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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

緊張なんて、解れるどころか吹き飛んでいったんだけれども

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 このまま軽くのしかかられたまま交わしてもらえている内に、深いものへと変わっていくものかと。

「ん、ふぁ……ソレイユ……」

 密かにしていた期待は外れて、ソレイユは離れていってしまった。最後に名残惜しそうに長い睫毛を伏せて、ゆっくり唇を食んでくれたもんだから余計に寂しくなってしまう。

 もっとしてくれてもいいのに。ソレイユも物足りないって思ってくれているなら。

「ごめんね、今からは集中しないとだからさ……後でいっぱいキスしようね」

 骨ばっているけれどもキレイな手で頬を撫でてくれてから、ソレイユは膝立ちで俺の身体を跨いだまま、側に置かれたままのローションを手にした。

 少し暗めな濃い緑色のチューブのキャップを外してから、トロリとした中身を手のひらへ出していく。ある程度を手のひらのくぼみへと溜めてから、キャップをしたチューブを再びシーツの上へと放った。

 甘ったるい香りが、仰向けに寝転がっている俺の方にまで漂ってくる。果物やお菓子とは違う、いかにも人工的に作られた香水のような香り。

 そんな何と例えたらいいのか分からない香りを漂わせながら、ソレイユは透明な液体を自分の両手に満遍なく塗りたくっていく。整えられた爪から、指の間まで。

 何だか、スキンケアでもしているみたいだ。

「よし、こんなもんかな」

 満足気に掲げた手が、ソレイユの長い指が部屋の照明の元でテラテラと艶めいている。

 何だかそわそわしてしまう。おかしなことに喉まで渇いてきて。

「じゃあ、シュンちゃん……ちょっと協力してもらいたいことがあるんだけど」

「は、はい、何をすればいいですか?」

 そんな折に話しかけられたもんだから、声がひっくり返りそうになってしまった。

「両足をさ、持ち上げて欲しいんだけど」

 そうして変に動揺していたもんだから、逆にあっさりと出来たのかもしれない。

「足を……こう、ですか?」

 気がついたのは膝裏に手を添え、実際に持ち上げてみてからだった。

「あっ、ぅ……」

 ただでさえ無防備に晒していた自分のものを、今から練習に付き合ってもらうあそこを、よりソレイユに見てもらいやすいように自分から晒してしまっていたことに。

 大分遅れてやってきた気恥ずかしさに顔が一気に熱を持つ。けれども、止めようという気にはならなかった。

「ありがとう、練習中は常にこの体勢をキープしておいて欲しいんだけど……大丈夫?」

 そもそも俺が頼んだってのに。心配そうに細い眉を下げ、尋ねてきたソレイユを前にして今更。

「だ、大丈夫ですっ! 俺、頑張りますから、続けて下さ」

「はーい、シュンちゃんリラックス、リラックスー」

 遮ってきた声は、明るい調子で。微笑みながら続けた声は、優しく俺を励まそうとしてくれる。

「気楽にやろうよ、ね」

「は、はい……」

「もしさ、今日が上手くいかなくても、これから毎日少しずつやってくんだからさ。時間さえかければ最終的には、ぜーんぶバッチリ上手くいくって」

「は、はい……」

「シュンちゃん」

「はい……んぶっ」

 一瞬、何が起こったのか。

 俯きかけていた顔を上げさせられたかと思えば、急に柔らかくも弾力のある温かさが顔に押しつけられたもんだから、現状を把握するのに時間を要した。

 何をしてもらえているのか分かったら分かったで、半ばパニックになりかけてしまったけれども。嬉し過ぎて。

「そ、ソレイユっ……!?」

「どう? 少しは緊張、解れそう?」

 楽しそうに尋ねてくる声は、してやったりって感じ。手を使わずに器用に腕を俺の後頭部に回してから、鍛え抜かれて盛り上がった大胸筋を、揉み応え抜群な雄っぱいをムニムニ押しつけてきてくれる。

 いや、確かに緊張は解れる以前に吹っ飛んでいったけれども。尋ねられるまで緊張していたことも忘れちゃっていたけれども。

 ……ホントに心臓に悪いな。最高って意味で。
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