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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)

★ 雄っぱい揉む?

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 ベッドの上で長い足を寛げて、向かい合う先輩はいつも通り。他愛のない話にでも花を咲かせそうなくらいに柔らかく微笑んでいる。

 お陰様で余計に心臓がおかしくなってしまう。全身すら揺らしてしまいそうなくらいに激しく高鳴らせてしまう。だって、ギャップがスゴい。

 胸元まで捲り上げていた服を脱ぎ捨てて鍛え抜かれた上半身を、白い素肌を、男らしくゴツゴツしつつもしなやかな、美しくくびれたボディラインを惜しげもなく晒してくれているのだから。

 それから、逞しい太腿の間も。先輩自身で寛げたままになっているズボンから見えてしまっている。股の付け根のラインが、これから俺が舐めさせてもらう逞しいものが。

 躊躇とか、気恥ずかしさとかとは一切無縁みたい。割れた腹筋の前でそそり勃っている雄を堂々と見せつけて、余裕たっぷりに俺の行動を待ってくれている。

「シュンちゃん」

「ひゃいっ」

 ああ、やっぱり俺とは全然。不意に優しい声で呼ばれただけで、声をひっくり返してしまった俺とは。

「雄っぱい揉む?」

「へ……?」

 思わず出ていた間の抜けた声と一緒に、ガチガチになっていた肩の力が抜けていった。

 いや、だって仕方がないだろう。何か飲む? くらいのカジュアルな感覚で、俺にとっては魅力的でしかないお誘いをしてきてくれたんだから。

 ぽけーっと見つめてしまっていた端正な顔がほんのりと赤く染まっていく。形の良い唇を拗ねたようにちょこんと尖らせながら、先輩はタレ目の瞳を泳がせた。

「いや、シュンちゃん、スゴく緊張してくれてるみたいだからさ。本番前のウォーミングアップっていうかさ」

「うぉーみんぐ……」

「あー……ほら、シュンちゃん、オレの触るの大好きでしょ?」

「それは、まぁ、大好きですね」

 そもそも、先輩のことが大好きだし。

「ん、んんっ……ありがと……」

 当たり前のことを聞かれたので当たり前のことを返せば、先輩は一瞬言葉を詰まらせた。何かを堪えるように目を閉じて眉間にシワを寄せている。

 ひと呼吸入れるように軽く深呼吸をして、口元を隠すように握り拳を当てて、わざとらしい咳払いをしてから続けた。

「そ、それでさ……さっき、シュンちゃんスゴくリラックスしてくれてたじゃん? 雄っぱい枕の時」

「……はい」

 思い出した途端、顔が熱を持ってしまう。

 先輩の前だってのに、だらしない顔、見せちゃってたもんなぁ。あんまりにも幸せで心地よかったとはいえ。今更ではあるんだけどさ。もう先輩には散々見られちゃってるし、見せちゃってるし。それでも。

 それでも、俺のこと……好きだって、可愛いって言ってもらえてるし。

 顔に集まっていた熱の意味が上書きされていた頃、先輩は人差し指で頬をかきながら言い出しづらそうに口を開いた。

「……だからさ、揉んだら緊張解れるかなって。その方が、よりシュンちゃんも楽しめるかなって」

 一瞬、胸の奥がきゅっとなって、それから込み上げてくる。

 胸の内を温かく満たされて、言葉をなくしてしまっていた俺を見て、先輩は何か勘違いをしてしまったんだろう。慌てたように言葉を重ねてきた。

「いや、こういう時って緊張も醍醐味だとは思うんだけどさ、あんまりガチガチし過ぎてもね……お互いに楽しんで気持ちよくなれた方がハッピーでしょ?」

 声よりも衝動の方が早かった。

「だからさ……うぉっと」

 飛びつくように抱きついてしまっていたのに、スラリと伸びた長身はびくともしない。その大きな手で軽々と俺を抱き支えてくれた。

「シュンちゃ」

「もう大分リラックス出来ました……先輩のお陰で」

 広い背中に回していた腕を緩めて、軽く腰を上げて額を重ねる。鼻先が、高い鼻先と触れ合えた途端、先輩は嬉しそうに瞳を細めた。

「ん……そっか、良かった」

「でも、それはそれとして……その、揉ませていただいてもいいですか?」

「フフ、いーよいーよ、好きなだけ揉んでいいからね」
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