205 / 924
私に構わず存分にイチャついてくれ!
しおりを挟む「ひょわっ……よ、ヨミ様、こんにちは」
「ごきげんよう、アオイ殿。うむ、今日もバアルと仲良しさんで何よりだ!」
地獄の現王様であるヨミ様は、本日もご機嫌麗しい。側頭部から生えている鋭い角は金属のような光沢を帯び、コウモリの形をした羽も大きくはためいている。
イケメンの奥義、爽やかな風も絶好調だ。シャンデリアの明かりによって光の輪が描かれるほど、黒く艷やかな長髪は軽やかに靡いている。
ファンタジー風貴族服の定番、金糸でツルのような装飾が施された黒の片マントもふわりと広がり、見栄えとして貢献している。
何よりも、名だたる芸術家が魂を込めて作られたと言っても過言ではないご尊顔に、眩い笑顔が浮かんでいらっしゃるんだからな。真っ赤な瞳も100カラットのルビーみたく輝いているし。
「より良い夫婦関係を維持していく為にも、スキンシップは必要不可欠であるからな! 私に構わず、存分にイチャついてくれ!」
一応、俺にだって自覚はある。あるんだが……通りのいい声で指摘され、尚且つ強く推奨されるとやっぱり恥ずかしい。
背中だけでなく額にも汗が滲んだのは、なにもこたつの温かさによるものだけではないだろう。
まぁ、前なんか……き、キスする5秒前を見られちゃってるんだから、今更なんだけどさ。
「あ、ありがとうございます……」
「うむっ」
「ヨミ様、お元気そうで何よりです。宜しければ此方のこたつへいらっしゃいませんか?」
顔から湯気が出ていそうな俺に対して、バアルさんはやっぱり流石だ。大人の余裕に満ちている。
俺と同じ立場どころか、お仕えしているお方にプライベートなひと時を見られたっていうのに。涼しいお顔で「立ち話もなんですから」とこたつを勧めている。
というか嬉しそうだ。触覚が弾むように揺れている。ヨミ様がご機嫌だからだろうな、多分。
「おお、よいのか? よいのだな?」
二段活用で尋ねつつも、いそいそと近づいてくるお顔はおもちゃを目にした子供のように輝いている。リアクションがバアルさんと似てて、ほっこりしちゃうな。
「はい、どうぞどうぞ」
「ありがとう、お邪魔させてもらおう」
俺達の向かいにヨミ様が静かに腰を下ろす。何故だろう、絵になる。ただこたつ布団を捲って入っただけなのに。
あふれる優美なオーラが、キラキラなエフェクトやらなんやらを生み出しているんだろうか。
ぼんやりしていた俺に代わってバアルさんが口を開く。
「アオイ様が仰ることには……一度入ると抜け出せない、魔性の魅力を持った暖房器具とのことでございます」
俺の意見という主観が含まれまくった概要を伝えるその声は、真剣そのものだ。機密事項でも話してるのかなってくらいに。
「成る程、確かに……程よい温かさが心地よいな」
「さらには、此方でみかんを頂くことが定番だそうです」
どうぞお召し上がり下さい、とキレイに分けられたみかんを主の前に差し出している。
勿論、緑茶も一緒という手際の良さだ。俺を抱き抱えたままだというのに、いつの間に準備したんだろうか。
「ほう……では、有り難くいただくことにしよう」
口の端をゆるりと持ち上げ、黒手袋を纏った指がみかんを一房摘む。大きな手が俺の頭を撫でながら、軽く頭を下げた。
お二人のやり取りになんとなく、お主も悪よのう……的な時代劇の場面が、頭を過ぎったのは気のせいだろうか。
「んっ、素晴らしく美味しいな!」
気のせいだったな。すっごく甘いぞ! と目を輝かせるヨミ様のお姿に、気持ちだけでなく室内にもほっこりとした空気が満ちていく。
あっという間に平らげて、そわそわとカゴのみかんへと視線を送る彼に、すかさずバアルさんがキレイに剥いたお代わりを差し出した。
術によって、バアルさんが補充してくれているんだろう。定期的に、中央にあるみかんの山が復活しているお陰もあり、気がつけば着々と皮製お花のタワーが形成されつつあった。俺達の前だけでなく、ヨミ様の前にも。
幸せな甘さと温かさに心を満たされ、ところてん方式で抜け落ちていった俺だけでなく、ヨミ様自身もすっかりご用件を忘れてしまっていた頃。バアルさんがぽつりと尋ねた。
「ところでヨミ様、先程の雪を用意した……とは、どういうことでしょうか?」
すっかり肩への顎乗せが、お決まりになっているせいだ。耳元で囁く穏やかな低音が、頭どころか腰の辺りにまで響いてしまう。
さらには、そわそわしてしまっている俺の現状をバアルさんは知ってか知らずか。頬をぴたりと寄せるだけでなく、程よく柔らかい胸筋を背中にむぎゅっと押し付けてくるもんだから大変だ。すでに心臓がはしゃぎ始めているしな。
いくら推奨されたからって、堂々とし過ぎじゃないか? ……嬉しいけどさ。
「おお、そうであった! アオイ殿のいた現世では今の時期、雪が降るそうだからな。修練所にて再現したのだ、雪景色とやらをな」
存分にイチャつけ! と申されただけあって、正面のお方はマイペースだ。
優雅に傾けていた湯呑みを静かに置き「一面真っ白であるからなっ驚くぞ!」と夕焼けのような真っ赤な瞳を輝かせている。
「そうだったんですか。いつもすみません、気を使わせてしまって……」
ホントに、いつもお世話になりっぱなしだ。ある時は、二人でハロウィンを楽しんで欲しいからと、お揃いの衣装を用意してくれて。
またある時は、自力でバアルさんへの誕生日プレゼントを買える様に、俺でも出来るお仕事を持ってきてくれて。
なんなら、親衛隊まで作っていただいたもんな。俺がバアルさんの、大事な……お、奥さんだからってさ。
「お気になさる必要はございませんよ。御自身も息抜きに遊びたい……という下心が満載でございますから」
有り難さよりも申し訳無さが勝っていた俺を、柔らかい低音が受け取っていいんだと優しく促す。
「はは、バレたか。一度、雪合戦なるものをやってみたくてな! 付き合ってくれるだろうか?」
続けて通りのいい弾んだ声が、賑やかな催しへと誘ってくれた。胸を満たす温かさに目の奥まで熱くなってしまう。
「はいっ」
「それからアオイ様……斯様な時は、すみませんではなく……ありがとう、が適切かと存じます」
「そう、ですね……ありがとうございますっ、ヨミ様!」
鋭い瞳を細め「うむっ!」と大きく頷いたヨミ様の笑顔が眩しい。
込み上げる何かが邪魔をして、上手く笑えなかったけど。それでも精一杯の笑顔を返した。
「ごきげんよう、アオイ殿。うむ、今日もバアルと仲良しさんで何よりだ!」
地獄の現王様であるヨミ様は、本日もご機嫌麗しい。側頭部から生えている鋭い角は金属のような光沢を帯び、コウモリの形をした羽も大きくはためいている。
イケメンの奥義、爽やかな風も絶好調だ。シャンデリアの明かりによって光の輪が描かれるほど、黒く艷やかな長髪は軽やかに靡いている。
ファンタジー風貴族服の定番、金糸でツルのような装飾が施された黒の片マントもふわりと広がり、見栄えとして貢献している。
何よりも、名だたる芸術家が魂を込めて作られたと言っても過言ではないご尊顔に、眩い笑顔が浮かんでいらっしゃるんだからな。真っ赤な瞳も100カラットのルビーみたく輝いているし。
「より良い夫婦関係を維持していく為にも、スキンシップは必要不可欠であるからな! 私に構わず、存分にイチャついてくれ!」
一応、俺にだって自覚はある。あるんだが……通りのいい声で指摘され、尚且つ強く推奨されるとやっぱり恥ずかしい。
背中だけでなく額にも汗が滲んだのは、なにもこたつの温かさによるものだけではないだろう。
まぁ、前なんか……き、キスする5秒前を見られちゃってるんだから、今更なんだけどさ。
「あ、ありがとうございます……」
「うむっ」
「ヨミ様、お元気そうで何よりです。宜しければ此方のこたつへいらっしゃいませんか?」
顔から湯気が出ていそうな俺に対して、バアルさんはやっぱり流石だ。大人の余裕に満ちている。
俺と同じ立場どころか、お仕えしているお方にプライベートなひと時を見られたっていうのに。涼しいお顔で「立ち話もなんですから」とこたつを勧めている。
というか嬉しそうだ。触覚が弾むように揺れている。ヨミ様がご機嫌だからだろうな、多分。
「おお、よいのか? よいのだな?」
二段活用で尋ねつつも、いそいそと近づいてくるお顔はおもちゃを目にした子供のように輝いている。リアクションがバアルさんと似てて、ほっこりしちゃうな。
「はい、どうぞどうぞ」
「ありがとう、お邪魔させてもらおう」
俺達の向かいにヨミ様が静かに腰を下ろす。何故だろう、絵になる。ただこたつ布団を捲って入っただけなのに。
あふれる優美なオーラが、キラキラなエフェクトやらなんやらを生み出しているんだろうか。
ぼんやりしていた俺に代わってバアルさんが口を開く。
「アオイ様が仰ることには……一度入ると抜け出せない、魔性の魅力を持った暖房器具とのことでございます」
俺の意見という主観が含まれまくった概要を伝えるその声は、真剣そのものだ。機密事項でも話してるのかなってくらいに。
「成る程、確かに……程よい温かさが心地よいな」
「さらには、此方でみかんを頂くことが定番だそうです」
どうぞお召し上がり下さい、とキレイに分けられたみかんを主の前に差し出している。
勿論、緑茶も一緒という手際の良さだ。俺を抱き抱えたままだというのに、いつの間に準備したんだろうか。
「ほう……では、有り難くいただくことにしよう」
口の端をゆるりと持ち上げ、黒手袋を纏った指がみかんを一房摘む。大きな手が俺の頭を撫でながら、軽く頭を下げた。
お二人のやり取りになんとなく、お主も悪よのう……的な時代劇の場面が、頭を過ぎったのは気のせいだろうか。
「んっ、素晴らしく美味しいな!」
気のせいだったな。すっごく甘いぞ! と目を輝かせるヨミ様のお姿に、気持ちだけでなく室内にもほっこりとした空気が満ちていく。
あっという間に平らげて、そわそわとカゴのみかんへと視線を送る彼に、すかさずバアルさんがキレイに剥いたお代わりを差し出した。
術によって、バアルさんが補充してくれているんだろう。定期的に、中央にあるみかんの山が復活しているお陰もあり、気がつけば着々と皮製お花のタワーが形成されつつあった。俺達の前だけでなく、ヨミ様の前にも。
幸せな甘さと温かさに心を満たされ、ところてん方式で抜け落ちていった俺だけでなく、ヨミ様自身もすっかりご用件を忘れてしまっていた頃。バアルさんがぽつりと尋ねた。
「ところでヨミ様、先程の雪を用意した……とは、どういうことでしょうか?」
すっかり肩への顎乗せが、お決まりになっているせいだ。耳元で囁く穏やかな低音が、頭どころか腰の辺りにまで響いてしまう。
さらには、そわそわしてしまっている俺の現状をバアルさんは知ってか知らずか。頬をぴたりと寄せるだけでなく、程よく柔らかい胸筋を背中にむぎゅっと押し付けてくるもんだから大変だ。すでに心臓がはしゃぎ始めているしな。
いくら推奨されたからって、堂々とし過ぎじゃないか? ……嬉しいけどさ。
「おお、そうであった! アオイ殿のいた現世では今の時期、雪が降るそうだからな。修練所にて再現したのだ、雪景色とやらをな」
存分にイチャつけ! と申されただけあって、正面のお方はマイペースだ。
優雅に傾けていた湯呑みを静かに置き「一面真っ白であるからなっ驚くぞ!」と夕焼けのような真っ赤な瞳を輝かせている。
「そうだったんですか。いつもすみません、気を使わせてしまって……」
ホントに、いつもお世話になりっぱなしだ。ある時は、二人でハロウィンを楽しんで欲しいからと、お揃いの衣装を用意してくれて。
またある時は、自力でバアルさんへの誕生日プレゼントを買える様に、俺でも出来るお仕事を持ってきてくれて。
なんなら、親衛隊まで作っていただいたもんな。俺がバアルさんの、大事な……お、奥さんだからってさ。
「お気になさる必要はございませんよ。御自身も息抜きに遊びたい……という下心が満載でございますから」
有り難さよりも申し訳無さが勝っていた俺を、柔らかい低音が受け取っていいんだと優しく促す。
「はは、バレたか。一度、雪合戦なるものをやってみたくてな! 付き合ってくれるだろうか?」
続けて通りのいい弾んだ声が、賑やかな催しへと誘ってくれた。胸を満たす温かさに目の奥まで熱くなってしまう。
「はいっ」
「それからアオイ様……斯様な時は、すみませんではなく……ありがとう、が適切かと存じます」
「そう、ですね……ありがとうございますっ、ヨミ様!」
鋭い瞳を細め「うむっ!」と大きく頷いたヨミ様の笑顔が眩しい。
込み上げる何かが邪魔をして、上手く笑えなかったけど。それでも精一杯の笑顔を返した。
67
お気に入りに追加
489
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】帝王様は、表でも裏でも有名な飼い猫を溺愛する
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
BL
離地暦201年――人類は地球を離れ、宇宙で新たな生活を始め200年近くが経過した。貧困の差が広がる地球を捨て、裕福な人々は宇宙へ進出していく。
狙撃手として裏で名を馳せたルーイは、地球での狙撃の帰りに公安に拘束された。逃走経路を疎かにした結果だ。表では一流モデルとして有名な青年が裏路地で保護される、滅多にない事態に公安は彼を疑うが……。
表も裏もひっくるめてルーイの『飼い主』である権力者リューアは公安からの問い合わせに対し、彼の保護と称した強制連行を指示する。
権力者一族の争いに巻き込まれるルーイと、ひたすらに彼に甘いリューアの愛の行方は?
【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう
【注意】※印は性的表現有ります
実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる