしまっている先端を優しく撫で回されて。
「あ、バアルさ……あっ、あっ、ひぅ……ぁっ……」
いつものように、俺は限界を訴えたつもりだった。乳首だけとはいえ、ようやく直接的な気持ちよさを与えてもらえて、もう我慢出来なかったんだ。でも。
「大丈夫ですよ……心得ております」
額を重ねて微笑んで、何故かバアルさんは動きを緩めてしまったんだ。触れるか触れないかのタッチで優しく摘まれて、もどかしくて仕方がない。
少し潤んだ唇が、荒い呼吸を繰り返す俺の口に触れ、軽く食む。離れていった柔らかい微笑みが、熱い吐息を吹き込むように耳元で囁いた。
「アオイは、一緒がお好きでしょう?」
「っ…………あっ、うぁ……」
首筋に走ったぞくぞくする感覚に息を呑む間もなく、一番敏感な部分をズボン越しに大きな手に包まれる。優しくゆったり撫でられているだけなのに……もう出ちゃいそうだ。
「ぁ…………好き、です……ふぁ、もっと……お願いしま……んっ、むぅ……ん、んっ……」
艷やかに綻ぶ唇によって、言葉も吐息も呑まれてしまう。焦らすような手つきが途端に、優しく……でも確実に俺を追い詰めるものへと変わっていく。
「んぅ……んっ、あっ……んんっ……」
濡れた熱が俺の口内を余すことなく撫で回し、指の腹が捏ねるように先端を撫で、手のひらが竿の部分を揉みしだく。脳に直接叩き込まれているような気持ちよさに堪えきれず、震える全身に合わせてこたつの板がカタカタ跳ねた。
揺らしていた腰がガクガク揺れるのと同時に、大きな彼の手に包まれている俺のものがビクビク震える。勢いよく放ってしまった熱いものが、汗ばんだ下着の中をじわりと濡らした。
「はっ……は、ぁ……ん……っ……」
まだ、甘い感覚に痺れている俺の頭を、温かい手のひらが優しく撫でてくれる。
「アオイ、大変可愛らしかったですよ……」
そう褒めてくれるだけでも、敏感になっている身体は貪欲に気持ちよさへと変えてしまうのに……うっとりとした声で囁いてくれるもんだから、堪らない。
「……バアルさん」
気がつけば、涙で濡れたような声で彼の名を呼んでしまっていたんだ。
熱のこもっていた瞳が揺れ、艷やかな笑みを浮かべていた唇がきゅっと結ばれる。ぴんっと立った触覚をそわそわ揺らしながら彼は俺の手を取り、指を絡めてくれた。
「……先に、ベッドへ参りましょうか」
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