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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
貴方が好きなものを
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……ちゃ………ん……しゅ、ん……ちゃ……
「シュンちゃんっ」
「おわっ」
急に聞こえた先輩の声に、心臓も肩も大きく跳ねてしまっていた。声の方へと反射的に顔を向ければ、心配そうだった表情がホッと緩んでいく。
のもつかの間で、先輩はすぐに拗ねたように唇を尖らせた。
「もー心配したんだよ? シュンちゃんってば、ずーっとぼーっとしちゃってさ……オレが何回も話しかけても完全に上の空って感じだし」
「す、すみませんっ、ごめんなさいっ……今、何の話していて……俺達、何、しようとしていたんでしたっけ……?」
「もー……」
溜め息を吐く先輩は脱力したかのよう。モデル顔負けな長身を曲げ、長い腕をだらんと下ろしている。
当然の反応だろう。デートの最中でぼんやりしていた上に、今何をしようとしていたのかも分からなくなってしまっていたのだから。
とはいえ、俺だって大げさに言った訳では。言い訳じみてはいるが、ホントに頭ん中がふわふわしていて上手く働かないのだ。
えっと、確か……雑貨屋さんからアクセサリー屋さんに行って。そこでお揃いの指輪を選んで、それから。
「ちょっと疲れちゃったし、休憩も兼ねて約束通りにクレープ食べに行こうって。それで、今、こうしてお店の前までやって来てたんでしょ?」
「あ、そうっ、そうでしたっ」
先輩が目線で示した先には、すぐ近くには、可愛らしい外見のお店があった。途端に甘い香りが鼻を擽ってくる。
近くには、ベンチやいくつかのテーブル席があり、すでにその半数は笑顔のお客さん達で埋まっていた。出来立てのクレープを頬張っていたり、カラフルなジュースを片手に話しに花を咲かせている。
「ほら、オレ達も行こう? オレ、小腹空いちゃってさ。席も結構埋まってきちゃってるし、ね」
先輩は困ったように笑っていたものの、それ以上何かを追求するようなことはしなかった。すぐにいつもの人の良さそうな笑顔を俺に向けてくれた。繋いでいる手を軽く引きながら、俺の歩みを促してくる。
「は、はいっ」
やはり人気のお店なのだろう。前の時にも賑わっていたが、休日ともなれば。俺達が並ぶ前にもすでに列が形成されていたが、俺達の後ろにも。受付口へと近づくにつれて、新たなお客さん達が次々と加わり、列の長さを維持していた。
とはいえ、食べ歩いたり、持ち帰りをする人も一定数いた為、まだ席の空きには余裕がある。俺達もどこかしらには腰を落ち着けられそうだ。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
受付に居た二人の店員さんの内の一人が俺達に微笑みかけてきた。
どうやら、俺達の前の親子にはもう注文を取っていたようだ。もう一人の店員さんが、先に出来たクレープをお父さんの方へと渡している。
「シュンちゃんは何にする?」
「えっと……」
この前先輩が頼んでいたクレープって、確か……みかんのヤツだったよな。
目の前にあるメニュー表の中からみかんが主役のものを探す。目に止まったのはみかんホイップ。たっぷりなみかんの果肉に生クリームを添え、更にはその上からのみかんのソースをトッピングした、みかん尽くしな一品だ。
他にはみかんを使ってるのはないし、多分、これで合っているだろう。
「じゃあ、俺はみかんホイップで」
「じゃあ、オレはチョコバナ、ナ……って、え? みかんホイップ?」
「え?」
先輩が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。単純に、前に先輩が頼んでいたから食べてみたいなって頼んだだけなんだけど。
「あ、いや……前に先輩が頼んでいたから……その……」
素直に伝えれば、先輩の頬がほんのりと染まっていった。どこか気恥ずかしそうに目を逸らしながら、ぽつりと呟く
「……オレも」
「へ?」
「オレも、シュンちゃんが頼んでたから、さ……シュンちゃんの好きなのにしよっかなって……」
そういえば、前に頼んだっけ。チョコバナナ。
「シュンちゃんっ」
「おわっ」
急に聞こえた先輩の声に、心臓も肩も大きく跳ねてしまっていた。声の方へと反射的に顔を向ければ、心配そうだった表情がホッと緩んでいく。
のもつかの間で、先輩はすぐに拗ねたように唇を尖らせた。
「もー心配したんだよ? シュンちゃんってば、ずーっとぼーっとしちゃってさ……オレが何回も話しかけても完全に上の空って感じだし」
「す、すみませんっ、ごめんなさいっ……今、何の話していて……俺達、何、しようとしていたんでしたっけ……?」
「もー……」
溜め息を吐く先輩は脱力したかのよう。モデル顔負けな長身を曲げ、長い腕をだらんと下ろしている。
当然の反応だろう。デートの最中でぼんやりしていた上に、今何をしようとしていたのかも分からなくなってしまっていたのだから。
とはいえ、俺だって大げさに言った訳では。言い訳じみてはいるが、ホントに頭ん中がふわふわしていて上手く働かないのだ。
えっと、確か……雑貨屋さんからアクセサリー屋さんに行って。そこでお揃いの指輪を選んで、それから。
「ちょっと疲れちゃったし、休憩も兼ねて約束通りにクレープ食べに行こうって。それで、今、こうしてお店の前までやって来てたんでしょ?」
「あ、そうっ、そうでしたっ」
先輩が目線で示した先には、すぐ近くには、可愛らしい外見のお店があった。途端に甘い香りが鼻を擽ってくる。
近くには、ベンチやいくつかのテーブル席があり、すでにその半数は笑顔のお客さん達で埋まっていた。出来立てのクレープを頬張っていたり、カラフルなジュースを片手に話しに花を咲かせている。
「ほら、オレ達も行こう? オレ、小腹空いちゃってさ。席も結構埋まってきちゃってるし、ね」
先輩は困ったように笑っていたものの、それ以上何かを追求するようなことはしなかった。すぐにいつもの人の良さそうな笑顔を俺に向けてくれた。繋いでいる手を軽く引きながら、俺の歩みを促してくる。
「は、はいっ」
やはり人気のお店なのだろう。前の時にも賑わっていたが、休日ともなれば。俺達が並ぶ前にもすでに列が形成されていたが、俺達の後ろにも。受付口へと近づくにつれて、新たなお客さん達が次々と加わり、列の長さを維持していた。
とはいえ、食べ歩いたり、持ち帰りをする人も一定数いた為、まだ席の空きには余裕がある。俺達もどこかしらには腰を落ち着けられそうだ。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
受付に居た二人の店員さんの内の一人が俺達に微笑みかけてきた。
どうやら、俺達の前の親子にはもう注文を取っていたようだ。もう一人の店員さんが、先に出来たクレープをお父さんの方へと渡している。
「シュンちゃんは何にする?」
「えっと……」
この前先輩が頼んでいたクレープって、確か……みかんのヤツだったよな。
目の前にあるメニュー表の中からみかんが主役のものを探す。目に止まったのはみかんホイップ。たっぷりなみかんの果肉に生クリームを添え、更にはその上からのみかんのソースをトッピングした、みかん尽くしな一品だ。
他にはみかんを使ってるのはないし、多分、これで合っているだろう。
「じゃあ、俺はみかんホイップで」
「じゃあ、オレはチョコバナ、ナ……って、え? みかんホイップ?」
「え?」
先輩が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。単純に、前に先輩が頼んでいたから食べてみたいなって頼んだだけなんだけど。
「あ、いや……前に先輩が頼んでいたから……その……」
素直に伝えれば、先輩の頬がほんのりと染まっていった。どこか気恥ずかしそうに目を逸らしながら、ぽつりと呟く
「……オレも」
「へ?」
「オレも、シュンちゃんが頼んでたから、さ……シュンちゃんの好きなのにしよっかなって……」
そういえば、前に頼んだっけ。チョコバナナ。
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