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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
責任、取ってくれませんか……?
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先輩の上から身体を起こしかけていた俺を、長い腕が引き止めるように抱き締めてくる。
バランスを崩した俺は、倒れ込むように均整の取れた長身に再びのしかかってしまっていた。鼻先がほどよく盛り上がっている胸板に埋まってしまった。
ずっと香っていた爽やかなシャボンの香りが強くなる。嬉しいんだけれども、そんな場合じゃ。何で先輩が謝って。
「出来心だったっていうか、シュンちゃんがそういう気分になってくれないかなって……だから、シュンちゃんは悪くはないっていうか……」
出来心……? 俺がそういう気分に……? あれ? ってことは。
「つまりっ……確信犯でしたっ!」
俺が答えに辿り着くよりも先に、先輩が答えてしまっていた。何だか自棄気味に、ますます俺をぎゅうぎゅうと抱き締めながら。
「シュンちゃんにお強請りして欲しかったんです! 甘えて欲しかったんです!」
「なーんだ……良かった……」
「え?」
可愛らしい動機を聞いて、俺は安心していた。けれども今度は先輩が疑問を抱いたらしい。腕の力が緩んでいたので顔を上げれば、不思議そうに俺を見つめていた。
「……だって、先輩は元々俺を気持ちよくしようとしてくれてたんですよね? ……エッチな意味で」
自分が聞いたくせに顔が熱くなってしまう。でも、気恥ずかしくなっていたのは俺だけじゃあ。
「はい……その通りでございます……」
小さく頷いた中性的な顔が真っ赤に染まっている。先輩もだって分かったからか、背中の擽ったさが少し和らいでいた。
「……俺、うんざりしちゃってたんです」
「え……?」
「せっかく先輩が甘やかしてくれてるのに、変な気持ちに……その、気持ちよくなっちゃうなんて……ホントに俺、堪え性がないなって……」
「っ……そんなことは」
「でも」
最後まで言わせて欲しい。優しいフォローを遮れば、先輩は細い眉を下げながらも口を閉じてくれた。俺の言葉を待ってくれた。
「でも、最初っから先輩がそういうつもりで俺に触ってくれてたんだったら……ちゃんと俺、先輩の期待通りに気持ちよくなれてたんだったら……良かったです……嬉しいです……」
ところどころ、とっ散らかっていたかもしれない。それでも、なんとか。ちゃんと俺の気持ちを全部伝えることが出来ていた。
「シュンちゃん……」
そっと窺った先輩の顔は、さっきよりも赤くなっていた。申し訳無さそうに下がっていた眉は、緩やかなアーチに戻っている。形の良い唇も、照れたように尖らせていて。
「先輩……」
「は、はい……」
上体だけを起こして、先輩に覆い被さったまま四つん這いで進む。伸ばした手を先輩の顔の横へとつくと、幅広の肩が僅かに揺れた。俺の行動を見守っていた瞳も。
顔を寄せて額をくっつけても先輩は長い睫毛を瞬かせるだけ。俺の好きにさせたまま、何を言うでもなく見つめている。こんなチャンスって滅多にないかも。
高鳴る鼓動と不思議な高揚感に唆されて、俺は大胆になれていた。
「続きっていうか……今度は、ちゃんとがいいっていうか……つまり、ですね……」
重ねた額を擦り寄せるだけでなく、オレンジの瞳から目を離さずにいれた。
「責任、取ってくれませんか……? 先輩の手で俺のこと……気持ちよくして、欲しいんです……」
ちゃんと俺の意思で先輩にお強請りすることが出来ていた。
バランスを崩した俺は、倒れ込むように均整の取れた長身に再びのしかかってしまっていた。鼻先がほどよく盛り上がっている胸板に埋まってしまった。
ずっと香っていた爽やかなシャボンの香りが強くなる。嬉しいんだけれども、そんな場合じゃ。何で先輩が謝って。
「出来心だったっていうか、シュンちゃんがそういう気分になってくれないかなって……だから、シュンちゃんは悪くはないっていうか……」
出来心……? 俺がそういう気分に……? あれ? ってことは。
「つまりっ……確信犯でしたっ!」
俺が答えに辿り着くよりも先に、先輩が答えてしまっていた。何だか自棄気味に、ますます俺をぎゅうぎゅうと抱き締めながら。
「シュンちゃんにお強請りして欲しかったんです! 甘えて欲しかったんです!」
「なーんだ……良かった……」
「え?」
可愛らしい動機を聞いて、俺は安心していた。けれども今度は先輩が疑問を抱いたらしい。腕の力が緩んでいたので顔を上げれば、不思議そうに俺を見つめていた。
「……だって、先輩は元々俺を気持ちよくしようとしてくれてたんですよね? ……エッチな意味で」
自分が聞いたくせに顔が熱くなってしまう。でも、気恥ずかしくなっていたのは俺だけじゃあ。
「はい……その通りでございます……」
小さく頷いた中性的な顔が真っ赤に染まっている。先輩もだって分かったからか、背中の擽ったさが少し和らいでいた。
「……俺、うんざりしちゃってたんです」
「え……?」
「せっかく先輩が甘やかしてくれてるのに、変な気持ちに……その、気持ちよくなっちゃうなんて……ホントに俺、堪え性がないなって……」
「っ……そんなことは」
「でも」
最後まで言わせて欲しい。優しいフォローを遮れば、先輩は細い眉を下げながらも口を閉じてくれた。俺の言葉を待ってくれた。
「でも、最初っから先輩がそういうつもりで俺に触ってくれてたんだったら……ちゃんと俺、先輩の期待通りに気持ちよくなれてたんだったら……良かったです……嬉しいです……」
ところどころ、とっ散らかっていたかもしれない。それでも、なんとか。ちゃんと俺の気持ちを全部伝えることが出来ていた。
「シュンちゃん……」
そっと窺った先輩の顔は、さっきよりも赤くなっていた。申し訳無さそうに下がっていた眉は、緩やかなアーチに戻っている。形の良い唇も、照れたように尖らせていて。
「先輩……」
「は、はい……」
上体だけを起こして、先輩に覆い被さったまま四つん這いで進む。伸ばした手を先輩の顔の横へとつくと、幅広の肩が僅かに揺れた。俺の行動を見守っていた瞳も。
顔を寄せて額をくっつけても先輩は長い睫毛を瞬かせるだけ。俺の好きにさせたまま、何を言うでもなく見つめている。こんなチャンスって滅多にないかも。
高鳴る鼓動と不思議な高揚感に唆されて、俺は大胆になれていた。
「続きっていうか……今度は、ちゃんとがいいっていうか……つまり、ですね……」
重ねた額を擦り寄せるだけでなく、オレンジの瞳から目を離さずにいれた。
「責任、取ってくれませんか……? 先輩の手で俺のこと……気持ちよくして、欲しいんです……」
ちゃんと俺の意思で先輩にお強請りすることが出来ていた。
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