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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
そこは、甘やかしてくれちゃダメだから
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「はぁぁ……」
わしゃわしゃされながら聞こえてきたのは、肺の中身を全て吐き出しているような。長い長い溜め息だった。
「えっと……ソレイユ、さん……?」
自然と俺はさん付けをしてしまっていた。それが、余計に彼の何かに触れてしまったのだろう。
額にサラリとかかっていた柔らかな髪を、いかにも煩わしげにかき上げてから、勢いよく手を伸ばしてくる。
「ああっ、もうっ、ホントにシュンってばっ……!」
万が一にでもソレイユが俺に何かをしてくる訳がない。分かっているし、信じてはいるのだけれども、つい反射的に目を瞑ってしまっていた。
「ひぇ、ご、ごめんなさ」
「可愛いっ、ホント可愛いっ! そんなに可愛くてどうするつもりなんだよ、オレを!!」
「え、あ……ソレイ、んぅ……」
ただ、片腕で抱き締めてくれるようにのしかかられたってだけ。そんな可愛い現状に気がつけた時には口づけてもらえていた。
「ん、はぅ……ぁ……」
息が乱れてしまうほどに繰り返し口づけてもらえてから、ソレイユが口を離す。
けれども離れようとはしなかった。軽く体重をかけて俺にのしかかっているまま、くっつけてきた額を擦り寄せてくる。その表情は少しだけスッキリしているように見えた。
「あー……ちょっとだけ満たされた……でも、次はないからね? ホント大人しくして、あぁ、でも、素直に言ってくれるのはスゴく嬉しかったから、嬉しかったんだけどさぁ……」
いや、まだダメみたい。すぐにまた眉間に不機嫌なシワが刻まれてしまっていた。それどころか、何かを堪えるように、何かに苦しんでいるかのように、あーだの、うーだの悶えてしまっている。
明らかに困らせてしまっている彼の様子に関しては申し訳なく思うものの、つい浮かれてしまう。
「可愛いことばっかり言われちゃったら、オレ、ますますシュンに夢中になっちゃう……優しく出来なくなっちゃうからさ……」
早口で伝えてくれている言葉の数々が嬉し過ぎて、話してくれている最中だってのに俺からもお返しを、またキスをしたくて堪らなくなってしまう。
そもそも、ソレイユが俺に夢中になってくれるんだったら……どんなことをしてもらえちゃっても俺としては大歓迎で……
「あ、ストップ」
「ん、ぇ?」
急に冷静なった声色と、急に感情が抜け落ちたかのような無表情に変な声が出てしまう。温かな重みにのしかかってもらえているのに、何だか背中が寒くなってきて。
「今さぁ、言ってくれようとしてたでしょ? 夢中になってくれるなら、優しく出来なくてもいいってさ」
「う……」
「ダメだから、そこは甘やかしてくれちゃダメだから。衝動に任せてやっちゃって後悔するのはオレなんだからね?」
「は、はい……ごめんなさい……」
途端にコロリと微笑んでくれた瞳に、自然とホッと息が漏れていた。
もしかしなくてもソレイユは、さっきのさっきまでどういう顔をしていたのか分かっていないんだろうか。何事もなかったかのように俺に微笑みかけながら、よしよしと頭を撫でてくれた。
「よろしい。じゃあ、ゆっくりするから……また何かあったら、ちょっとしたことでもちゃんと言うんだよ?」
「はい……」
離れていってしまう前に一度だけ、触れるだけのキスをくれてからソレイユは身体を起こした。
実はソレイユも緊張してくれていたりするんだろうか。改めて俺が足を持ち上げた時、彼の白い頬がほんのりと染まっているように見えたんだ。手を伸ばしてくれる前に、静かに深呼吸をしていたんだ。
わしゃわしゃされながら聞こえてきたのは、肺の中身を全て吐き出しているような。長い長い溜め息だった。
「えっと……ソレイユ、さん……?」
自然と俺はさん付けをしてしまっていた。それが、余計に彼の何かに触れてしまったのだろう。
額にサラリとかかっていた柔らかな髪を、いかにも煩わしげにかき上げてから、勢いよく手を伸ばしてくる。
「ああっ、もうっ、ホントにシュンってばっ……!」
万が一にでもソレイユが俺に何かをしてくる訳がない。分かっているし、信じてはいるのだけれども、つい反射的に目を瞑ってしまっていた。
「ひぇ、ご、ごめんなさ」
「可愛いっ、ホント可愛いっ! そんなに可愛くてどうするつもりなんだよ、オレを!!」
「え、あ……ソレイ、んぅ……」
ただ、片腕で抱き締めてくれるようにのしかかられたってだけ。そんな可愛い現状に気がつけた時には口づけてもらえていた。
「ん、はぅ……ぁ……」
息が乱れてしまうほどに繰り返し口づけてもらえてから、ソレイユが口を離す。
けれども離れようとはしなかった。軽く体重をかけて俺にのしかかっているまま、くっつけてきた額を擦り寄せてくる。その表情は少しだけスッキリしているように見えた。
「あー……ちょっとだけ満たされた……でも、次はないからね? ホント大人しくして、あぁ、でも、素直に言ってくれるのはスゴく嬉しかったから、嬉しかったんだけどさぁ……」
いや、まだダメみたい。すぐにまた眉間に不機嫌なシワが刻まれてしまっていた。それどころか、何かを堪えるように、何かに苦しんでいるかのように、あーだの、うーだの悶えてしまっている。
明らかに困らせてしまっている彼の様子に関しては申し訳なく思うものの、つい浮かれてしまう。
「可愛いことばっかり言われちゃったら、オレ、ますますシュンに夢中になっちゃう……優しく出来なくなっちゃうからさ……」
早口で伝えてくれている言葉の数々が嬉し過ぎて、話してくれている最中だってのに俺からもお返しを、またキスをしたくて堪らなくなってしまう。
そもそも、ソレイユが俺に夢中になってくれるんだったら……どんなことをしてもらえちゃっても俺としては大歓迎で……
「あ、ストップ」
「ん、ぇ?」
急に冷静なった声色と、急に感情が抜け落ちたかのような無表情に変な声が出てしまう。温かな重みにのしかかってもらえているのに、何だか背中が寒くなってきて。
「今さぁ、言ってくれようとしてたでしょ? 夢中になってくれるなら、優しく出来なくてもいいってさ」
「う……」
「ダメだから、そこは甘やかしてくれちゃダメだから。衝動に任せてやっちゃって後悔するのはオレなんだからね?」
「は、はい……ごめんなさい……」
途端にコロリと微笑んでくれた瞳に、自然とホッと息が漏れていた。
もしかしなくてもソレイユは、さっきのさっきまでどういう顔をしていたのか分かっていないんだろうか。何事もなかったかのように俺に微笑みかけながら、よしよしと頭を撫でてくれた。
「よろしい。じゃあ、ゆっくりするから……また何かあったら、ちょっとしたことでもちゃんと言うんだよ?」
「はい……」
離れていってしまう前に一度だけ、触れるだけのキスをくれてからソレイユは身体を起こした。
実はソレイユも緊張してくれていたりするんだろうか。改めて俺が足を持ち上げた時、彼の白い頬がほんのりと染まっているように見えたんだ。手を伸ばしてくれる前に、静かに深呼吸をしていたんだ。
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