151 / 1,047
甘ったるい空気に背中を押されて
しおりを挟む
フッと開いた視界に、いつものシンプルな白いシャツと黒いズボン姿のバアルさんが映る。
また彼の手によって、キレイさっぱり着替えさせてもらったんだろう。ぼんやりとした頭のまま自分の姿を確認すると、見慣れたトレーナーとズボンを身に着けていたんだ。
ふいに頭をよしよしと撫でてもらい、つられて視線を戻せば穏やかな微笑みに迎えられる。
コスプレした彼も素敵だけど、やっぱり普段の彼もカッコいいなぁ……
俺に腕枕をしてくれながら触覚を揺らし、白い水晶のように透き通った羽をはためかせているバアルさん。リラックスしている様子の彼に見惚れていると、どこか照れくさそうに綻んだ唇が、俺の頬にそっと触れてくれた。
「あまり、そのような愛らしい顔で見つめないで下さい……また、年甲斐もなく高揚してしまいます。貴方様に無理を強いてしまったばかりだというのに……」
「へへ、やった。それって……俺にドキドキしてくれたってことですよね?」
「……アオイ様」
耳まで赤く染めた彼から「ですからお止めください……」と言われたものの、頬がだらしなく緩んでしまう。
さっきよりも、ぶわりと大きく広がった半透明の羽が落ち着きなくぱたぱた動いている。困ったように微笑む彼の貴重な照れた姿に、ほっこり温まった胸が弾んでしまう。
俺達の間にふわふわと漂う甘ったるい空気に、背中を押されたのかもしれない。それが当然みたいに自然と自分の口をくっつけていたんだ。バアルさんの、形のいい唇に。
何度か軽く押しつけたり離したりを繰り返していると、くすりと笑う声と一緒に熱い吐息を唇に感じた。
目を開ければ煌めく緑の瞳とかち合った。そのまま息が乱れてしまうまで、ずっと引き締まった腕の中に閉じ込められてしまったんだ。
また彼の手によって、キレイさっぱり着替えさせてもらったんだろう。ぼんやりとした頭のまま自分の姿を確認すると、見慣れたトレーナーとズボンを身に着けていたんだ。
ふいに頭をよしよしと撫でてもらい、つられて視線を戻せば穏やかな微笑みに迎えられる。
コスプレした彼も素敵だけど、やっぱり普段の彼もカッコいいなぁ……
俺に腕枕をしてくれながら触覚を揺らし、白い水晶のように透き通った羽をはためかせているバアルさん。リラックスしている様子の彼に見惚れていると、どこか照れくさそうに綻んだ唇が、俺の頬にそっと触れてくれた。
「あまり、そのような愛らしい顔で見つめないで下さい……また、年甲斐もなく高揚してしまいます。貴方様に無理を強いてしまったばかりだというのに……」
「へへ、やった。それって……俺にドキドキしてくれたってことですよね?」
「……アオイ様」
耳まで赤く染めた彼から「ですからお止めください……」と言われたものの、頬がだらしなく緩んでしまう。
さっきよりも、ぶわりと大きく広がった半透明の羽が落ち着きなくぱたぱた動いている。困ったように微笑む彼の貴重な照れた姿に、ほっこり温まった胸が弾んでしまう。
俺達の間にふわふわと漂う甘ったるい空気に、背中を押されたのかもしれない。それが当然みたいに自然と自分の口をくっつけていたんだ。バアルさんの、形のいい唇に。
何度か軽く押しつけたり離したりを繰り返していると、くすりと笑う声と一緒に熱い吐息を唇に感じた。
目を開ければ煌めく緑の瞳とかち合った。そのまま息が乱れてしまうまで、ずっと引き締まった腕の中に閉じ込められてしまったんだ。
64
お気に入りに追加
521
あなたにおすすめの小説

【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる