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二度目のアクロバット謝罪
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まず、先に一言だけ言わせて欲しい。俺は別にビビりというわけではないんだ。
そりゃあ、ちょっとホラーな映画や漫画を見た後は、なんか暗闇が気になったり、妙に後ろが気になったりはするけどさ。
それは誰にだって、ちょっとくらいは身に覚えがあることだろ? なにも俺だけじゃないハズだ。
ん? あー…………悪い、話が逸れたな。だから、その、結局何が言いたいかっていうと。
たとえ二回目だとしても、突然、凄まじい音と一緒に来訪されたら、グラスの一つや二つぶん投げちまうってことだ。意味が分からないって? 俺にも分からん。
「誠に申し訳なかったっ!!」
地獄の方たちの謝罪方法ってのは、随分とアクロバットなものなんだな……
どうでもいいことを頭の片隅で思いながら、口に含んでいた水を飲み下す。
鼻腔をくすぐる爽やかなレモンの香り、喉を通っていくひんやりとした水の心地よさ。お陰で少しだけ落ち着いたのか、強ばっていた腕の力が自然と緩んでいく。
結局、また隣のバアルさんに抱きついて、高そうな黒いスーツに、くっきりとシワを作ってしまったという事実に、変わりはないのだけれども。
「……先程、サタン様にも申し上げましたが、まずは自己紹介から始めるのが礼儀ではございませんか?」
聞き心地のいい低音が、咎めるような言葉を紡ぐ。部屋に入ってきた途端に、俺達の前でジャンピング土下座をかましてきた男性に向かって。
彼は、サタン様とそっくりの山羊みたいな鋭い角を両側頭部に生やしていた。背中に広げた、コウモリたいな形をした真っ黒な羽も、これまたそっくり、瓜二つだ。
体格は違っていたけれど。男らしくはあるけれど、モデルさんっぽいというか、スタイルのいい長身だ。バアルさんより細めかな。黒くて艷やかな髪は長く、くびれた腰まで届いている。
一向に顔を上げる気配のない男性に、バアルさんは、ふぅっと短く息を吐いた。
俺の背中をぽん、ぽんっとあやすように撫でていた、白い手袋に覆われた手が離れていく。おもむろに指先で空中にすっと線を引いた。すると、きらびやかな装飾で彩られた、開きっぱなしの大きな扉がゆっくりと閉まっていく。
俺が思わずぶん投げたグラスもだ。時が止まったかのように宙で静止していた、レモン水入りの透明なグラスが、意思を持ったかのように飛んでいく。ソファーに座る俺達の前にある、銀の装飾が施されたローテーブルへと。
そうして、ちょこんと着地した。床を覆うふわふわの絨毯に、その中身を一滴もこぼすことなく。
流石、元地獄のトップであるサタン様から、一級品だと言われていただけはあるな。相変わらず見事な腕前だ。
俺でも頑張って練習すれば、彼みたく何でもないような顔で、スマートに魔術を駆使出来るようになれるんだろうか。
つい、カッコいいなぁ……と憧れの眼差しで見つめていたのがバレたんだろう。
いくつもの六角形のレンズで構成されている、宝石みたいに綺麗な緑色の複眼が俺を捉え、細められる。カッチリと撫でつけられたオールバックの生え際、そこから生えている触覚が上機嫌そうに揺れ始める。
綺麗に整えられた白い髭が似合う口元が、ふわりと綻んだ瞬間。心臓が鷲掴みされたかのように大きく跳ねた。再び彼の大事な仕事着である執事服を、強く握り締めてしまっていた。
「……確かに貴殿の言う通りだな」
ようやく顔を上げてくれた男性の瞳は燃え盛る炎のように赤く、鋭い光を宿していた。
サタン様とは似ているようで少し違う威圧感に、ぽやぽやしかけていた頭から浮かれた熱がサッと引いていく。
サタン様もだが、この人もこの人だ。いくら絨毯が敷かれているとはいえ、青い石造りの床の上で正座をしたまま、話を続けようとするなんて。
「俺、アオイっていいます。まずは、ソファーに座っていただけませんか?」
とにかく、こちらがいち早く口を挟むことで、先手を打たせていただくことに。したのだが。
「ああ、勿論存じているとも。申し遅れてすまない、私はヨミだ。しかしアオイ殿、貴殿のお気持ちは大変有り難いのだが……」
それでもなお頑なに、腰を持ち上げようとしてくれない。それどころか、ますます申し訳なさそうに整った顔をしかめ、再び頭を垂れようとする。
だから、あの戦法を使ってみることにした。
「落ち着かないんです」
「む?」
「俺がっ、落ち着かないんですっ。胃がキリキリしてきちゃうんですよっ、だから俺を助けると思ってお願いしますっ」
サタン様の時にも使い、成功した、なりふり構わず拝み倒す戦法だ。
頼むから、効いて欲しい。これでもダメだったら、どうしたら。
「成る程、それは確かによくないな。では貴殿のご厚意に甘えることにしよう」
クスリと小さな笑みをこぼしたヨミ様が、立ち上がり、胸元に手を当て俺に向かって頭を下げる。
込めていた肩の力が、やっとこさ抜けていった。
ヨミ様が身に纏っているのは、例えるならばファンタジーものの漫画やゲームとかで王子様が着ていそうな服装だ。その衣装と同じく黒の、裾に金色の糸で細かい刺繍が施されたマントをはためかせている。
俺達の向かいのソファーの真ん中へと腰を下ろし、すらりと伸びた足を組んだ。
その立ち振舞いや、纏う雰囲気には気品が満ちあふれている。っていうか……なんだかスゴく絵になる人だな。いや悪魔か。
この部屋に来て、初めて表情を和らげたヨミ様は、微笑みかけるだけで周囲から黄色い声が上がりそう。爽やかイケメンって感じだ。
見た目は20代くらいにしか見えない。だけど、やっぱりスゴく年上なんだろうな、絶対。
それにしても地獄の方達って、全体的に顔面偏差値が高くないか?
バアルさんが、スゴく渋くてカッコいいのは勿論だけどさ。サタン様だってタイプは違うけど整った顔立ちをしていたし。
なんなら死神の少年とそのお師匠さんだって。今思い出せば、普通に美少年と美青年だったよなぁ……どうなってんだ?
「アオイ殿、お寛ぎのところ大変申し訳ない」
「え? いえ、全然大丈夫ですよ。そもそも俺、ここに住まわせてもらっている身ですし」
柔らかい声と、ふわりと漂う嗅ぎ慣れた甘い香りに、引っ張られていた思考が引き戻される。
隣にいたハズのバアルさんは、彼らしいというかなんというか。すでにヨミ様と俺の分のハーブティーを淹れ終えている。
いつの間に用意したんだろうか。色んな種類のナッツが、たっぷり散りばめられた太い棒状のチョコレートケーキを、切り分けているところだった。テーブルの脇にある、いつもの配膳ワゴンの上で。
「……父上からお聞きした通り、心の広い御方のようだ」
「父上って……もしかしてサタン様のこと、ですか?え、それじゃあヨミ様って……」
「ああ、改めて地獄の王としてお詫びさせていただきたい。本当にすまなかった」
顎に手を当てぽつりと呟いたヨミ様が、スッと立ち上がり、深く頭を下げる。
「あ、頭を上げてくださいっ……もう、俺、十分お詫びは受け取ってますからっ」
ここに来ることになった経緯は、正直、理不尽極まりないものだったけど。
お陰で、俺は出会えたのだ。
普通に人生を終えていたのならば、決して道が交わることがなかったであろう人に。生まれ変わらなくても、天国に行けなくてもいいから側に居たいと思える人に。
「バアルさんに出会えただけで……俺……」
「……バアルが、どうかしたのか?」
ぽつんと降ってきた思いがけない疑問の声に。弾かれたように顔を上げれば、きょとんと首を傾げ俺を見下ろす赤色。
慌てて横を向けば、ぱたぱたと半透明の羽をはためかせ喜びに煌めく緑色とかち合う。
そこでようやくだった。自分の心の内を、今現在、間抜けに開いている口からばっちり、漏らしてしまっていたことに気づいたのは。
「あっ…………」
「アオイ殿?」
「い、いや、その……と、とにかくっ! この通り、元気に暮らさせてもらっているのでっ!!」
この場から逃げ出したくなるほどの恥ずかしさで、一気に茹だってしまった頭では、上手い言い訳なんて思い浮かぶ訳がない。
挙げ句、勢いよく立ち上がり、ワタワタ両手を動かすという奇っ怪な行動を取り始めてしまっていた。
そんな俺に対して、血筋なのか、元々のお人柄なのか、ヨミ様は特に追求することはなかった。
そうだな、何はともあれ元気であることが一番だからな、と朗らかな笑みを向けてくれたのだ。
そりゃあ、ちょっとホラーな映画や漫画を見た後は、なんか暗闇が気になったり、妙に後ろが気になったりはするけどさ。
それは誰にだって、ちょっとくらいは身に覚えがあることだろ? なにも俺だけじゃないハズだ。
ん? あー…………悪い、話が逸れたな。だから、その、結局何が言いたいかっていうと。
たとえ二回目だとしても、突然、凄まじい音と一緒に来訪されたら、グラスの一つや二つぶん投げちまうってことだ。意味が分からないって? 俺にも分からん。
「誠に申し訳なかったっ!!」
地獄の方たちの謝罪方法ってのは、随分とアクロバットなものなんだな……
どうでもいいことを頭の片隅で思いながら、口に含んでいた水を飲み下す。
鼻腔をくすぐる爽やかなレモンの香り、喉を通っていくひんやりとした水の心地よさ。お陰で少しだけ落ち着いたのか、強ばっていた腕の力が自然と緩んでいく。
結局、また隣のバアルさんに抱きついて、高そうな黒いスーツに、くっきりとシワを作ってしまったという事実に、変わりはないのだけれども。
「……先程、サタン様にも申し上げましたが、まずは自己紹介から始めるのが礼儀ではございませんか?」
聞き心地のいい低音が、咎めるような言葉を紡ぐ。部屋に入ってきた途端に、俺達の前でジャンピング土下座をかましてきた男性に向かって。
彼は、サタン様とそっくりの山羊みたいな鋭い角を両側頭部に生やしていた。背中に広げた、コウモリたいな形をした真っ黒な羽も、これまたそっくり、瓜二つだ。
体格は違っていたけれど。男らしくはあるけれど、モデルさんっぽいというか、スタイルのいい長身だ。バアルさんより細めかな。黒くて艷やかな髪は長く、くびれた腰まで届いている。
一向に顔を上げる気配のない男性に、バアルさんは、ふぅっと短く息を吐いた。
俺の背中をぽん、ぽんっとあやすように撫でていた、白い手袋に覆われた手が離れていく。おもむろに指先で空中にすっと線を引いた。すると、きらびやかな装飾で彩られた、開きっぱなしの大きな扉がゆっくりと閉まっていく。
俺が思わずぶん投げたグラスもだ。時が止まったかのように宙で静止していた、レモン水入りの透明なグラスが、意思を持ったかのように飛んでいく。ソファーに座る俺達の前にある、銀の装飾が施されたローテーブルへと。
そうして、ちょこんと着地した。床を覆うふわふわの絨毯に、その中身を一滴もこぼすことなく。
流石、元地獄のトップであるサタン様から、一級品だと言われていただけはあるな。相変わらず見事な腕前だ。
俺でも頑張って練習すれば、彼みたく何でもないような顔で、スマートに魔術を駆使出来るようになれるんだろうか。
つい、カッコいいなぁ……と憧れの眼差しで見つめていたのがバレたんだろう。
いくつもの六角形のレンズで構成されている、宝石みたいに綺麗な緑色の複眼が俺を捉え、細められる。カッチリと撫でつけられたオールバックの生え際、そこから生えている触覚が上機嫌そうに揺れ始める。
綺麗に整えられた白い髭が似合う口元が、ふわりと綻んだ瞬間。心臓が鷲掴みされたかのように大きく跳ねた。再び彼の大事な仕事着である執事服を、強く握り締めてしまっていた。
「……確かに貴殿の言う通りだな」
ようやく顔を上げてくれた男性の瞳は燃え盛る炎のように赤く、鋭い光を宿していた。
サタン様とは似ているようで少し違う威圧感に、ぽやぽやしかけていた頭から浮かれた熱がサッと引いていく。
サタン様もだが、この人もこの人だ。いくら絨毯が敷かれているとはいえ、青い石造りの床の上で正座をしたまま、話を続けようとするなんて。
「俺、アオイっていいます。まずは、ソファーに座っていただけませんか?」
とにかく、こちらがいち早く口を挟むことで、先手を打たせていただくことに。したのだが。
「ああ、勿論存じているとも。申し遅れてすまない、私はヨミだ。しかしアオイ殿、貴殿のお気持ちは大変有り難いのだが……」
それでもなお頑なに、腰を持ち上げようとしてくれない。それどころか、ますます申し訳なさそうに整った顔をしかめ、再び頭を垂れようとする。
だから、あの戦法を使ってみることにした。
「落ち着かないんです」
「む?」
「俺がっ、落ち着かないんですっ。胃がキリキリしてきちゃうんですよっ、だから俺を助けると思ってお願いしますっ」
サタン様の時にも使い、成功した、なりふり構わず拝み倒す戦法だ。
頼むから、効いて欲しい。これでもダメだったら、どうしたら。
「成る程、それは確かによくないな。では貴殿のご厚意に甘えることにしよう」
クスリと小さな笑みをこぼしたヨミ様が、立ち上がり、胸元に手を当て俺に向かって頭を下げる。
込めていた肩の力が、やっとこさ抜けていった。
ヨミ様が身に纏っているのは、例えるならばファンタジーものの漫画やゲームとかで王子様が着ていそうな服装だ。その衣装と同じく黒の、裾に金色の糸で細かい刺繍が施されたマントをはためかせている。
俺達の向かいのソファーの真ん中へと腰を下ろし、すらりと伸びた足を組んだ。
その立ち振舞いや、纏う雰囲気には気品が満ちあふれている。っていうか……なんだかスゴく絵になる人だな。いや悪魔か。
この部屋に来て、初めて表情を和らげたヨミ様は、微笑みかけるだけで周囲から黄色い声が上がりそう。爽やかイケメンって感じだ。
見た目は20代くらいにしか見えない。だけど、やっぱりスゴく年上なんだろうな、絶対。
それにしても地獄の方達って、全体的に顔面偏差値が高くないか?
バアルさんが、スゴく渋くてカッコいいのは勿論だけどさ。サタン様だってタイプは違うけど整った顔立ちをしていたし。
なんなら死神の少年とそのお師匠さんだって。今思い出せば、普通に美少年と美青年だったよなぁ……どうなってんだ?
「アオイ殿、お寛ぎのところ大変申し訳ない」
「え? いえ、全然大丈夫ですよ。そもそも俺、ここに住まわせてもらっている身ですし」
柔らかい声と、ふわりと漂う嗅ぎ慣れた甘い香りに、引っ張られていた思考が引き戻される。
隣にいたハズのバアルさんは、彼らしいというかなんというか。すでにヨミ様と俺の分のハーブティーを淹れ終えている。
いつの間に用意したんだろうか。色んな種類のナッツが、たっぷり散りばめられた太い棒状のチョコレートケーキを、切り分けているところだった。テーブルの脇にある、いつもの配膳ワゴンの上で。
「……父上からお聞きした通り、心の広い御方のようだ」
「父上って……もしかしてサタン様のこと、ですか?え、それじゃあヨミ様って……」
「ああ、改めて地獄の王としてお詫びさせていただきたい。本当にすまなかった」
顎に手を当てぽつりと呟いたヨミ様が、スッと立ち上がり、深く頭を下げる。
「あ、頭を上げてくださいっ……もう、俺、十分お詫びは受け取ってますからっ」
ここに来ることになった経緯は、正直、理不尽極まりないものだったけど。
お陰で、俺は出会えたのだ。
普通に人生を終えていたのならば、決して道が交わることがなかったであろう人に。生まれ変わらなくても、天国に行けなくてもいいから側に居たいと思える人に。
「バアルさんに出会えただけで……俺……」
「……バアルが、どうかしたのか?」
ぽつんと降ってきた思いがけない疑問の声に。弾かれたように顔を上げれば、きょとんと首を傾げ俺を見下ろす赤色。
慌てて横を向けば、ぱたぱたと半透明の羽をはためかせ喜びに煌めく緑色とかち合う。
そこでようやくだった。自分の心の内を、今現在、間抜けに開いている口からばっちり、漏らしてしまっていたことに気づいたのは。
「あっ…………」
「アオイ殿?」
「い、いや、その……と、とにかくっ! この通り、元気に暮らさせてもらっているのでっ!!」
この場から逃げ出したくなるほどの恥ずかしさで、一気に茹だってしまった頭では、上手い言い訳なんて思い浮かぶ訳がない。
挙げ句、勢いよく立ち上がり、ワタワタ両手を動かすという奇っ怪な行動を取り始めてしまっていた。
そんな俺に対して、血筋なのか、元々のお人柄なのか、ヨミ様は特に追求することはなかった。
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