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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ 押し当てられた確かな熱
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抱き締めてくれている腕から、寄りかかってしまっている厚い胸板から、伝わってくる。ひっきりなしに昂っている鼓動が、熱が。先輩も、ドキドキしてくれていて。
「は、は……っ、あり、がとう……ん……ございます……」
「は……ぁ、ううん……大丈夫、シュンちゃ」
惹かれ合うように身体が動いていた。どちらともなく俺達は顔を寄せ合っていて、唇を重ねていた。
見上げて視線が絡んだだけ。それだけで、苦しいくらいに胸が高鳴って。先輩もだったのかな。触れ合った唇を、何度も擦り寄せてくれている。いっぱいキスしてくれて。
「ふ、は……ぁ、ん……んっ、ん……」
一体、どれくらいの間、夢中で交わし合っていたんだろうか。
急に先輩が離れていってしまった。外気に触れた唇が、ジンと熱く疼いてしまう。
「あ……」
よっぽど物足りなさを滲ませてしまっていたんだろうか。つい漏らしてしまっていた声にも、顔にも。
喉が鳴るような音が聞こえたかと思えば、先輩がぎゅっと目を瞑った。眉間にシワを寄せた表情は、酸っぱいものでも食べてしまったみたい。窄められた幅の広い肩が小刻みに震えている。
「先輩……? おわ……っ」
大きな手が伸びてきて、頬を掴まれた。手のひらに顎を乗せるような形で、人差し指と親指でむぎゅっと。
意図を読めずにいると、先輩が目を開けていた。じっと俺を見つめていた。
熱のこもったオレンジの瞳は、沈みゆく夕陽よりも眩い。鼻筋の通った顔が、ゆっくりと近付いてくる。
あ、まただ。また、キスしてもらえて。
「ん……」
察しの良い先輩と違って、俺は先輩の表情やら仕草から、その気持ちを汲み取ることは難しい。でも、今は何となく分かった。喜んでもらえているんじゃないかなって。
白い頬を染めながら送ってくれている、絶え間のない口づけに夢見心地になってしまう。甘く唇を食んでくれる柔らかな温もりに浸っていると、腰を強く抱き寄せられた。
「は、ふ……んぅ……」
ふと感じた確かな熱。それは、抱き締めてくれている腕でもなく、密着している筋肉質な長身でもない。
それは、丁度俺の太ももに当たっていた。硬く芯を持っていて、時々その熱さを俺に分からせるみたいに、ぐいっと押し当てられていた。
……先輩自身は無意識なんだろうけど、これって、やっぱり。
「ん、ぁ……せ、んぱ、んむ、ふ……っ」
熱烈なキスの合間に、どうにかねじ込んだ呼びかけに、先輩はすぐさま気づいてくれた。名残惜しそうに下唇を食んでくれてから、止めてくれた。
息継ぎをしたいと思われたのかも。すぐにでも再開出来るようにする為か、鼻先が触れ合う距離のまま尋ねてきた。
「……どうか、した……?」
「……ぁ」
至近距離で、それも熱のこもった瞳で見つめられてしまうと言葉が引っ込んでしまう。喉が締め付けられているみたいに、息が抜けるような音しか出せない。
はくはくと口を開いては、閉じては。ただ空気を取り込むだけになっていた俺に、先輩が手を伸ばしてきた。
「……ん?」
ゆるりと瞳を細めて、小首を傾げる様が色っぽい。大きな手のひらが頬を撫で、骨ばった長い指が顎の裏を擽ってくる。
その手つきはどれも優しくて。温かな気持ちが伝わってくる。俺を安心させようとしてくれている、先輩の思いやりが。
言うべきことではないのかもしれない。でも。
「……その……太、ももに……先輩の、当たって……」
今更誤魔化すことなんて、俺には出来なかった。
「は、は……っ、あり、がとう……ん……ございます……」
「は……ぁ、ううん……大丈夫、シュンちゃ」
惹かれ合うように身体が動いていた。どちらともなく俺達は顔を寄せ合っていて、唇を重ねていた。
見上げて視線が絡んだだけ。それだけで、苦しいくらいに胸が高鳴って。先輩もだったのかな。触れ合った唇を、何度も擦り寄せてくれている。いっぱいキスしてくれて。
「ふ、は……ぁ、ん……んっ、ん……」
一体、どれくらいの間、夢中で交わし合っていたんだろうか。
急に先輩が離れていってしまった。外気に触れた唇が、ジンと熱く疼いてしまう。
「あ……」
よっぽど物足りなさを滲ませてしまっていたんだろうか。つい漏らしてしまっていた声にも、顔にも。
喉が鳴るような音が聞こえたかと思えば、先輩がぎゅっと目を瞑った。眉間にシワを寄せた表情は、酸っぱいものでも食べてしまったみたい。窄められた幅の広い肩が小刻みに震えている。
「先輩……? おわ……っ」
大きな手が伸びてきて、頬を掴まれた。手のひらに顎を乗せるような形で、人差し指と親指でむぎゅっと。
意図を読めずにいると、先輩が目を開けていた。じっと俺を見つめていた。
熱のこもったオレンジの瞳は、沈みゆく夕陽よりも眩い。鼻筋の通った顔が、ゆっくりと近付いてくる。
あ、まただ。また、キスしてもらえて。
「ん……」
察しの良い先輩と違って、俺は先輩の表情やら仕草から、その気持ちを汲み取ることは難しい。でも、今は何となく分かった。喜んでもらえているんじゃないかなって。
白い頬を染めながら送ってくれている、絶え間のない口づけに夢見心地になってしまう。甘く唇を食んでくれる柔らかな温もりに浸っていると、腰を強く抱き寄せられた。
「は、ふ……んぅ……」
ふと感じた確かな熱。それは、抱き締めてくれている腕でもなく、密着している筋肉質な長身でもない。
それは、丁度俺の太ももに当たっていた。硬く芯を持っていて、時々その熱さを俺に分からせるみたいに、ぐいっと押し当てられていた。
……先輩自身は無意識なんだろうけど、これって、やっぱり。
「ん、ぁ……せ、んぱ、んむ、ふ……っ」
熱烈なキスの合間に、どうにかねじ込んだ呼びかけに、先輩はすぐさま気づいてくれた。名残惜しそうに下唇を食んでくれてから、止めてくれた。
息継ぎをしたいと思われたのかも。すぐにでも再開出来るようにする為か、鼻先が触れ合う距離のまま尋ねてきた。
「……どうか、した……?」
「……ぁ」
至近距離で、それも熱のこもった瞳で見つめられてしまうと言葉が引っ込んでしまう。喉が締め付けられているみたいに、息が抜けるような音しか出せない。
はくはくと口を開いては、閉じては。ただ空気を取り込むだけになっていた俺に、先輩が手を伸ばしてきた。
「……ん?」
ゆるりと瞳を細めて、小首を傾げる様が色っぽい。大きな手のひらが頬を撫で、骨ばった長い指が顎の裏を擽ってくる。
その手つきはどれも優しくて。温かな気持ちが伝わってくる。俺を安心させようとしてくれている、先輩の思いやりが。
言うべきことではないのかもしれない。でも。
「……その……太、ももに……先輩の、当たって……」
今更誤魔化すことなんて、俺には出来なかった。
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