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親衛隊の皆さんとの初顔合わせ
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イケメンの圧ってスゴいよな。
いや、ほら……熱心に見つめられ続けると身体が勝手に強張っちゃうし。黙っているだけでも、整った容姿から溢れる輝きで眩しくなったりするだろ?
だからさ……今俺が、引き締まったバアルさんの腰にしがみついてしまってるのも。彼の上等な黒いスーツのジャケットを握り締めて、思いっきりシワを寄せてしまってるのも。全部、色んなタイプのイケメンな皆さん方から放たれている、ピカピカなオーラに圧倒されているからなんだよ。
うん、決して人見知り……いや、悪魔見知り? しちゃってる訳じゃあない。ないハズだ。
床は勿論、壁も天井も青い石造りのだだっ広い屋内演習場には、なんとも言えない空気が漂っていた。宥めるように俺の背を撫でてくれているバアルさん以外皆、妙にそわそわしているからなのかもしれない。
こういう時にガンガン物事を進めていってくれる、現地獄の王様であるヨミ様は残念ながら今日は不在だ。昨日、バアルさんの戦う姿を存分に観戦した分、お仕事の方面でシワ寄せがきてしまったらしい。
となれば、隊長であるレダさんが進行してくれるのかと思いきや……理由は分からないが、なんだか困っているみたい。
頭の形に沿って刈り上げられた短髪と同じ、薄茶色の整えられた顎髭をしきりに太い指で触っている
。色とりどりの勲章が胸元を飾る軍服のコートから垂れている、ライオンみたいな尻尾の先を忙しなく揺らしながら、口を真一文字に閉ざしてしまっている。
彼の後ろで整列している6人の、鈍く光る鎧を纏った兵士さん。恐れ多くも、今日から俺の親衛隊になってくれる方々も、ひたすらに熱い眼差しを俺達に向けたまま、何故か固まってしまっている。特に一番左端の方なんか、ずっと小刻みに震えてしまっているしさ。
皆さんイケメンなのは、今更驚きもしない。そんな中でも震えている彼は、いかにも騎士とか、王子様とか。そんな配役が似合いそうなお顔をしている。緊張からか、強張っちゃっているけれど。
鋭い水色の瞳で俺達を見つめている彼には、狼みたいな耳と尻尾が生えている。サラサラな白銀の髪と同じ色の耳はピンと立ち、腰の辺りから生えているふわふわな尻尾は、絶え間なくブンブンと揺れている。
……もしかしなくても、彼はバアルさんのファンなんだろうか?
白い頬は真っ赤に染まり、感極まったように瞳が潤んでいて、今にも泣いてしまいそう。これは、間違いないのでわ? いや、そうに違いない。バアルさんはカッコいいからな。
鍛え上げられた男らしい体躯、渋いお髭やシワは勿論だが。上品な立ち振る舞いや仕草、柔らかくてどこか色っぽい雰囲気も堪らなく素敵なのだ。そんなバアルさんに、心惹かれてしまう気持ちは滅茶苦茶分かる。熱い握手を交わしたいレベルで。
でも、心配だな……あの調子だと、バアルさんが何か喋っただけでも泣き崩れてしまいそうだ。
隣で分厚い胸を張り背筋を伸ばしている、ツンツンとした黒髪に浅黒い肌がワイルドな兵士さん。彼も俺と同じ気持ちなのかもしれない。なんだか心配そうに、狼さんな彼をチラチラ見ている。
あのワニみたいな黒い尻尾……見覚えがあるな。そういえば昨日、隣の彼を助けようとして一緒に飛ばされてしまっていたっけ、バアルさんに。……お友達なんだろうか。
「あー……お前達、お二方の御前で緊張しているのは分かるが、そろそろ自己紹介くらいしたらどうだ?」
軽く咳払いをして、レダさんが重たい沈黙を破った。途端に空気がざわつく中、よりにもよって一番状態が万全でないであろう狼さんな彼に、白羽の矢が立ってしまった。
レダさんに目で促され、白銀の耳と尻尾がピンと立つ。全身を小刻みに震わせながら、関節が錆びついたようなぎこちない動きで、俺達の前に歩み出てきた。
隣にいた彼は勿論のこと、側頭部から牛の角を生やした兵士さん、馬のような耳と尻尾を持つ兵士さんも、どこか心配そうにガタイのいい身体を揺らしていた。
「……ッ……あ、あの…………お、俺……俺……」
……なんだか、自分の姿を見ているみたいだ。
おそらく彼にとって憧れの対象であるバアルさんを前にして、上手く言葉が出ずにただただ喉を、全身を震わせている姿は。
……きっとこの方も俺と同じで、何回もシミュレーションを重ねてきて、脳内ではスマートに自己紹介を決めれていたんだろうなぁ……
勝手に決めつけ、すっかり共感してしまっていた俺は、どうにか彼に助け船を出せないかと脳みそをフル回転させていた。
そうして頭の中で、自己紹介といえば……初対面の挨拶といえば……と連想ゲームが始まった結果、俺の思考はぶっ飛んだ着地の仕方をすることになる。
「……バアルさんっ」
突然呼びかけ、手を差し出すという突拍子もない行動を取ったにもかかわらず、優しくて察しのいい彼は「……心得ました」と微笑みながら白い手袋に覆われた手をそっと重ねてくれた。
「失礼しますっ」
「……へっ? え?」
バアルさんと手を繋いだまま、白銀の毛に覆われた兵士さんの手を拝借する。俺と同じ形をしているものの分厚い肉球がある彼の手のひらを、俺とバアルさんで包み込むように重ねてから、ぎゅっと握った。
そう、俺は思い至ってしまったのだ。テレビのニュースとかでお偉いさん方が3人で、手と手を重ねて握手しながら微笑む姿を。おまけに実行に移してしまったのだ。これはもしかして……ナイスアイディアなんじゃないか!? と一人勝手に舞い上がって。
「俺、アオイっていいます。これからよろしくお願いしますね」
「……あ、あ……っ……」
結果がこの大惨事である。助けるどころか、止めを刺してしまった。泣かせてしまったんだ。俺の思いつきのせいで。
端正な顔を歪ませ、ボロボロと大粒の涙をこぼしながら嗚咽を漏らす彼の姿に、俺はもうパニック寸前だ。
「ご、ごめんなさいっ……いきなり馴れ馴れしくしてしまって……」
「あ……う、ちが……ぐすっ……俺……」
「大丈夫ですよ。コイツ、ただ感極まっちゃってるだけなんで」
静まり返ってしまっていた空気に、快活な声が響く。
先程隣にいたお友達っぽい兵士さんが、俯き震える彼の後ろからひょこっと現れた。黒い鱗に覆われた太い腕を、泣きじゃくる彼の肩にドカッと乗せてから、無遠慮に白銀の短髪をわしゃわしゃ撫で回した。
「へ?」
「ちょっ……おま……」
「シアンっていうんですけど……コイツ、バアル様とアオイ様のファンなんですよ。しかも重度の」
「ああ、やっぱり…………って俺も!?」
鋭い牙を生やした口を大きく開け、カラカラと笑う彼からの思いがけない発言に、大きな声を上げてしまった。それどころか、バアルさんの手と一緒にふわもふな手も、両手で強く握り締めてしまっていた。
ビクッとガッシリとした肩を跳ねさせたシアンさんが、いまだに赤く染まった頬を濡らしながらおずおずと頷く。
……全くもって信じられないが、本当のことらしい。いや勿論、バアルさんのファンってとこに関しては、納得でしかないんだけどさ。
「はい……ってか、ウチの連中で貴方のファンじゃないヤツはいませんよ? 皆とっくの昔に、さっきのお日様みたいな笑顔のトリコになってるんで」
ファンじゃないヤツはいない? お日様……? トリコに……?
ますます信じられない言葉の数々に、頭から湯気が出てしまいそう。けれども追撃は止まらない。黄色の瞳を細めた彼の言葉に、開いた口が塞がらない。
「因みに、俺は貴方の焼き菓子に胃袋掴まれちゃってます」
「ひょわっ……あ、ありがとうございまふ……」
「いえ、こちらこそ。いつもありがとうございます」
今度は別の方向性でパニックになりかけている俺の目は、自然と信じてやまない大切な人の方へと向いていた。
少し見上げた視界には、当然でしょうと言わんばかりに、うんうんと頷く彼の姿が。上機嫌に触覚を揺らし、半透明の羽をはためかせているバアルさんの姿が映る。
宝石のように煌めく緑の瞳とかち合った途端、ふわりと微笑みかけてくれた、やったぁ。
続けて常識人であるレダさんの方へと視線を移したものの、どこか困ったように太い眉を下げるだけ。ライオンのような耳を忙しなくピコピコ動かして笑いながら、頷くだけだった。
因みに彼の後ろで並ぶ、鳥の翼を持つ兵士さんや、猫の耳と尻尾を生やした兵士さんも同じく頷いている。
「だから気にせず、どんどん握っちゃってくださいよ。あ、遅れて申し訳ないですけど、俺はサロメっていいます。コイツの番が終わったら、是非俺とも握手してくださいね」
爽やかな笑みを浮かべ「よろしくお願いしますっ」と会釈したサロメさんをきっかけに、がらりと空気が賑やかなものに変わった。お前達だけズルいぞ! と顔も体格もいい皆さんに、あっという間に囲まれてしまったんだ。
バアルさんと一緒に彼らと握手を交わしている内に、黒い鱗を纏った腕に肩を組まれているシアンさんの表情には、自然な笑顔が戻っていた。いたんだけど……すっかり安心した俺が名前を呼んだせいで、また彼を涙ぐませてしまったんだ。
いや、ほら……熱心に見つめられ続けると身体が勝手に強張っちゃうし。黙っているだけでも、整った容姿から溢れる輝きで眩しくなったりするだろ?
だからさ……今俺が、引き締まったバアルさんの腰にしがみついてしまってるのも。彼の上等な黒いスーツのジャケットを握り締めて、思いっきりシワを寄せてしまってるのも。全部、色んなタイプのイケメンな皆さん方から放たれている、ピカピカなオーラに圧倒されているからなんだよ。
うん、決して人見知り……いや、悪魔見知り? しちゃってる訳じゃあない。ないハズだ。
床は勿論、壁も天井も青い石造りのだだっ広い屋内演習場には、なんとも言えない空気が漂っていた。宥めるように俺の背を撫でてくれているバアルさん以外皆、妙にそわそわしているからなのかもしれない。
こういう時にガンガン物事を進めていってくれる、現地獄の王様であるヨミ様は残念ながら今日は不在だ。昨日、バアルさんの戦う姿を存分に観戦した分、お仕事の方面でシワ寄せがきてしまったらしい。
となれば、隊長であるレダさんが進行してくれるのかと思いきや……理由は分からないが、なんだか困っているみたい。
頭の形に沿って刈り上げられた短髪と同じ、薄茶色の整えられた顎髭をしきりに太い指で触っている
。色とりどりの勲章が胸元を飾る軍服のコートから垂れている、ライオンみたいな尻尾の先を忙しなく揺らしながら、口を真一文字に閉ざしてしまっている。
彼の後ろで整列している6人の、鈍く光る鎧を纏った兵士さん。恐れ多くも、今日から俺の親衛隊になってくれる方々も、ひたすらに熱い眼差しを俺達に向けたまま、何故か固まってしまっている。特に一番左端の方なんか、ずっと小刻みに震えてしまっているしさ。
皆さんイケメンなのは、今更驚きもしない。そんな中でも震えている彼は、いかにも騎士とか、王子様とか。そんな配役が似合いそうなお顔をしている。緊張からか、強張っちゃっているけれど。
鋭い水色の瞳で俺達を見つめている彼には、狼みたいな耳と尻尾が生えている。サラサラな白銀の髪と同じ色の耳はピンと立ち、腰の辺りから生えているふわふわな尻尾は、絶え間なくブンブンと揺れている。
……もしかしなくても、彼はバアルさんのファンなんだろうか?
白い頬は真っ赤に染まり、感極まったように瞳が潤んでいて、今にも泣いてしまいそう。これは、間違いないのでわ? いや、そうに違いない。バアルさんはカッコいいからな。
鍛え上げられた男らしい体躯、渋いお髭やシワは勿論だが。上品な立ち振る舞いや仕草、柔らかくてどこか色っぽい雰囲気も堪らなく素敵なのだ。そんなバアルさんに、心惹かれてしまう気持ちは滅茶苦茶分かる。熱い握手を交わしたいレベルで。
でも、心配だな……あの調子だと、バアルさんが何か喋っただけでも泣き崩れてしまいそうだ。
隣で分厚い胸を張り背筋を伸ばしている、ツンツンとした黒髪に浅黒い肌がワイルドな兵士さん。彼も俺と同じ気持ちなのかもしれない。なんだか心配そうに、狼さんな彼をチラチラ見ている。
あのワニみたいな黒い尻尾……見覚えがあるな。そういえば昨日、隣の彼を助けようとして一緒に飛ばされてしまっていたっけ、バアルさんに。……お友達なんだろうか。
「あー……お前達、お二方の御前で緊張しているのは分かるが、そろそろ自己紹介くらいしたらどうだ?」
軽く咳払いをして、レダさんが重たい沈黙を破った。途端に空気がざわつく中、よりにもよって一番状態が万全でないであろう狼さんな彼に、白羽の矢が立ってしまった。
レダさんに目で促され、白銀の耳と尻尾がピンと立つ。全身を小刻みに震わせながら、関節が錆びついたようなぎこちない動きで、俺達の前に歩み出てきた。
隣にいた彼は勿論のこと、側頭部から牛の角を生やした兵士さん、馬のような耳と尻尾を持つ兵士さんも、どこか心配そうにガタイのいい身体を揺らしていた。
「……ッ……あ、あの…………お、俺……俺……」
……なんだか、自分の姿を見ているみたいだ。
おそらく彼にとって憧れの対象であるバアルさんを前にして、上手く言葉が出ずにただただ喉を、全身を震わせている姿は。
……きっとこの方も俺と同じで、何回もシミュレーションを重ねてきて、脳内ではスマートに自己紹介を決めれていたんだろうなぁ……
勝手に決めつけ、すっかり共感してしまっていた俺は、どうにか彼に助け船を出せないかと脳みそをフル回転させていた。
そうして頭の中で、自己紹介といえば……初対面の挨拶といえば……と連想ゲームが始まった結果、俺の思考はぶっ飛んだ着地の仕方をすることになる。
「……バアルさんっ」
突然呼びかけ、手を差し出すという突拍子もない行動を取ったにもかかわらず、優しくて察しのいい彼は「……心得ました」と微笑みながら白い手袋に覆われた手をそっと重ねてくれた。
「失礼しますっ」
「……へっ? え?」
バアルさんと手を繋いだまま、白銀の毛に覆われた兵士さんの手を拝借する。俺と同じ形をしているものの分厚い肉球がある彼の手のひらを、俺とバアルさんで包み込むように重ねてから、ぎゅっと握った。
そう、俺は思い至ってしまったのだ。テレビのニュースとかでお偉いさん方が3人で、手と手を重ねて握手しながら微笑む姿を。おまけに実行に移してしまったのだ。これはもしかして……ナイスアイディアなんじゃないか!? と一人勝手に舞い上がって。
「俺、アオイっていいます。これからよろしくお願いしますね」
「……あ、あ……っ……」
結果がこの大惨事である。助けるどころか、止めを刺してしまった。泣かせてしまったんだ。俺の思いつきのせいで。
端正な顔を歪ませ、ボロボロと大粒の涙をこぼしながら嗚咽を漏らす彼の姿に、俺はもうパニック寸前だ。
「ご、ごめんなさいっ……いきなり馴れ馴れしくしてしまって……」
「あ……う、ちが……ぐすっ……俺……」
「大丈夫ですよ。コイツ、ただ感極まっちゃってるだけなんで」
静まり返ってしまっていた空気に、快活な声が響く。
先程隣にいたお友達っぽい兵士さんが、俯き震える彼の後ろからひょこっと現れた。黒い鱗に覆われた太い腕を、泣きじゃくる彼の肩にドカッと乗せてから、無遠慮に白銀の短髪をわしゃわしゃ撫で回した。
「へ?」
「ちょっ……おま……」
「シアンっていうんですけど……コイツ、バアル様とアオイ様のファンなんですよ。しかも重度の」
「ああ、やっぱり…………って俺も!?」
鋭い牙を生やした口を大きく開け、カラカラと笑う彼からの思いがけない発言に、大きな声を上げてしまった。それどころか、バアルさんの手と一緒にふわもふな手も、両手で強く握り締めてしまっていた。
ビクッとガッシリとした肩を跳ねさせたシアンさんが、いまだに赤く染まった頬を濡らしながらおずおずと頷く。
……全くもって信じられないが、本当のことらしい。いや勿論、バアルさんのファンってとこに関しては、納得でしかないんだけどさ。
「はい……ってか、ウチの連中で貴方のファンじゃないヤツはいませんよ? 皆とっくの昔に、さっきのお日様みたいな笑顔のトリコになってるんで」
ファンじゃないヤツはいない? お日様……? トリコに……?
ますます信じられない言葉の数々に、頭から湯気が出てしまいそう。けれども追撃は止まらない。黄色の瞳を細めた彼の言葉に、開いた口が塞がらない。
「因みに、俺は貴方の焼き菓子に胃袋掴まれちゃってます」
「ひょわっ……あ、ありがとうございまふ……」
「いえ、こちらこそ。いつもありがとうございます」
今度は別の方向性でパニックになりかけている俺の目は、自然と信じてやまない大切な人の方へと向いていた。
少し見上げた視界には、当然でしょうと言わんばかりに、うんうんと頷く彼の姿が。上機嫌に触覚を揺らし、半透明の羽をはためかせているバアルさんの姿が映る。
宝石のように煌めく緑の瞳とかち合った途端、ふわりと微笑みかけてくれた、やったぁ。
続けて常識人であるレダさんの方へと視線を移したものの、どこか困ったように太い眉を下げるだけ。ライオンのような耳を忙しなくピコピコ動かして笑いながら、頷くだけだった。
因みに彼の後ろで並ぶ、鳥の翼を持つ兵士さんや、猫の耳と尻尾を生やした兵士さんも同じく頷いている。
「だから気にせず、どんどん握っちゃってくださいよ。あ、遅れて申し訳ないですけど、俺はサロメっていいます。コイツの番が終わったら、是非俺とも握手してくださいね」
爽やかな笑みを浮かべ「よろしくお願いしますっ」と会釈したサロメさんをきっかけに、がらりと空気が賑やかなものに変わった。お前達だけズルいぞ! と顔も体格もいい皆さんに、あっという間に囲まれてしまったんだ。
バアルさんと一緒に彼らと握手を交わしている内に、黒い鱗を纏った腕に肩を組まれているシアンさんの表情には、自然な笑顔が戻っていた。いたんだけど……すっかり安心した俺が名前を呼んだせいで、また彼を涙ぐませてしまったんだ。
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