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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 心の中を見透かされたのかと

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 ふわふわするような余韻を全身に残すだけになっても、心音はますます煩く喚くばかり。それどころか影響は膝にまで。急な山道を長時間歩いてもいないのに勝手にガクガク震え出してしまっていた。

 膝をつかないように踏ん張ろうにも熱を持っている足の裏の感覚は曖昧で、上手く力が入らない。自分の力では立つことも難しくなってしまった俺は、咄嗟に目の前の逞しい二の腕を強く掴んでしまっていた。

「っあ、ごめんなさ……」

「大丈夫。オレも、結構丈夫だからさ」

 誰と比べているんだろうか。分からなかったが、その方が先輩にとっては都合が良かったようだ。

「ほら、遠慮しないで掴まって? もう、上手く立っていられないんでしょ?」

 俺の目線に合わせるように軽く屈んだ先輩は、何だかご機嫌そう。形のいい唇に柔らかな笑みを浮かべながら、俺の手をご自身の括れた首に回させようと誘導してくれる。

 うなじのところで手のひらを重ねれば、抱き寄せてもらえた。大きな手のひらが俺の腰を掴むように、そっと添えられる。いや、ようにじゃない。しっかりと鷲掴みにされて。

「ひゃっ、ちょっ、え?」

 濡れたタイルから足が離れていく。足元が迷子になるような浮遊感を感じたのもつかの間で、背中につるりとした感触が押し付けられた時には、そっと着地させてもらえていた。

 どうやら、浴室の壁際へと移動させられたらしい。いわゆる壁ドンをしてもらえているような体勢になっている。それにしても、どうして。

「これで、俺がシュンちゃんを支えられなくても大丈夫だよね?」

 成る程、そういう。

 さっきまでは、万が一俺が手を離してしまえば後ろへとひっくり返ってしまう恐れがあった。けれども、背を壁にくっつけている今では、そんな心配は一切ない。仮に腰を抜かしてしまっても、先輩の腕が届く範囲。ちゃんと抱き留めてくれることだろう。

「はい、ありがとうございます」

「んーん。単にオレが楽しみたいだけだし」

「へ? ……あぁっ」

 言葉ではなく、直接解らされてしまっていた。

 自由になった右手で乳首を摘まれて、左手で竿を握り込まれて、緩く力を込めれる。すでにどちらも熱く疼きっぱなし。硬さを確かめるように揉まれてしまうだけでも、十分な気持ちよさを感じてしまっていた。

「さっきはシュンちゃんを支えられるか心配で、あんまり本気出せなかったけど……もう、大丈夫だよね? シュンちゃんのこと甘やかしても」

「う……」

 もっと遠慮なく触って欲しい。甘やかして欲しい。気持ちに迷いはなかったが、言葉の方は。勇気を出せずにまごまごしてしまっている内に、肯定とみなされていた。

「んっ、あ、ひぁ……」

 指先で擽るように、ツンと主張してしまっている乳頭を弄られる。ただでさえ敏感なところを集中的に攻められてしまっているのに、あそこまでも。優しく握ってもらえていた竿までも、亀頭を包み込むように手のひらで包まれて、円を描くように撫で回されてしまっては。

「……イっちゃいそう?」

 心の中を見透かされたのかと。

「ん、ぅ……あっ、ふぁ……」

「ずっと気持ちよさそうな声、出ちゃってるよ……可愛いね」

「ひ、あっ、あっ……や、んっ、ん……」

 顔がカッと熱を持つ気恥ずかしさに、つい首を横に振ったものの事実は変わらない。

 今にも俺が下腹部に持て余している熱を放ってしまいそうなことも、半開きに開いたままの口からは情けなく上擦った声しか出せていないことも。

「……気持ちいいね? このままシュンのイイところよしよししてあげるから、いっぱい出しちゃおうね?」
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