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細マッチョな先輩と恋人同士になった件(ソレイユルート)
★ やっとお返しが出来たんだ
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褒めてもらえた俺はすっかり調子づいてしまっていた。さっきまでのやり取りが、先輩からのお願いが、すっぽ抜けてしまっていたんだ。
「じゃあ、もっと頑張りますね……」
「え、ちょ……っ」
もっと先輩に喜んで欲しい、もっと先輩に褒められたい。そんな想いばかりで頭の中はいっぱいいっぱい。咄嗟に待ったをかけようとしていた先輩の声すらも耳に入らなかった。
ふわふわとした気分のまま、再び舌を伸ばしていた。それも、さっきまで舐めていた竿の部分じゃない。勝手にステップアップしてしまっていた。大きく張り出したカリ首の部分に触れ、先端に向かって舐め上げていたんだ。
「ん、む……? うわ……っ」
振動するみたいに小刻みに、手の中の先輩のものが震えたかと思えば、顔に熱い液体がかかっていた。
粘ついていて、お世辞にも良い匂いとは言えない。独特の匂いがする。かといって、嗅いだことがない訳では。
「は、はっ…………ふ、ぁ……だから、言った、のに……待ってって……」
考えなくても分かったことだ。冷静な状態ならば。でも、俺は今の今まで不思議に思ってしまっていた。状況を飲み込めずにいた。気がつけなかったんだ。俺の顔にかかったものの正体に。
熱に浮かされたように蕩けた先輩の表情を見るまでは。艶っぽい吐息を乱しながら気恥ずかし気に、恨めしそうに言われるまでは。
「……先輩」
ふいっと逸らされた瞳は、滲んだ涙で薄っすらと濡れていた。括れたラインが美しい首まで真っ赤に染めながら、つんと尖らせた唇から小さな吐息を漏らしている。
見惚れながらも自分の頬を指先で撫でると、ぬめっとしたものに触れた。原因であるそれを拭い取ってから目の前に持ってくる。白い粘液が指先でてらてらと糸を引いていた。
ああ、ホントに。ソレイユ先輩に気持ちよくなってもらえんだ。
恋人にしてもらえたのに、俺ばっかりが良くしてもらえていて、なんのお返しも出来ていなかった。でも、やっと出来たんだ。
「先輩……気持ちよかった、ですか?」
「…………分かる、でしょ……そんなの、言わなくて、も」
言いかけて、先輩は言葉を止めた。そっぽを向いていたオレンジの瞳が、俺を食い入るように見つめている。
「……先輩?」
不思議に思って呼びかけると、はっとしたように長い睫毛が瞬いた。何故かわざとらしい咳払いをして、大股に開いていた足を閉じてから背筋を伸ばして。
「……ありがとう、シュンちゃん。オレの為にいっぱい頑張ってくれて……スゴく嬉しかった……気持ちよかったよ」
柔らかな微笑みを向けてもらえた瞬間、目の前が明るく色づいていくような気がした。
「それはそれとして……」
俺の頭を撫でてくれながら先輩が何やらぎょろきょろと部屋を見回す。探し物を見つけたらしい。鼻筋の通った横顔が、ぱぁっと明るくなった。
「ちょっと待っててね」
一言声をかけてくれてから先輩はベッドから降りた。テーブルの方へと足早に歩いていってからすぐに戻ってきてくれた。
先輩が探していたのはティッシュだった。ベッドへと軽く放ると俺を抱き起こしてくれる。ベッドの縁に座らせてくれてから、テイッシュを数枚手にして俺の顔を覗き込んだ。
「大丈夫? 目に入っちゃってたりしてない?」
拭うというよりはそっとくっつけるように、柔らかなティッシュが頬に触れていく。慎重で優しい手の動きを俺はただただ見つめてしまっていた。
「シュンちゃん? しゅーんーちゃーん?」
いつの間にやら終わっていたらしい。しなやかな指で俺の目元を撫でてくれながら、先輩が心配そうに見つめていた。
「じゃあ、もっと頑張りますね……」
「え、ちょ……っ」
もっと先輩に喜んで欲しい、もっと先輩に褒められたい。そんな想いばかりで頭の中はいっぱいいっぱい。咄嗟に待ったをかけようとしていた先輩の声すらも耳に入らなかった。
ふわふわとした気分のまま、再び舌を伸ばしていた。それも、さっきまで舐めていた竿の部分じゃない。勝手にステップアップしてしまっていた。大きく張り出したカリ首の部分に触れ、先端に向かって舐め上げていたんだ。
「ん、む……? うわ……っ」
振動するみたいに小刻みに、手の中の先輩のものが震えたかと思えば、顔に熱い液体がかかっていた。
粘ついていて、お世辞にも良い匂いとは言えない。独特の匂いがする。かといって、嗅いだことがない訳では。
「は、はっ…………ふ、ぁ……だから、言った、のに……待ってって……」
考えなくても分かったことだ。冷静な状態ならば。でも、俺は今の今まで不思議に思ってしまっていた。状況を飲み込めずにいた。気がつけなかったんだ。俺の顔にかかったものの正体に。
熱に浮かされたように蕩けた先輩の表情を見るまでは。艶っぽい吐息を乱しながら気恥ずかし気に、恨めしそうに言われるまでは。
「……先輩」
ふいっと逸らされた瞳は、滲んだ涙で薄っすらと濡れていた。括れたラインが美しい首まで真っ赤に染めながら、つんと尖らせた唇から小さな吐息を漏らしている。
見惚れながらも自分の頬を指先で撫でると、ぬめっとしたものに触れた。原因であるそれを拭い取ってから目の前に持ってくる。白い粘液が指先でてらてらと糸を引いていた。
ああ、ホントに。ソレイユ先輩に気持ちよくなってもらえんだ。
恋人にしてもらえたのに、俺ばっかりが良くしてもらえていて、なんのお返しも出来ていなかった。でも、やっと出来たんだ。
「先輩……気持ちよかった、ですか?」
「…………分かる、でしょ……そんなの、言わなくて、も」
言いかけて、先輩は言葉を止めた。そっぽを向いていたオレンジの瞳が、俺を食い入るように見つめている。
「……先輩?」
不思議に思って呼びかけると、はっとしたように長い睫毛が瞬いた。何故かわざとらしい咳払いをして、大股に開いていた足を閉じてから背筋を伸ばして。
「……ありがとう、シュンちゃん。オレの為にいっぱい頑張ってくれて……スゴく嬉しかった……気持ちよかったよ」
柔らかな微笑みを向けてもらえた瞬間、目の前が明るく色づいていくような気がした。
「それはそれとして……」
俺の頭を撫でてくれながら先輩が何やらぎょろきょろと部屋を見回す。探し物を見つけたらしい。鼻筋の通った横顔が、ぱぁっと明るくなった。
「ちょっと待っててね」
一言声をかけてくれてから先輩はベッドから降りた。テーブルの方へと足早に歩いていってからすぐに戻ってきてくれた。
先輩が探していたのはティッシュだった。ベッドへと軽く放ると俺を抱き起こしてくれる。ベッドの縁に座らせてくれてから、テイッシュを数枚手にして俺の顔を覗き込んだ。
「大丈夫? 目に入っちゃってたりしてない?」
拭うというよりはそっとくっつけるように、柔らかなティッシュが頬に触れていく。慎重で優しい手の動きを俺はただただ見つめてしまっていた。
「シュンちゃん? しゅーんーちゃーん?」
いつの間にやら終わっていたらしい。しなやかな指で俺の目元を撫でてくれながら、先輩が心配そうに見つめていた。
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