353 / 490
細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
先輩と比べりゃあ、俺なんか
しおりを挟む
「ふ、んぁ……ん、ん……ソレイユ……」
ついばむような優しいキス。柔らかな唇が重ねられるだけで、確かな喜びを俺は感じていた。でも、そんな幸せもすぐに終わってしまった。
「……あ」
もうちょっとして欲しかった。
ついこぼれてしまっていた素直な不満に、物欲しげな声に、先輩は気づいているハズだ。なんせ、くすくす笑っているからな。
でも、続きをしてはくれない。優しい手つきで頭を撫でてくれるだけだ。いや、撫でてもらえるのも嬉しいんだけどさ。
……色々と触れてもらえるようになってから、だよな。俺、なんか、どんどん我儘になってきて。
「……ね、シュン」
「は、はい。なんでしょう?」
「明日からさ……準備しない?」
「……準備、ですか?」
一体、何の? 今日はお泊りしてくれるし、明日は休日。剣術部もお休みだと聞いていたから、デートしてもらえるかなって期待はしているんだけれども。
考えても浮かんでこない、浮かぶ気配のない俺を見ている瞳が細められる。そっと伸びてきた人差し指が、俺の口をちょんとつついた。
「うん、シュンを抱く準備」
だく、俺を、先輩が…………抱く?
じわじわと飲み込めてきた宣言に、落ち着きかけていた心臓が駆け足になる。こみ上げてきた衝動のままに、俺は先輩の手を両手でしっかと握ってしまっていた。
「っ……し、しますっ、頑張りますっ、頑張りますからっ、俺っ」
前のめりになっている俺を見て、先輩が擽ったそうに笑う。細い眉を片方下げながら、空いている手で宥めるように頭を撫でてくれた。
「ほいほい、ちょっと落ち着いて。喜んでくれるのは嬉しいんだけどさ」
「……すみません」
「フフ、いいよ。それでさぁ、ぶっちゃけオレのってデカいじゃん?」
軽い調子で尋ねられて思い出された先輩のもの。キレイでカッコいいお顔に似合わず、けれども鍛え抜かれて引き締まった長身には似合っているそれは、贔屓目に見ても長くて太い。
普通くらいだと思っていた自分のものが、子供サイズなのではと思い知らされたくらいには。だからといって悔しさなんて微塵も湧いてこなくて、それどころか今まで以上の憧れを抱いたのだけれども。
「は、はぃ……その、カッコいい、です……」
「……ん、ありがと」
さっきの調子はどこへやら。頬をほんのりと染めた先輩の唇は、拗ねたようにちょこんと尖っている。
釣られて照れてしまったんだろうか。撫でてくれていた指先も、どこかあたふた。俺の髪に触れては離れてを繰り返している。
そんな可愛い様子に癒やされていると、何やらじっと見つめられてしまった。もしや、機嫌を損ねて?
「あの、先ぱ」
「でさ、シュンちゃんはさ、オレと比べて目茶苦茶繊細でしょ? ちっちゃくて細いし」
「え、ええ……まぁ、そうですね……」
確かにモデル顔負けなその長身に比べりゃあ俺なんかチビですし。剣術部の二大エースであるその鍛え抜かれた身体に比べりゃあ細いですけども。
今更な事実を言いながら、俺を撫でる先輩の手つきがなんだか妖しい。手のひらではなく指の腹で、産毛だけを撫でるように触れてくる。
しなやかな長い指は頬を撫でて、首を撫でて、急に腰にまで伸びてきた。尾てい骨の辺りに触れられると背筋がぞくぞくとして、何だか変な気分になってしまう。
「……ちゃんと筋肉はついてるのにさ、どこもふにふにしてて柔らかいし。良い匂いするし、スッゴく可愛いし」
手の動きに気を取られている内に、いつの間にやら鼻筋の通った顔が近づいてきていた。
頬と頬とをするりと擦り寄せてきたかと思えばすぐに離れて、今度は首元に。高い鼻先を擦り寄せた後は、薄い胸板がターゲットに選ばれたらしい。
鎖骨にそっと唇で触れてから、揉み応えのない俺の胸板に柔らかい頬をくっつけてきた。
ついばむような優しいキス。柔らかな唇が重ねられるだけで、確かな喜びを俺は感じていた。でも、そんな幸せもすぐに終わってしまった。
「……あ」
もうちょっとして欲しかった。
ついこぼれてしまっていた素直な不満に、物欲しげな声に、先輩は気づいているハズだ。なんせ、くすくす笑っているからな。
でも、続きをしてはくれない。優しい手つきで頭を撫でてくれるだけだ。いや、撫でてもらえるのも嬉しいんだけどさ。
……色々と触れてもらえるようになってから、だよな。俺、なんか、どんどん我儘になってきて。
「……ね、シュン」
「は、はい。なんでしょう?」
「明日からさ……準備しない?」
「……準備、ですか?」
一体、何の? 今日はお泊りしてくれるし、明日は休日。剣術部もお休みだと聞いていたから、デートしてもらえるかなって期待はしているんだけれども。
考えても浮かんでこない、浮かぶ気配のない俺を見ている瞳が細められる。そっと伸びてきた人差し指が、俺の口をちょんとつついた。
「うん、シュンを抱く準備」
だく、俺を、先輩が…………抱く?
じわじわと飲み込めてきた宣言に、落ち着きかけていた心臓が駆け足になる。こみ上げてきた衝動のままに、俺は先輩の手を両手でしっかと握ってしまっていた。
「っ……し、しますっ、頑張りますっ、頑張りますからっ、俺っ」
前のめりになっている俺を見て、先輩が擽ったそうに笑う。細い眉を片方下げながら、空いている手で宥めるように頭を撫でてくれた。
「ほいほい、ちょっと落ち着いて。喜んでくれるのは嬉しいんだけどさ」
「……すみません」
「フフ、いいよ。それでさぁ、ぶっちゃけオレのってデカいじゃん?」
軽い調子で尋ねられて思い出された先輩のもの。キレイでカッコいいお顔に似合わず、けれども鍛え抜かれて引き締まった長身には似合っているそれは、贔屓目に見ても長くて太い。
普通くらいだと思っていた自分のものが、子供サイズなのではと思い知らされたくらいには。だからといって悔しさなんて微塵も湧いてこなくて、それどころか今まで以上の憧れを抱いたのだけれども。
「は、はぃ……その、カッコいい、です……」
「……ん、ありがと」
さっきの調子はどこへやら。頬をほんのりと染めた先輩の唇は、拗ねたようにちょこんと尖っている。
釣られて照れてしまったんだろうか。撫でてくれていた指先も、どこかあたふた。俺の髪に触れては離れてを繰り返している。
そんな可愛い様子に癒やされていると、何やらじっと見つめられてしまった。もしや、機嫌を損ねて?
「あの、先ぱ」
「でさ、シュンちゃんはさ、オレと比べて目茶苦茶繊細でしょ? ちっちゃくて細いし」
「え、ええ……まぁ、そうですね……」
確かにモデル顔負けなその長身に比べりゃあ俺なんかチビですし。剣術部の二大エースであるその鍛え抜かれた身体に比べりゃあ細いですけども。
今更な事実を言いながら、俺を撫でる先輩の手つきがなんだか妖しい。手のひらではなく指の腹で、産毛だけを撫でるように触れてくる。
しなやかな長い指は頬を撫でて、首を撫でて、急に腰にまで伸びてきた。尾てい骨の辺りに触れられると背筋がぞくぞくとして、何だか変な気分になってしまう。
「……ちゃんと筋肉はついてるのにさ、どこもふにふにしてて柔らかいし。良い匂いするし、スッゴく可愛いし」
手の動きに気を取られている内に、いつの間にやら鼻筋の通った顔が近づいてきていた。
頬と頬とをするりと擦り寄せてきたかと思えばすぐに離れて、今度は首元に。高い鼻先を擦り寄せた後は、薄い胸板がターゲットに選ばれたらしい。
鎖骨にそっと唇で触れてから、揉み応えのない俺の胸板に柔らかい頬をくっつけてきた。
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ガテンの処理事情
雄
BL
高校中退で鳶の道に進まざるを得なかった近藤翔は先輩に揉まれながらものしあがり部下を5人抱える親方になった。
ある日までは部下からも信頼される家族から頼られる男だと信じていた。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる