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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
恋人に服を贈る意味
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頭の中も気分もふわふわしてしまっている内に、先輩はお会計を終わらせてしまっていた。選んでもらった服のままデートしたかったので、着ていた服を代わりに包んでもらった。
お店を後にした俺達は、モール内をぶらぶらと歩き始めた。これといったあてもなく、色々な種類のお店が並んでいる、情報量多めな大通りをゆっくりと進んでいく。
試着前、すっかり浮かれてしまっていた俺は、鼻歌交じりに服を吟味していた先輩をただただ見つめてしまっていた。そんなもんだから、値札なんて事前に確認している訳もなく。
「……先輩、さっきの服は……一体、おいくらで」
「ね、シュンちゃん。恋人に服を贈るのに、どんな意味が込められているか知ってる?」
「へ、意味……ですか?」
尋ねようとしたところで、食い気味に別の話題を被せられてしまった。
当たり前のように、荷物係も買って出てくれている優しい先輩。彼の長く引き締まった腕が、さり気なく俺の腰に回って抱き寄せてくれる。やっぱり、いい匂いがするな。
わざわざ遮ってきたのだ。聞き出そうと粘ったところで教えてはくれないのだろう。また、なんやかんやとはぐらかさるてしまいそう。
「……単純に、自分好みの服を着て欲しいってだけ、じゃないんですか?」
俺を見つめていたタレ目の瞳が、ご機嫌そうに細められる。
「せーかいっ! 他にはねぇ、自分の好意を受け取って欲しい! っていう意味もあるみたいだよ?」
「へぇ」
「それからね……」
行き交う人の流れから外れるように道の端の方へと、先輩が俺を導いていく。足を緩め、内緒話をするように耳元へと口を寄せてから囁いてきた。
「贈った服を脱がせたい……っていう意味もあるんだって……」
「は、ぇ……っ」
艶っぽい囁きに反して、その端正な顔に浮かんでいた微笑みは無邪気だった。まるで、悪戯に成功した子どものように、ニンマリと口角を上げている。
「ぐ、ま、また……俺のことからかって」
「本気だよ?」
「っ……」
かち合った眼差しの熱さに、落ち着きかけていた浮ついた気分がぶり返してしまいそうになる。心音なんかは、とっくにドキドキとはしゃいでしまっていて。
「だって、今日の夜から一緒に練習するでしょ? 我慢しなくても、イイんだよね?」
「そ、それは……まぁ、はい……」
俺だって望んでいることなのだ。背中の辺りがそわそわしてしまう気恥ずかしさをねじ伏せてから頷けば、またコロリと雰囲気が変わった。
満足そうに笑みを深めた先輩には、もう妖しい艶っぽさはない。また無邪気な彼に戻っている。
「フフ、楽しみだなぁ……」
俺を抱き寄せながらスキップでも踏み出しそうな、ほんわかとした空気。ホントに嬉しそうな表情に釣られて俺も微笑んでいた。
「楽しみ……といえば、さ」
先輩にしては珍しく、雑な話のフリ方だった。俺が先輩の方へと向いても視線は交わることもなくモールの通りの先へと、どこか遠くを見つめてしまっている。
続きの言葉を待っていると、整った横顔がみるみる内に赤く染まっていった。拗ねたようにちょこんと突き出された唇が、ぽつぽつと話し始める。
「……ちょっと、いや、かなり気が早い話になるんだけどさ……」
「……何ですか?」
「……またさ、シュンちゃんの服……選ばさせてもらっても、イイかな?」
お店を後にした俺達は、モール内をぶらぶらと歩き始めた。これといったあてもなく、色々な種類のお店が並んでいる、情報量多めな大通りをゆっくりと進んでいく。
試着前、すっかり浮かれてしまっていた俺は、鼻歌交じりに服を吟味していた先輩をただただ見つめてしまっていた。そんなもんだから、値札なんて事前に確認している訳もなく。
「……先輩、さっきの服は……一体、おいくらで」
「ね、シュンちゃん。恋人に服を贈るのに、どんな意味が込められているか知ってる?」
「へ、意味……ですか?」
尋ねようとしたところで、食い気味に別の話題を被せられてしまった。
当たり前のように、荷物係も買って出てくれている優しい先輩。彼の長く引き締まった腕が、さり気なく俺の腰に回って抱き寄せてくれる。やっぱり、いい匂いがするな。
わざわざ遮ってきたのだ。聞き出そうと粘ったところで教えてはくれないのだろう。また、なんやかんやとはぐらかさるてしまいそう。
「……単純に、自分好みの服を着て欲しいってだけ、じゃないんですか?」
俺を見つめていたタレ目の瞳が、ご機嫌そうに細められる。
「せーかいっ! 他にはねぇ、自分の好意を受け取って欲しい! っていう意味もあるみたいだよ?」
「へぇ」
「それからね……」
行き交う人の流れから外れるように道の端の方へと、先輩が俺を導いていく。足を緩め、内緒話をするように耳元へと口を寄せてから囁いてきた。
「贈った服を脱がせたい……っていう意味もあるんだって……」
「は、ぇ……っ」
艶っぽい囁きに反して、その端正な顔に浮かんでいた微笑みは無邪気だった。まるで、悪戯に成功した子どものように、ニンマリと口角を上げている。
「ぐ、ま、また……俺のことからかって」
「本気だよ?」
「っ……」
かち合った眼差しの熱さに、落ち着きかけていた浮ついた気分がぶり返してしまいそうになる。心音なんかは、とっくにドキドキとはしゃいでしまっていて。
「だって、今日の夜から一緒に練習するでしょ? 我慢しなくても、イイんだよね?」
「そ、それは……まぁ、はい……」
俺だって望んでいることなのだ。背中の辺りがそわそわしてしまう気恥ずかしさをねじ伏せてから頷けば、またコロリと雰囲気が変わった。
満足そうに笑みを深めた先輩には、もう妖しい艶っぽさはない。また無邪気な彼に戻っている。
「フフ、楽しみだなぁ……」
俺を抱き寄せながらスキップでも踏み出しそうな、ほんわかとした空気。ホントに嬉しそうな表情に釣られて俺も微笑んでいた。
「楽しみ……といえば、さ」
先輩にしては珍しく、雑な話のフリ方だった。俺が先輩の方へと向いても視線は交わることもなくモールの通りの先へと、どこか遠くを見つめてしまっている。
続きの言葉を待っていると、整った横顔がみるみる内に赤く染まっていった。拗ねたようにちょこんと突き出された唇が、ぽつぽつと話し始める。
「……ちょっと、いや、かなり気が早い話になるんだけどさ……」
「……何ですか?」
「……またさ、シュンちゃんの服……選ばさせてもらっても、イイかな?」
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